リグ
三千度。
ロケットの推進剤を燃やしたときに達する熱量だ。
広い庭を使った燃焼実験のことごとくが、その熱により失敗に終わった。
素材を見直し、耐熱温度を上げ、それでもなおその温度に耐えられるものは存在しなかった。
すまない。と、申し訳なさそうに呟いたメルの声が今もまだ鼓膜の辺りに染みついて離れない。
このままではダメだと、十分理解はしていた。
ロケットが出す熱量は、どんな素材をも容易く溶かし変形、膨張、変性させてしまう。
極低気圧と極低温から乗組員を守る完全密閉完全保温のケースなど作れもしない。
そもそも、出入り口を作ってどうやって密閉すればよいというのか。
穴が開いてるのに、密閉っていうのは何だ。哲学だろうか。
目の前で夢物語を語り続ける自分の過去が疎ましい。
メルを完全に外気と隔離する服で覆う代案も「想像しただけで吐ける」というメルの一言で没になった。
コレばかりは仕方がない。リグだって高所恐怖症だ。
高いところにぶら下げると言われて、はいそうですかなどと言える訳がない。
「あー……」
何もかもが行き詰まっていた。
空はあまりにも遠くて高かった。
目の前にあるのは部屋から持ってきた一冊の本。
リグは、そのボロボロで今にも崩れそうな本の表紙を静かに撫でる。
タイトルは『スターゲイザー』
メルから借りた、宇宙を望み続けた者たちの残した本だ。
空の上には、人工衛星が浮かんでいる。
その衝撃的な事実をいとも平然と告げた本。
だが、それが故意に打ち上げられた衛星だという以外、何も分かっていない。
資料はなく、いったいその衛星が何のために柱を追いかけるように飛んでいるのかは誰も知らないのだ。
――それだってあそこまで行けば分かるかもしれない。
一度は、企画書を作り父親に見せようかとも考えた。
手に入る技術、経験、資料は、確実にベルフレアをより一層強固な世界企業にするだろう。
そんなことは分かる。分かっているがリグはそうしなかった。
衛星がどうして飛んでいるのかも、そこに行くために必要な技術力も、ロケットを飛ばすことで手に入る貴重な経験も、何もかもリグには興味がなかった。
子供の頃に夢を見て、そして今その夢を叶えるときが来た。
ただロケットを飛ばしたい。それだけだった。
本を開く。
指を這わせてなぞった先、数字がひとつ書いてあった。
高度三万四千六百三.二三km
この星から衛星までの距離。
調べれば調べるほど。
計算すれば計算するほど。
それは絶望的な結果となって紙の上を踊った。
エンジンの構造を考えれば考えるほど推力は得られず、風を空気を重力を知れば知るほどロケットは机の上で落ちる。
知識は現実という名前で夢を縛り付けてくる。
社会に出て感じた無力感のようなものが、更に何倍にもなっていま現実という名前で押し寄せてくるのだ。
それはあまりにも重たい枷。
そしてそれを打ち壊す力も知識もリグは持ち合わせていない。
己はあまりにも無力で、柱にしがみつくただの矮小な生き物であったと知らされるばかり。
子供の頃、屋根に登り夜空に向かって手を広げていたときの万能感は、どこかに消え失せた。
絵本を読んで夜空を見上げていた、あのときの空への渇望だけが残った。
あの頃は、手に入れた知識が大空へと飛ばしてくれた。
今では必要だと手に入れていく一つ一つの知識が、自分を柱に縛り付けている。
すべてを不思議な力で解決してくれると思った錬金術は想像以上に現実めいた技術で、リグの夢物語を叶えてくれる魔法ではなかった。
希望もまた打ち砕かれたのだ。
だがメルが頑張ってくれていることを、リグは理解している。
だからこそ、彼女はメルに落胆を見せないようにと気を遣っていた。
メルがいない今、何もかも打開できない閉塞感に胸が詰まりそうで大きく息を吐き出してしまう。
