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進まない。早く高校生になって欲しいのに、、話が進まない、、、
たどり着いたコテージ。この中に緋津華がいるのは明確だ。
だって付近に他クラスの子がわんさかいるんだもん。
その子達に見つからないようすり抜けてコテージに入る。ふむ、ここは良い隠れ家だな。殆どの人は入れないし。私も、来年はここに隠れるとしよう。
受付のようなスタッフに緋津華の部屋を聞くと、こっそり教えてくれた。良い人!
緋津華の部屋に行く途中聞き覚えのある声が聞こえたが、無事辿り着けた。
とりあえずノックはするか?
ノックと共にめちゃくちゃ嫌そうな返事が聞こえる。悪いねこちらも手段を選んでいられないもので。
「失礼します。」
「瑠璃坂、、、」
「こんな所まで申し訳ありません。私の借り物が緋津華様だったもので」
緋津華に借り物内容を伝える
あ まただ。この一瞬にも永遠にも感じる目
しばらくだと思う。目を合わせた後
「いいよ」
と静かな緋津華の声が聞こえた。
「対価は?何かございますか?」
「あぁ。その券は瑠璃坂が使うということで」
え、これ私が使えんの?てか使うの?一日デートすんの?
まぁいいか買い物くらい誰とでも出来るし
「ありがとうございます!!!!」
何よりあの罰ゲームを回避できることが有り難い!!
早速ゴールを目指すが、
「星羅様を探せー!!!俺は星羅様とのお食事券なんだ!!!」
「俺は星羅様と旅行券だ!!」
ひーーー!!!食事は分かるけど旅行て何!?何!?
時間も限られてるから早くゴールしたいのに!!!
「あ!星羅様!」
見つかったー!と思ったら琥珀院を探してる女子だった!
「琥珀院様なら裏の森にいますわ。そのかわりと言ってはなんですけど、私も追われてる身ですの」
と微笑むと
「はい!!星羅様は別の場所に行ったと説明してきますね!ありがとうございます!」
思わぬ助っ人ゲット!!!琥珀院には「コテージに入れる方が琥珀院様を探してそちらに向かってますよ」と連絡しておいた。これで奴はコテージから出た所を狙われるだろう。心が痛むが背に腹はかえられぬ。
命からがら無事にゴールした私は券を素早く係の方に渡して借り物競争が終わるまで、廃墟に近いトイレに隠れた。コテージより安全安心。誰も来ない。
無事、というか元々運動神経が良い生徒の多い私のクラスが優勝。大喝采の中、琥珀院が私をキラキラスマイルで睨んでいる。何のことかな?
「きゃー!!!!夢見たい!何を選ぼうかしら!今からあなたたちは敵よ!!!」
「そうね。でも恨みっこは無しだわ!」
何のことかと思えば優勝クラスは数ある借り物券の中から優先的に券を優勝の褒美で貰えるらしい。なるほど、一夜の夢ね、、、
色々気になるものがたくさんあったけれど、対価だったため、こっそり緋津華デート券を手に握りしめた。
それにしても、「翠城様と一日中人間観察券」はクソほどいらないと思う。「瑠璃坂薫の誰も知らない秘密ベスト3」はちょっと気になった。
そしてその券たちは雪城学園闇オークションにて数百万円の金額が飛び交った。
こうやって今のうちに稼ぐのもいいかも。




