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時の破壊者~亡国の救世主[メシア]と戦士たち~  作者: 辻澤桐子
第五章 姉弟(兄弟)の再会
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第20夜 恋心と兄弟

───ここはダヂオの町を出て死者の森に向かう道中。

裕生とエスカーと那波斗とテンの4人が道を往く。


「───すんませんお2人、テンはまだ小さいんで時々休憩入ったり遅くなりますが───」


と那波斗。

それに裕生が


「あー、そうだよね、大丈夫大丈夫」


と返す。

それにエスカーが


「えー、大丈夫なの?ユキ・・・」


と怪訝そうにテンを見、テンは下に俯きながら歩く。


「テン、がんばってあるく!!!!!」


とテンは俯きながら言うが、裕生は


「おい、ガキ相手に何言ってんだよ。しかもこの子女の子だろ。大丈夫だよー、休みながら行こうなー」


とエスカーとテンに返す。

エスカーは


「チェッ・・・」


と舌打ちをし、テンは


「・・・!!!!!ありがとございます・・・!!!!!」


とペコとお辞儀しながら歩く。


「すんません、ユキさん・・・」


と那波斗。

それに裕生は


「いや、慣れてるから」


と返す。

それに驚きエスカーは、


「慣れてるの・・・?」


と裕生に問いかける。

それに裕生は


「俺んち大家族でさ、チビがいっぱいいんだ」


と返す。


「そうなんだ・・・」


と意外そうに反応するエスカー。


「すごいなユキは・・・俺なんか・・・」


とエスカーが呟く。


「別にすごくねぇよ。慣れてるだけだっつーの」

「ううん、すごいよ」


と裕生とエスカーが言葉を交わし合う。

まるで恋人同士だ。

それを見て那波斗が


「仲がいいんっすね、付き合い長いんスか?」


と話に入る。

するとエスカーは


「最近会ったばっかだよ!!!!!へへへ、そんなに仲良く見える?」


と照れくさそうに少し威張って那波斗に言い放つ。


「なんかこいつとはウマが合うんだよなー」


と裕生。


そんな2人を見て、この2人デキてるのかな・・・と思う那波斗だった。



──────────────────


所変わってここはヒール総本山。

ルカがヒール総本山を訪れていた。



「ルドはいる?ルドに会いたいんだけど」


とルカが紗生の傍らにいたダンテに聞く。


「ルドさんはまだ戻ってないよー」


そう言うダンテにルカは、そうか、と返した。


「ルドに用があって来たんだけど・・・少しここにいようかな」


とルカはチラと紗生を見た。

視線が合って、紗生はカアッと顔を赤らめて俯いてダンテの手をいじり始めた。

ダンテは?となっている。


「サキ、どうしたの?」

「な、なんでも・・・ゴニョゴニョ・・・」


そう言うダンテと紗生を見て、ルカは


「君、ちょっといいかな?」


と紗生を誘った。


「えっ!?!?!」


と紗生。

それに待ったをかけたのがアザムだった。


「・・・ルカさん、そいつは俺の客だ。勝手に誘わないでくれるか?」


それにルカは怯むことなく


「え?なに?2人付き合ってる?それなら仕方ないけど」


そう言われて紗生は顔をブンブンと横に振り手も振り


「ちっ!!!!!違います!!!!!こんな子供・・・!!!!!」


と言い、アザムもまた顔をボッと赤らめ


「違うが!!!!!」


と反射的に返した。

それにルカは


「なーんだ、じゃあ問題ないじゃない。君、ちょっとこっち来てお土産でも食べようよ。ちょっと!!!!!誰かこれ皿に並べて出してくれる?この子と食べたい。飲み物もね」


と言い荷物をハルキに渡すとハルキは下っ端に渡し、皿に並べて出して飲み物も出すように言った。

ルカと紗生はテーブルのある椅子に座り、皆はそれを見つつはけて行った。


「えー、紗生ねえどうなるの!?!?!」


と華留美。


「食われちゃうんじゃない?」


とちょっと不満そうにダンテが言う。


「えっ!?!?!何?!?!?何て言ったの?????もしかして2人Hする?????」

「そうなんじゃない・・・」

「えっ?????なになに?もしかして私の考え当たってるでしょー!?!?!」

「・・・だからそう言ってるだろ」


と華留美とダンテ。