はしたない、と頭の隅でお嬢様な自分が不快感をあらわにするが、これ以上に己の呼吸する方法が判らない。
ほんの少し、メルがこの世界を息苦しく感じていた気持ちが分かったかもしれない。
思わず上を見上げると、見慣れた天井が視界に広がっていた。
――先輩も、こんな気持ちだったんですかねぇ。
■
ふと顔を動かせば、何だか見慣れないメイドがいた。
そういえば新しく入ったメイドだ、と言っていたことを思い出しす。
背が小さいが、モモと同じ耳長族。
たぶん年齢もモモと同じぐらいだろうか。髪を纏めてポニーテールにしているので、長い耳が良く目立つ。
彼女は、少し緊張したような面持ちで静かに立っていた。
「髪梳いてもらっていい?」
差し出したブラシを、彼女はおずおずと受け取とる。
「あ、えと。……はい」
その手がほんの少しだが黒くなっていて、掃除でもしていたのだろうかと考える。それで遠慮がちだったのだろうか。その程度で文句を言うほど、今の己の体は綺麗でもなければ整ってもいないというのに。
ぐい、と頭が引っ張られて思わず仰け反りそうになる。
ストレートというには憚られるが、癖っ毛というほどでもない緩い癖に、ブラシが通る感触。
モモと違いまったく遠慮のないブラシに、思わず口の端が持ち上がった。
緊張して力の加減ができていないのだろうか。そんなことを考えながらリグは目を細める。
「どう? ……ですか」
「え? うん。気持ち良いよ」
遠慮のないブラシに思わず母親のブラッシングを思い出しながら、リグは目の前にある本に視線を落す。
「ねぇ」
「はい? 何か?」
「貴方は錬金術使えるの?」
リグの質問に、一瞬息を詰まらせるような沈黙。
三回ほどブラシが頭と毛先を行き来したあと、静かに
「一応使えます、けど。……大したことはできません」
そう答えた。
「そう……。そうか。そうよね」
大したことができるなら、メイドなんかしないで錬金術師として生活した方がよいに決まっている。
しかも人間相手だ、耳長族には気苦労が耐えないだろう。
「私ね、今ロケット作ってるの。ロケット。分かる? 空に行く乗り物。柱を飛び出してずっと遠くまで飛ぶ乗り物」
「は、はぁ……わかります」
「空気は高いところに行くとなくなっちゃうから、空気に浮くものじゃなくて、物を燃やしてその反動で飛ぶの。でも空気がないとやっぱり燃えない。そこで一緒に酸化剤を付けてあげる。そうすれば酸素がなくても大丈夫。それで空気がないところに行っても、もっともっと高く。あの空の天辺で輝いてる星まで届くぐらい、高く……遠く」
手を広げて、身振り手振りで喋っていた自分に思わず閉口。
何をしているんだ自分は、とリグはため息をついた。
「飛べると思ってた。でも、」
「お嬢様は、どうして飛びたいんですか?」
「え?」
思わず振り返りそうになった頭は、すっと押さえられて動かない。
ブラッシングの途中だとばかりに、丁寧に元の方向まで押さえ込まれた。文句も言えず、リグは頭に感じるブラシの感触に合わせて深呼吸をした。
「……リンガフランって知ってる? 古い絵本なんだけど」
「えぇ。知っています」
「風下街一万三千六百番地」
「……親を探してリンガとフランが行く街ですね?」
「そう。行ってみたかったの。モモと、子供の頃読んでね。高いところだねって二人で笑ってた」
「それで空に?」
「ううん。ちょっと違うかな。一万三千六百番地は、リンガフランが描かれた時代だと風雨街。風下街なら一万三千六百一番地じゃないと計算が合わないの。でも今なら。……、一三番地がない今ならぴったり合う。そう言ったら、モモが喜んじゃって。もっともっとってせがむものだから、色々空の話とか話すうちに気が付いたら、空にだって行けるって、思っちゃったのかなぁ。子供の頃の大見得。でも、もしかしたらあの頃ついた私の嘘が、本当になるかも」
