神倉先輩と平日に・・・
前回ブックマーク、ポイント評価してくれた方ありがとうございました!
激動の昨夜を終えて、その翌日。
俺は窮地に追いやられていた。
「えぇぇ……どうっすかなぁ……」
俺は昨夜、神倉先輩に制服を貸してしまいワイシャツ一枚で帰ってきたのだ。もちろん母ちゃんからは色々と聞かれたが、ちょっとね……と言い誤魔化しておいた。
「くっそ……どうすりゃ良いんだろ……」
そして今、学校に着ていく制服が無いという現実を思い知らされていた。
取りあえずスマホを手に取り、一つのアプリを開く。
起動させたら名前一覧をタッタッと指でスクロールさせていき、目的の人物の名前を見つける。
表示された【ミリ】という画面をタッチして、会話の画面に切り換える。
俺は素早く文字を打つ。
<昨日の制服を今日の夕方にでも返してもらって良いですか?
待ち合わせ場所はそちらに任せます。無理なら別の日でも結構です>
送信、と。
すると一分もしないうちに既読がついた。
(早くないか……?いや、これが普通なのかな)
神倉先輩からピッと会話に新たなメッセージが送られてくる。
<そうだよね、私もどうするんだろうって考えてたんだ。
でも今日は制服いらないのかな( ・◇・)?>
(今日は最悪学校休もうかと思ってたんだが……それを神倉先輩に伝えて良いものだろうか……う~ん)
暫しの間考える。
だが割りと早くに答えは出た。
<はい、今日は学校を休もうかと思いまして……
なので都合の良い時間帯を指定してくれて大丈夫ですよ>
(多分これで良し……)
<そうなんだ~……ふーん。
石田君ってもっと真面目な人かと思ってたのに~……でもそういう事なら私も今日は学校サボっちゃお!(*´∀`)ノ>
(ええ!?神倉先輩まで学校サボって大丈夫なのか!?)
俺は心配になり会話で聞いてみた。
<神倉さんまで学校休んで大丈夫なんですか?>
<うん!全然大丈夫だよ。私普段は真面目だし、学校も休むことあんまり無いしね!(*´∀`)……それに、昨日の今日だし、ね」
最後の方の文が神倉先輩の本音の様な気がした。
俺はそれにどう答えれば良いかを考える。
<じゃあ、昼頃に会いませんか?サボった者同士で>
<うん!そうしよう!じゃあ、12時に駅前のカフェで待ち合わせね!>
<分かりました。後、制服とセーターもお願いします>
<了解ですっ(^_^ゞ>
そこで会話は終了。
はあ、平日の昼間に女の子と待ち合わせ、ね……なんだよこの展開。陰キャラで目立たないただの非リア男子高校生の俺が、こんな青春っぽい感じに……。
(とは言っても……本当は普通に神倉先輩の様子が気になっただけなんだけとな……)
俺は母ちゃんに今日学校を休むことを伝えて、昼まで寝ることにした。
さーて、他の高校生が必死に登校している中、俺はゆっくりと寝ようかな~。
そうして俺はとても良い気分で眠りについた。