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宵の君

うー修正加筆しなければ……

 それに色々とネタが浮かんでます、とりあえず頑張ろう。

「それは出来ぬ、変化してこの場を切り抜けたとしても。確実に何も犠牲にする事無く治められねば意味は無い」


『阿呆が!今変化しなければ確実に汝は死ぬぞ!意地を張る場合ではない!』


 白狼が霧綱を叱咤する、しかしそれでも霧綱はその言葉に頷く事は無かった。

屈強な化生の全身が裂け始めている、強烈な呪いが霧綱の、白狼の命運を握り潰そうとする。が、呪いを紐解くような音が響く……淡く、儚く響く音が、それを止めた。

 霧綱は突如として響く音の方を見る。其処には気を失った筈の姫君が健気にも恐怖に耐え笛を奏でる姿が有った。

透き通る様な音に心奪われる音に、悪鬼の言霊は打ち消された。


「怨!怨!怨!」


 完全に姿を現した鬼は迷う事無く、笛を操る姫君へその体躯を引き摺った。肉は落ち、その痕跡が跡になり、その醜悪さを際立たせる。

霧綱は裂けた足を無理やり使い跳躍する。刹那に笛を操る姫君の目の前に悪鬼が迫る、霧綱は逃げろと心の中で叫ぶが、その姫の笛の音は止む事無く響いた。

 肉が爆ぜ、骨が砕ける音が笛の音を掻き消し、辺りに響く、それと同時に笛の音も途絶える。

一瞬の静寂が辺りを包む……生温い風が辺りを撫ぜる。震える姫君は目の前の光景をその眼に焼き付けた。鬼の首を落としつつも傷つき、弱り果てた霧綱の姿を。

 鬼の体が霧散すると同時に、霧綱はその場に膝を折った。全身で息をしているその体は、夥しい量の血で染まっていた。

白い肌が更に白く、月に照らされたその姿は雪に散る血華けっかの様だった。


「ああ、わが君よ気を確かに……誰か!誰か!」


霧綱は支える姫君の手を無言で振り払い、気丈にも立とうとしたが。その場に崩れ落ちてしまう。


「血が……こんなにも……氷より冷たい御身を暖めなくては。」


「構うな!弱き人よ!我は化生!人に非ず!去らねばその肝を抜き、食ろうてやるぞ!」


 霧綱の最大の虚勢だった。

関係の無い人を巻き込んではならぬと、そう心に決めていた。

 しかしその反面、霧綱は嬉しかった、あの時、人々は霧綱に何もしなかった。

声を掛ける訳でもない、ただ、腫れ物を見る様に触れなかった。それは化生に成った時も変わらなかった。

 霧綱を見た人々は恐れ、拒んだ。

自分に近寄るなと、恐ろしい化生だと、拒絶と恐怖が入り混じる眼で霧綱は見られていた。

 しかし、霧綱はそれでも良いと考えていた。恐れて近寄らなければ、余計な情も沸く事は無い。

そう思っていただけに、目の前の姫君は驚く事を告げた。


「構いませぬ、この身はわが君、汝様に捧ぐと決めました。元より汝様が現れる事が無ければ……感謝こそすれど、何故貴方様を恐れる必要が有るのでしょう?」


 正に正論だった、真の化生なら忠告などせずにその命に満ちた肝を食らっているだろう。


『霧綱、汝の負けだ。しかし娘よ我等に臆す事無く対峙するとは。中々に豪気よ』


「白狼!何を言うか!我等の因縁に人を巻き込むなど……と……」


 霧綱はそれだけ言うと倒れた、足元には血の池が出来つつある。


「貴方様!?誰か!誰か来てたもれ!」


 姫君は慌てて霧綱の体を支えた、白い雪の様な肌、血が通って居るのかさえ疑える程の肌の白さに、我を失いそうになる。何よりも童の様に軽かった。それなのにあの醜悪な鬼と対峙した事に姫は困惑した。

平安っぽさを出すに当たり、言葉の使い方と、読解力が無くても読める様な言葉を選びつつ書いています。

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