第19夜 ルカ
ーーーーーここはダヂオの町、ジョニーの店。
出発の日。
裕生とエスカーはジョニーに那波斗という少年とテンという幼女を紹介された。
那波斗は黄色い肌に黒い長いウェーブの髪を縛り盗賊のような出で立ちをしている。
テンは黄色い白い肌に黒いウェーブの髪の毛が深く被ったバンダナからチョロリとはみ出し、体はマントに覆われいかにも盗賊といった出で立ちだ。
「紹介する、那波斗とテンだ」
よろしく、よろしく、と那波斗とテンは言う。
「那波斗、テン、ユーキとエスカーだ。
エスカーは見たことあんだろ」
「あるっス」
と、ペコと那波斗とテン。
よろしく、と裕生とエスカー。
「じゃーまー行って来いエスカー。
気ぃつけてな。
ダヂオに帰って来ることあったら先ず俺んとこ来い。いいな」
とギロ、とジョニーはエスカーを一瞥した。
分かりました~~~~~とペコペコするエスカーと裕生。
「•••じゃあ行きますか」
と那波斗が言うと、あとの3人がうん、おう、と口々に言い、エスカーと那波斗はジョニーにペコっとおじぎすると4人はジョニーの店を出発した。
ーーーーーさて、どうなるやら?
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所変わってヒール総本山。
紗生が仲直りしたダンテとまた一緒にいて、また筋力トレーニングに山中を歩いている。
「大分筋力戻ってきたんじゃない?サキ!!!!!」
とダンテ。
「ああ、これなら早歩きで皆についていけるし軽い戦闘なら参加出来るかもしれない」
と紗生。
そこで2人は休憩することにして、紗生はベルデに連絡を取る事にした。
「ダンテ、私は今からベルデにテレパシーを送る。
一見変な人に見えるかもしれないが気にしないで欲しい」
「テレパシー!?!?!そんなこと出来んの!?!?!
ホントに紗生魔女なんじゃないの!?!?!」
「違う。魔女はベルデというお婆さんのことだ」
それを聞いてダンテはギョッとした。
「魔女と知り合いなの!?!?!やべー!!!!!」
「いずれ言うつもりだった・・・・・テレパシー送っていいかな?」
「!!!!!いいよ!!!!!」
それを聞いてダンテは興奮して体全体を動かしてワクワクを表現した。
が本人は抑えているつもりである。
紗生は目を瞑り静かにしてベルデにテレパシーを送った。
(ベルデ・・・・・私だ、紗生だ・・・・・応えてくれ・・・・・)
所変わって妖精村、ベルデの住処の周辺。
ベルデは朝食を終えてザムザとラムソスに魔法を教える準備をしていた。
「!!!!!」
「どうしたんですか?ベルデさん・・・・・」
とザムザ。
動いていたベルデがいきなり固まったので不審そうにしている。
「ファヤウじゃ。ファヤウからテレパシーが来た」
「え!?サキさん!?!?!」
「しっ!!!!!」
とベルデはザムザ達を黙らせてテレパシーを送り返すことにした。
(ファヤウか!!!!!久しぶりじゃのう!!!!!息災か!!!!!)
(サキです!!!!!ええ、元気です。歩けなくて途方に暮れていたんですが、ヒールの子達に助けられて歩けるようになりました)
(おお、そうか!!!!!それは良かった!!!!!仲間を見つけてようじゃったが!?!?!)
