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31【解放】

前話からのこの一年で水属性の魔法使いの製作が終わりました。

まさか年一更新……?

 白く、何もない空間。

 先ほどまでいたサラの部屋の痕跡は跡形もなく消え、残ったのは俺の体だけ。


「……さ、さっきから一体どうなってるんだ」


 目まぐるしく変わる状況に、頭の整理が追いつかない。


「どうやら、サラの枷を一つ外したようじゃの」


 頭を抱えていると、背後から声がかかる。


「……ッ、お前は」

「まぁそう慌てるな。この空間では妾も力を発揮できぬゆえ、少しばかり談義と洒落込もうではないか」


 振り返った先には、サラの体を乗っ取ったヤツがいた。

 顔の風体はサラに似ている。

 ……が、身長、等身が明らかに違う。

 まるで、サラの十年後を見ているようだった。


「ここは、サラの意識の空間。夢のような場所じゃ」

「意識の中……」

「先ほどお主が経験していたのもサラの記憶の追体験。あの会話は、ありえたかもしれない未来なのじゃ」

「……それじゃあサラは、あの環境で、ずっと……?」

「……まぁ、残念ながらな」

「そうだったのか……」


 サラがかつてあれほどまでに過酷な環境に置かれていたということを知らなかった。

 で、あればこそ、余計にサラを救いたいと感じる。


「……それで、ここから解放されるにはどうしたらいいんだ?」

「さて、どうじゃろうな。妾は彼奴の身体を借りただけで、彼奴の心は読めん。どうすればここから出られるのかは、妾も分からんの」

「それじゃ、俺はこのままずっとこのままの可能性もあるのか……」

「さて、どうだかな。悪い記憶ばかりを走馬灯のように見ているとしたら、その枷を外していけば自ずと丸く治るやもしれんが」

「解決……、か」

「まぁ、妾に関してはほぼ彼奴と同化したも同然。横になりながらお主の選択を見物させていただくかの」


 ここではこいつから干渉されることもないことからか、今のこいつに対して特に敵意のような感情は抱かなかった。

 だからだろうか。


「……お前は、ここから出られなければ、サラはどうなる?」

「さてな。妾も人の身に入るなど初めてのことよ。そのうち精神が同化するかもしれんし、分裂して妾も肉体を得られる時が来るやもしれん。妾の人格が消える可能性もあるな」

「……お前はどうしたいんだ?」

「言ったはずじゃ。今のただ『えねるぎー』を食い潰すだけの人類は無駄じゃ。面白くもなんともない。だからこそ、妾はこの星が消えることを望む。それ以外ありはせんよ」

「そう、か」


 カモヒガンナとの対話が一区切りつくと、またあの光に飲み込まれるような感覚を感じた。


「さて、おしゃべりはここまでじゃ。あとはお主一人でどうにかするが良い。お主の選択を楽しませてもらうとするかの」

「……ああ、好きなだけ見ていけばいいさ」


 そう言い残すと、再び視界は白く染まった。

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