第59話「座標データ」
三体のロボットが、巨大な鉄扉の前で停止した。
ルーカスたちも少し離れた場所で足を止める。
ミリアが端末を確認する。
「……まだ通信が続いてる」
ジェイクが周囲を見る。
「三体とも、あの扉を開けるつもりなのか?」
「分からない。でも、さっき受信した座標データと関係してる可能性は高い」
ルーカスが鉄扉を見る。
「開けられる?」
ミリアが扉の操作盤へ近づく。
「やってみる」
端末を接続する。
しばらくすると画面に文字が表示された。
【認証要求】
【管理者権限が必要です】
ミリアが眉をひそめる。
「普通には開かない」
ジェイクがため息をつく。
「また認証かよ」
ミリアが三体のロボットを見る。
「でも、あの三体は違う」
「どういうこと?」
「ロボット側から扉へ認証信号を送ってる」
三体の胸部が同時に点灯する。
ピッ。
鉄扉のロックが一つ解除された。
ガコン。
「……開いた」
ルーカスが構える。
「警戒して進もう」
扉がゆっくり開いていく。
その奥には、大型の部屋が広がっていた。
中央には円形の装置。
周囲には複数の端末。
そして壁一面に、施設の地図が表示されている。
ミリアが目を見開いた。
「これ……」
ルーカスが近づく。
「何が分かった?」
ミリアが地図を拡大する。
「ここが今いる場所。そして……」
画面上に一本の通信経路が表示された。
現在地から東へ伸び、その先で別の施設へ接続している。
ジェイクが指差す。
「これが第2施設?」
ミリアが頷く。
「たぶん。でも、位置が完全には分からない」
「完全には?」
「このデータは途中までしか表示されてない。最後の座標が暗号化されてる」
ルーカスが三体のロボットを見る。
「じゃあ、あいつらが持ってる座標は?」
ミリアが端末を操作する。
「それを読み取れれば……」
その時、三体のロボットが一斉に中央の装置へ近づいた。
「待って!」
ミリアが叫ぶ。
三体の胸部から光が伸び、中央装置へ接続される。
ウィーン……。
装置が起動する。
壁の地図が次々と切り替わっていく。
そして一つの地点が赤く点滅した。
ミリアが息を呑む。
「座標が出た……!」
ジェイクが画面を見る。
「場所は?」
ミリアが表示されたデータを読み取る。
「東の山間部……」
ルーカスが拳を握る。
「そこに第2施設があるのか?」
「まだ断定はできない。でも、この施設から直接つながってる」
突然、三体のロボットが中央装置から離れた。
赤い目が点灯する。
ジェイクが武器を構えた。
「おい……まさか」
三体がこちらを向く。
ルーカスもブレイカーを構える。
「来るぞ」
しかし、ロボットたちは攻撃してこなかった。
三体とも、地下施設の出口へ向かって歩き始める。
ミリアが画面を見る。
「……座標データを受信し終わったみたい」
ルーカスがロボットの背中を見る。
「じゃあ、あいつらは次の場所へ向かう」
ジェイクが武器を握り直した。
「俺たちも追うか?」
ルーカスは頷いた。
「ああ。第2施設につながる場所まで行く」
ミリアが端末に座標を保存する。
「これで、第2施設への手掛かりは掴めた」
三人はロボットの後を追って、地下施設を進み始めた。
第59話 完