その傍らでアザムが静かに怒っていたので、華留美とダンテは静かにキッチンに行って手伝いを始めた。



──────────────────



───所変わって妖精村、ベルデの住処。


ベルデはテーブルと椅子がどかされた其処の床にチョークで魔法陣を書いていた。

エナ達妖精達は魔法陣の所々に青、黄色、ピンク、紫の色の花と葉っぱを置いている。


スミレはサボって花の蜜を舐めている。


「頑張れー・・・」

「おいスミレ!!!!!お前も手伝えよ!!!!!」


とエナ。


「そうじゃそうじゃ、手伝わんか!!!!!」


とベルデ。

腰がしんどいようで上体を起こして腰をトントンしている。


「えー、ドイメン}


とスミレ。

それを見てザムザはあはは・・・と苦笑いをし、ラムソスはハァ・・・と溜息を一つついた。


「これは何をしているんですか?ベルデさん」


とザムザ。


「うむ。この魔法陣によってお前らに力を授ける。ワシに出来るのは初歩的な力を授けることだが・・・その為にはスミレの力を借りることになる」


とベルデはギョロリとした目でスミレを一瞥した。

スミレは花の蜜を花からペロペロしながら


「そだよー、アタシの力がいるんだからエナ達は働けー」


と言い放った。


「ムカつくなー」


とエナ。

まあまあ、とモブの妖精達がエナをなだめる。


「・・・よし、これくらいでいいじゃろ。お前達、もういいぞ。ハクナ、火薬取っとくれ」

「・・・!!!!!はい」


とモブ妖精の一人のハクナが指名されて棚にあった火薬をモブ妖精の一人のチリと運んだ。


「「火薬です」」


と2人。おう、すまんな、とベルデ。

2人はモブ妖精達の元に戻って行った。


「またサキの時みたいに燃やすのー?」


とスミレが怪訝そうな顔でベルデを見やる。

エナも怪訝そうな顔をしている。


「・・・そうだが?????}


といきなりベルデは変顔をして見せる。


「「「「「「「キモっ!!!!!」」」」」」」


皆の心は1つになった。




──────────────────



所変わってまたヒール総本山。



ルカと紗生は茶をしばいていい感じになっていた。


「えっ君ミヤコっていう所から来たの!?!?!どこそこ!?!?!聞いたことないよ!!!!!」

「ええっ、そうか、岩手でも有名な方だけどここは違う世界だった・・・」

「えっ!?!?!何っ!?!?!君違う世界から来たの!?!?!どういうこと!?!?!」



と紗生と話をしていてルカは少々混乱していた。


「カルミんも違う世界から来たんですよ。カルミんって、あの、台所にいる、オレンジの髪の小さい子」


と紗生はカルミんを指さして見せた。

カルミんとダンテはそれに気づき、カルミんは苦笑いをしながら、ダンテは不貞腐れながら紗生達に手を振って見せた。

紗生とルカも手を振り返すと、ダンテはそんなルカに気づきまた黙々と作業を始めて、そんなダンテの様子を見てカルミんも作業を再開した。


「?どうしたのかな?????」


と紗生。


「さあ?君のことが好きなんじゃない?」

「えっっ」


とルカと紗生。

紗生は唇に手を触れ、カアッと顔を赤らめる。

その様子をルカは見逃さなかった。


「あっ次の食べ物が来たみたいッ」


と紗生は誤魔化そうと次の食べ物を運んでくるアザムを見やった。


「アレ?アザムだ・・・?????」

「・・・・・・・・・・・・・・・」


と?マークを浮かべている紗生と、察した様子のルカ。

食べ物の乗った皿はテーブルにダンッと大きい音を立てて置かれた。


「!!!!!」


紗生は目を白黒させ、ルカはニコニコと余裕の笑みを浮かべている。


「・・・ルカさん、俺と勝負してくれ・・・!!!!!」




──────────────────



「見つけたわ!!!!!」



黄昏時の台所のテーブルで利奈子が水晶玉を覗いている。

薄暗い台所の中、水晶玉が一際光って見える。


「えっ誰見つけたの!?!?!お兄ちゃん達?!?!!」


と美生が皿洗いをしていたゴム手袋を洗って脱ぎ利奈子の水晶玉を覗き込む。


「あっ!!!!!」


美生はそう叫ぶと体を震わせ母である利奈子にしがみついた。


満生(みつき)康生(こうき)を見つけたわ…」


と利奈子は感涙し震える美生と目を合わせ笑んだ。

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