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小さな花の物語  作者: 燈華


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乙女の心の花

一面見事なコスモス畑だ。

彼と散歩していてたまたま見つけた。


「うわぁ、凄い!」


思わず声を上げた隣で彼も目を輝かせている。

二人でコスモス畑を見渡す。

勝手に入ってはまずいだろうと中に入ることはしない。


「あっ!」

「どうしたの?」


彼が看板を指差す。


「五本百円で持って帰れるみたいだよ」


私は首を振る。


「コスモスはもたないよ。それにこうやって一面に咲いているのを見るほうが綺麗」

「確かに一面に咲いているの、綺麗だね」


彼は隣でうんうんと頷いている。

私は彼の顔を覗き込んだ。


「"君のほうが綺麗だよ"って言ってくれないの?」


彼が激しく動揺する。


「そ、そんなこと言えないよ」

「もうっ、乙女の心がわかってないなぁ」

「そんなこと言ったって。君こそ、繊細な日本男子の心がわかってないよ」

「んー、ごめんね。でも言ってほしかったから」

「あー、うぅ……可愛い」


彼の顔は真っ赤だ。

胸の中がむずむずとしてふつふつと感情が湧き上がってくる。


「可愛い!」

「もうっ、本当に男心がわかってない!」


彼が顔を真っ赤にして叫ぶ。

私は彼に抱きついた。

彼は体を揺らしながらもきちんと受け止めてくれる。こういうところはきちんと男らしい。


「大好き!」

「だから、本当にもう……」


彼は片手で顔を覆う。

彼はあー、とかうーとか唸っていたけど、しばらくして「……僕も好きだよ」と言ってくれた。

私はもちろん破顔した。




読んでいただき、ありがとうございました。

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