(はい、カルミんです)
(そうそうカルミん)
(カルミんも呪いにかかっているのか額にかなり煤が付いていて・・・・・)
(分かった分かった、儀式をしてやる。近く会おう。スミレとエナをその内そちらに送ろう)
(お願いします)
(じゃあ、忙しいからまたの)
(はい)
と、連絡を終えると紗生はフー、と息を吐き楽な姿勢を取った。
ダンテは先程からおかしな動きをして紗生を見守っていた。
「どうだった!?!?!サキ!!!!!」
「うん、近くスミレとエナ・・・・・妖精達が様子を見に来る」
「妖精!?!?!」
ダンテは目を白黒させワクワクが止まらなかった。
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───所変わってベルデの住処の前。
ザムザ達は魔法を教わる儀式の準備をしていた。
「サキさんから連絡があったんです!?!?!」
とザムザ。
「ああ、今しがたテレパシーが届いた」
とベルデ。
「何て言ってたんです!?!?!無事で良かった!!!!!筋肉は良くなったんですか!?!?!」
とラムソス。
ザムザとラムソスと妖精たちはベルデに殺到している。
「ヒールの連中のお陰で脚が良くなったと言っていたな」
とベルデ。
ザムザは良かった~、という顔をしているがラムソスは怪訝そうな顔をしている。
「盗賊のお陰で・・・?」
ザムザは先日の水晶玉の映像を思い出し、ラムソスに寄り添った。
「そ、そうだよねラム。あんなことがあったから盗賊をよく思ってないよね・・・ッ」
とザムザ。
そんなザムザを見て、ラムソスは少し心がふっと軽くなって、
「そうだけど・・・サキさんが筋肉が良くなって良かったね!!!!!」
とラムソスは空元気を見せた。
ザムザとベルデと妖精達は健気だな、と思った。
「ラムソスはいい子だね・・・」
とエナが小さな手でラムソスの頬を撫でた。
「そんな・・・僕はそんなにいい子じゃ・・・」
とラムソスは謙遜したが、みんなは温かい気持ちになった。
「うっし!!!!!じゃあ魔法を覚える儀式すっか!!!!!」
とスミレがその場を仕切った。
一同はベルデの指示に従い儀式の準備を続けた。
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───所変わって死者の森の中、アザム達1番隊が帰路についている途中。
見知らぬ馬と人影がアザム達に近づいた。
「!!!!!アンタは・・・!!!!!」
と1番隊の組員達は口々に言った。
アザムも
「!!!!!」
と目を見張った。
「・・・久し振りだな、アザム」
「アンタは・・・!!!!!」
とアザムは口にした。
───所変わってヒール総本山入口、華留美と紗生とダンテが夕飯の食器の並べ方などをしている。
そこにアザムと1番隊と謎の馬と人影が歩いて現れた。
「1番隊が帰って来たぞー!!!!!」
と1番隊の下っ端がヒール総本山に向かって叫んだ。
途端にヒールの奴らは次々に1番隊の迎えに出た。
口々にお帰りなさい、と言っている。
「お前ら、久し振りにルカさんが来た。丁重に扱え」
アザムがそう言うとヒールの連中は口々にお帰りなさい!!!!!とかお疲れ様です!!!!!などと口にした。
そのルカという人物は馬をヒールの男に託すと
「ブルースカイを宜しく!!!!!」
とその男に馬の名前を言い、紗生と華留美の元に真っ直ぐやって来た。
「・・・見ない顔だね、新入り?名前は?」
と満面の笑みで紗生と華留美の顔を覗き込んだ。
「・・・岡本紗生・・・こっちはカルミん・・・」
「え?何?何?」
と、紗生は頬を赤らめ控えめに呟いた。
華留美は何を言っているのか未だに分かっていない。
ルカという男は絶世の美青年だった。
肌が浅黒く、天然パーマの黒と金の髪に大きな瞳に長い睫毛がフサフサ付いていた。
紗生は一瞬で虜になった。
華留美は、顔の綺麗な人だなー。でも何言っているんだろう?と何となく思っていた。
アザムはその様子を怪訝そうに見ていた。
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「・・・また庭いじりしてたの?母さん・・・」
と、家の窓から美生が利奈子に話しかけた。
利奈子は自身の家庭菜園からピーマンを収穫している。
「・・・ナポリタン作ろうと思ってね・・・」
と利奈子。
「!!!ナポリタン!!!食べたい!!!」
と美生。
とてもウキウキしている。
「ふふ・・・じゃあこのピーマンを台所の流しの上の方に置いておいてくれる?美生・・・」
「はーい」
と、2人は不気味なほど穏やかに昼食を摂ろうとしている。