苦笑の混じった溜息。
「なんて考えちゃって、結局この有様」
一三番地は堕ち、代わりに一三番地のあった場所には一四番地がある。ひとつ分ずれた街は、絵本と現実を繋げた。それはきっと夢と現実が間違って噛み合ってしまった瞬間だったのだろう。
幸か不幸かは分からないが。
「それは……すごい、ですね」
心底驚いたといった感じでメイドが呟く。
「そう? 偶然だと思うけれど……。とにかくそれで、モモも喜んじゃって。ねぇ、耳長族の人はこういう数字の話好き、なの?」
「そうですね。たぶん。私たちにはなかなかそういう数字は分からないことばかりですから。魔法みたいです」
「じゃぁこういう話はどう?」
頭を動かさないようにして手を伸ばし、リグは目の前の本を開いた。
「柱の真上に浮かんでる衛星があるの。ずっと柱の上から動かないし、太陽の光りを反射するから星みたいに見える衛星。でもこれ当然止まってるわけじゃない。この星の周りを回ってるのね。それも凄い速さで。でも速すぎたら星から離れるし、遅ければ星に引き寄せられるから、絶対に距離と速度はどちらか決まると片方も決まるの」
そう言ってポケットから取り出した紐に巻き付けた重りを回した。
長い紐はゆっくり指の周りを回っているが。次第に紐が巻き付いて近づくにつれ早く回り出す。
紐が引力で、重りが衛星。そう言ってリグは苦笑する。
メイドの困惑した呼吸が聞こえる。
後ろを向いているから、彼女のその困惑した表情を見なくて済んだのは良かったかもしれない。
きっと彼女は話に付いてきていないどころか、何を言っているかも分からないだろう。
でも口をついて出た数字の羅列は止まらない。
必至で計算してきた、その一端だけでも誰かに伝えたかった。
――昔、モモにしたように、また同じことをしている。
自分の苦労を披露して満足の足しにしている。
さらに相手が、自分の言ってることを理解できずただ凄そうだと褒めてくれるのを期待しているのだ。浅はかで下品なことだとリグは自覚していた。
そして、自覚しながらもリグは言葉を止めることができなかった。
「柱の真上にずっといるということは、星の自転速度と同じでなきゃいけないでしょ。つまり真上で留まれる高さと速度はひとつしかない。起動周期二二時間五六分四秒にぴったり当てはまる速度は約秒速三.一キロ。……高度は」
自分だってよくは分かっていないくせに。ただこの本にそう書いてあっただけだ。実際に計算してみて計算自体は合ってそうだということぐらいしか分からない。目の前にある本に書かれた数式に視線を落す。
『4π^2*r^2/(T^2*r)=G*M/r^2』
そもそもこの計算に出てくる重力定数はどこから来たのかリグには分からない。自嘲気味に口元が上がる。自分は今、嫌なことをしている。
「三万四千km」
「遠い、ですね」
「月なんか四〇万キロ離れてるし、これでも近くなのよ。柱に巻き付いた街は一回廻るごとに約一km高くなって、四番地進むでしょう?」
「はい」
流石にそこはわかるといった感じの、メイドの返事。
「三万四千kmに四をかけると、十三万六千」
今度こそ、ブラシが止まった。
。
幼い兄妹のリンガとフランが両親を探して向かった、高い高い柱の天辺。二人で身を寄せ合いようやく辿り着いた街の番地。
十三万六千番地。
「面白かった?」
リグが振り返ると、目を丸くしたメイドがじっとこちらを見下ろしていた。
彼女の驚いた顔を見て、ほんの少しだけ自分が無意味に計算した努力が報われた気がした。
だけど、まるでリンガフランに隠されたメッセージを見つけたかのように驚いてるメイドに、リグは視線を逸らし後ろめたさを隠す。
