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小さな花の物語  作者: 燈華


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反抗的の花

絶賛反抗期中の私。

何もかもに対していらいらしたり不満に思ったりしている。


特に父親についてはイライラしっぱなしだ。

つい反抗的な態度を取ってしまう。


それを彼に窘められれば余計に意固地になってしまう。

どうして自分の味方になってくれないのか、と。


悪いのは反抗的な態度を取る自分だというのはわかっている。

それでも苛立ちは抑えられない。


足音も乱暴にその場を離れた。

少し頭を冷やそうと外に出る。

夜道をぶらぶら散歩に行こうものなら意外と心配性の彼に愚痴愚痴と言われるから庭へと回る。


何気なく見た木の下に植えられたしゃがの花が咲いていることに気づいた。

花は一日しか咲かないという。

それを父親が楽しみにしていたのを思い出す。


……。

…………。

無言で踵を返した。


家の中に入る。

そのままずんずんと進み、父親の前に立った。

目も合わせずに父親に告げる。


「……しゃがの花、咲いてたよ」


今の私はこれくらいが精一杯だ。


「……そうか」


いつもと変わらない声。


「……どれ、見てこようかな」


一緒に見よう、とは言わない、言えない。

だって興味ないし。

というのが言い訳だということもわかっている。


父親が部屋を出ていく。


まだいた彼と二人きりだ。

彼のほうには視線もやらない。

どんな顔をしていいかわからないから。


彼が近寄ってきて偉いというように頭を撫でてきた。


「……やめてよ」


彼は家族ぐるみで付き合いのある隣家の息子で、私より年上だからやたらと妹扱いしてくるのだ。

……私は妹扱いは嫌なのに。


彼はわざとぐしゃぐしゃと乱暴に頭を撫でる。

ぱんっとその腕を払った。


「最悪。ぐしゃぐしゃになっちゃったじゃん」

「ごめんごめん」


全然悪いと思っていない。


「もう」


手櫛で髪を整える。


こうやって気の置けないやりとりができるのも妹扱いだからこそ。

一歩踏み出そうとすればたちまち関係は崩れるだろう。

だから踏み出せない。


こっそりと心の中で溜め息をついた。


読んでいただき、ありがとうございました。

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