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閑話──それはとある夢の話

本編に入る前に一話だけ話を挟みます。

あと、感想をくれた方々ありがとうございました。

本編まで少し期間が空く予定です。すいません。 


 ある日の昼休み。

 俺がいつもの様に数人の友人と共に昼食を食べていると、珍しくクラスに来客が来た。

 ここは【特進クラス】と呼ばれるクラスで、他の同学年の生徒達が三階に集まっているのに対して、俺たち【特進クラス】の二クラスだけは五階の隅に位置している。


 そのせいで一般の生徒とは普段会うことは余りない。ましてや一般の生徒が【特進クラス】に訪れにくるなんて事は今までにも数える程だけだった。

 その大半がうちのクラスのイケメンに告白っぽいことをしに来たという、俺にとってはクソどうでも良い感じの用だったのだが。


 ーーーだが、今日は違った。

 

 廊下の方でザワザワと人が集まっているのが分かる。

 恐らく【特進クラス】の2年や3年だろう。入学してから3ヶ月程が経ったがここまで騒がしくなったのは初めてだった。

 それもこれも、たった今うちのクラスに訪れた来客が原因だろう。


 クラスにいる男子の大半がその来客者に見惚れている。

 ざわめきが大きくなり、何事だと煩く叫んでいる奴もいる。

 

 俺も誰が来たのかと気になり、来客者の顔を見る。

 

 (ええっ!?あれって…………)


 と、その来客者の顔を見ると同時に俺は顔を伏せる。

 

 (見られてないよな……大丈夫だよな……)


 内心ドキドキな俺。

 近くにいた友人が、急にどうしたと言ってくる。

 

 「何でも、ない……大丈夫だから」


 「そうなん、ならいいけど。ってかあの人がこんな所に来るなんてどうしたんだろ」

 

 「それな! なんで、こんな場所に……?」


 お前ら自分達のクラスをこんな場所とか言うの止めろよ……。

 確かに言いたくなる気持ちは分かるけどよ……。


 すると、クラスの入り口の辺りから話し声が聞こえてきた。


 「おう、ミリ! 今日はどしたん?」


 (う、ん? 1年生の声では無いな。2年か?……しかも今の声は男子だよな……)

 

 「あ、長野久しぶりー。今日はちょっと探してる人がいて……」


 (普通に話せて、る……?)

 

 「探してる人ね~……、あっ、それよりさぁ~! 最近なんかミリ、ラインを返してくれんの遅くね? 俺、嫌われたかなとか思っちゃってたんだけど」


 「あ、ごめん。最近忙しくて」


 「ははっ、冗談だよ、冗談。お前もバスケ部とか大変だろうしな。なんか悩んでたら言えよ……?」


 「うん、ありがとう」


 (いや、なんか会話を無理矢理終わらせようとしている感じがするな……俺の気のせいかもだけど。………あと、何そのカップルっぽい会話?……リア充ってそんな感じなの!?)


 俺は心中で発狂する。

 これは仕方ない。

 だが心の内だけで留められない者もいるらしく。


 「……おい、なんだよ今の!」

 

 「それな。……なんなんだ、今のはよ!!」


 叫ぶ友人達。

 今、来客してきたのは学校内でも有名な【神倉 美里】先輩だ。2年生でバスケ部のレギュラー。しかも容姿端麗でショートカットが一番似合う女子とか言われている。さらに最上位カーストに所属しているらしく、要するに……色々と凄い人だ。


 ーーーそして俺と一時期関わりが会った人だ。


 そして、そんな憧れの先輩を見れて友人達は興奮していた。

 けど、そんな憧れの先輩とカップルっぽい会話をする奴が現れてしまったから叫ばずにはいられなかったみたいだ。

 

 (いや、とりあえず言動が意味分からんけど)


 

 トコトコトコ、誰かがクラスの中に入ってくる音が聞こえた。

 場が一斉に静まりかえった。


 余計にその足音が響き渡る。

 トコトコ、トコトコ、トコトコ。


 (あれ、足音って……トコトコなんていうか?)


 俺は、そんなクソどうでも良い事を呑気に考える。

 すると急にその足音が止まる。


 (なんか……足音が消えたな……)


 「あのさ……石田君、だよね?」


 突然名前を呼ばれる。

 周りから驚きの声が沸き上がる。

 近くにいた友人は理解出来ない言語で発狂する。

 

 だが俺は俯いた顔を上げない。


 (くそっ、どうやったかは知らないが俺のクラスがバレたのか……っ!) 

 

 「ぐーぐーぐー……」


 「あ、れ……寝てる?」

 

 (よっしゃあ! どうだ! これが俺の迫真の演技だ!!)


 ・・・・・すると


 「み、み、ミリ先輩っすよね!? そいつに用があるんすか?」

 

 友人の一人が声をかけた。

 

 「うん、そうだよ? 君は……石田君の友達?」


 「はい、高利………石田の親友ですね!」

 

 (お前ぇ……さっきまで俺の事を都合の良い奴って言ってたろうが……)


 そんな俺の心の声は知らずに友人は続ける。


 「高………石田と知り合いなんすか……?」


 嘘だろとでも言うような声音で友人は問いかける。


 俺は机に俯いたまま考える。

 この1ヶ月は本当に何も無かった。

 交換したライ○も今では使っていない。

 それなのに、夏休み直前のこの時期に……なんで急に現れたんだ?

 


 すると、神倉先輩はーーー

 

 

 「あっ、そうだね。うーん、知り合い……というか」


 「……というか?」


 (おい、その先を催促するな!)


 クラスメートや、それ以外にも2年生や3年生も聞き耳をたてている。

 俺も神倉先輩が変な事を言わないか内心ヒヤヒヤしながら聞いている。

 そんな中で先輩はーーーーー




 「私の片想い中の相手……かな」


 そう言い切った。

 

 

 『ええええええええええぇぇええぇぇ!!?』


 「はああああああああぁぁあああああ!!?」



 ーーーその叫び声は校内全体に響き渡った⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯






 ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ジリリリリリリ


 「⎯⎯⎯ん?………ん?………………夢!?」


 

 

 

 

主人公の夢の話なので本編とは関係ありません。

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