「リンガフランの作者は衛星のことを知ってただけ。別に驚くことじゃない、わざと衛星の高さに合わせただけの話。人間になら簡単に出せる計算結果よ」
「……それでも、凄いですね」
「そう?」
「だって、リンガフランが書かれたのは、もう三〇〇年も前なのに」
衛星のことを知っていたことになる。
「……私も同じこと思ってた、けどね」
ほらここ、そういってスターゲイザーを開いて指を指す。
一番最後のページに、ただ空の星を見続け記録し続けてきた者たちの名前が載っていた。
その一番最初に綴られた名前。
『リジ・フィング』
「リンガフランの作者……」
つまり、作者は最初からしっていたのだ。
「ごめんなさい。訳の分からないことべらべら喋って。分かったことなんて、リンガフランの作者が空のお星様が大好きだったことぐらい。なんにもならない話」
そんなことをするほどに、ロケットの作成は停滞していた。
何もできず、新入りのメイドにウサ晴らしだ。
耳を覆い、目を瞑り、うずくまってしまいたかった。
何もかもなかったことにして、すべてが終わるのを期待したい。逃げ出したい。
ゆっくりと髪の毛が引かれる感触に、思わず声が出る。
「それでも、パズルみたいで面白い話でした。もしかしたら、作者は耳長が喜ぶと思ってそんな仕掛けをしたのかもしれませんね」
メイドの言葉に、意識が引き戻される。
「きっと、私たちが数字に人ならざる意思を感じてしまうように、お嬢様も錬金術に人を超えた何かを感じているんじゃないですか?」
そうだ。そうだった。
そして、そうではないと知った。
数字が、当然のように式を使って結果が返ってくるだけの計算という技術であるように、錬金術もまた、ただの技術だった。
「私たちが簡単な計算ができるように、お嬢様も簡単な錬金術が使えるんですよ」
「……そりゃ、パッケージ化された錬金術ぐらいは」
「そうじゃなくて、ほら」
そう言って掌に置かれたのは電精槽だ。
中に錬金術に使われる触媒と電位差を起こす科学的な触媒、つまりはバッテリーが封じ込められた、錬金術を動かすための電池。
「錬金術は、エリクシルだけじゃ動きません。でもそれは別に当たり前のことで。水蒸気を作るのには、火だけじゃなくて元になる水が要るというだけの話です」
とん、とメイドの指がリグの手を取る。
「科学の反応です。バイクが電気でモーターを動かして走るのと一緒です。お嬢様、両手でその電精槽を挟んでみてください」
言われるがまま、ぽふっと電精槽を叩くように両手で挟み込むと、
「きゃっ」
同時、まるでフラッシュのように明るい光が広がった。
「電灯はフィラメントに電気を流します。触媒と式に電精を流してやればこうして光ります。一緒なんですよ。機械も錬金術もみんな同じ。ただ、機械じゃ難しいことが錬金術で簡単にできるから凄く見えるだけです、逆のこともいくらでもあるんです。機械のほうが便利なこと、いっぱいありますから」
――諦めないで。
そう言われた気がした。
■
風車の音が聞こえる。
この屋敷は古く、起電陣による風車が二基備え付けられている。
ジェネレータータイプのものよりも不安定だが、風車そのものが壊れるようなことはほとんどない。だが羽や起電陣に回転力を伝える軸やギアは昔から数字が、いや科学が台頭している分野で、アンティークな風車ですらその技術は活かされている。
目を瞑れば、すぐにでも風車の姿が思い出せる。
人間と耳長が手を取り合って作った、世界を支える技術だ。
まさに錬金術と科学の融合を表現した、できないこととできることを支え合った作品。
気が付けば視界はふたつの風車を見下ろしている。
高いところは苦手なくせに、不思議と怖くない。
――夢?
視線はゆっくりと屋根に近付き、着地するようにそこで止まった。
気が付けば空を見上げている。視界のいくらかは、上に広がる街が埋めているが、それでも十分夜空は広く、そして綺麗な星空だった。
中天に輝くのは、太陽の光を反射する人工衛星の姿。
高い。絶望的な高さだ。
何の支えもなく、ただ重力を振り切るように飛び続けなければいけない。
さらに衛星の軌道に合わせるように軌道の制御をし続ける必要がある。
ゆっくり時間をいくらかけてもいいのなら一ヶ月ぐらいかけてその軌道に合わせていくのがいい。
だがそうもいくまい。
つまり速度は軌道を飛ぶ衛星なんかよりも速く、そして最終的に減速する必要があるということだ。
そんなことが可能なエンジンができない。
あまりにも遠い。そして高い。
三万キロ以上離れたあの小さな光は、いったいどれほどの技術をつぎ込まれてあの場所に辿り着いたのだろう。
どれだけの知識と労力がつぎ込まれてあの場所に留まり続けているのだろう。
あまりに遠い光は、それでもまだどんな星よりも一番近くを飛んでいる。
■
気が付けば寝ていたらしい。俯いて、筋の張った首の筋肉が痛くて思わず手を当てる。
顔を上げ、自分のすぐそばでモモが立っていることに気が付いた。
「お嬢様、お食事はいかがしますか?」
視線を落とせば、目の前には朝食が並んでいた。
おや、と振り返るが先程のメイドがいなくなっている。
「あれ? 新しいメイドは」
「え、えーと。な……んのことですか?」
「何の、って新しいメイドが来たって。さっきまでここで、私の髪を……えーと」
まったく意味が分からない、という感じでモモが困った顔をしているのを見て、言葉が続かなくなる。
「夢、見ていたのかな」
「朝ごはんいかがしますか? 後ほどにしましょうか」
「うぅん今食べる。ありがとう」
「はい。では、何かあったらお呼びください」
そう言ってモモは台所に引っ込んでいく。
いつものように、昼食の用意と朝食の片付けを始めるのだろう。
――夢だったのだろうか。
あまりにも鮮明で、どうしてもそれが信じられない。テーブルには開いたままになったスターゲイザーと、ページを支えるように上に乗っている櫛があるだけだ。
あの櫛の感触はまだリアルに髪に残っていた。思わず髪に手を触れ、
掌に電精槽が握らされていることに気が付いた。
「!」
モモに見せようと振り返るが、すでに彼女は部屋から出て行ってしまっている。
呼べば戻ってきてくれるだろうが、こんなことを言うのに呼ぶのも忍びなく、リグは開けかけた口を静かに閉じた。
勢いよく電精槽を両手で挟む。
ぱちんと、軽い音と共にフラッシュのように明るい光が灯った。
「夢……じゃない」
たしかに自分の手に錬金術の式が刻まれているのをリグは確信する。
――今度、先輩に見せてみよっと。
驚くだろうか。
そんなことを考えながら彼女は、まだ暖かく湯気の上がる朝食に手をつけ始める。
来客を告げるベルに、扉の開く音が聞こえた。
食堂に使っている大部屋からは、庭がよく見える。
その庭の先、大きな鉄格子の柵と門があった。
常々、こんな大仰な構えはいただけないと思いながらも、リグは見慣れた風景に目を細めた。
と、その門へ向かうモモの背中が見える。彼女の行く先を追えば、ふたつの影。
――先輩?
そんな訳がない。
いつも勝手に入ってくるし、そもそも背の高さが違った。そのままリグは客に興味を失い、目の前の朝食に戻った。
さっさと食事を終わらせて、作業に戻ろう。
問題は山積みで何ひとつ解決していないけれど、もうあの絶望感はどこかに消え失せていた。
「よし」
がんばろう。




