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50・異能者でも幸せになれる!

学校が終わり部活があり、その後、さやちゃんと一緒に帰ると言うのか日課。でも、今日だけは違う。さやちゃんにはちゃんと理由を言って江本君と一緒に先に帰ってもらいました


そして、江本君を引きずるさやちゃんと別れ、私は澤田君の部活が終わるまで1年生の下駄箱の前で暫く待ちます


そう、私が海に落ちる時、澤田君に対して気付いた感情。それに、私が意識不明の時も毎日、お見舞いに来てくれた。こんな嬉しことはない。だから、言える時に言おう


自然と緊張はしていません。大丈夫、言える。その時、下駄箱の正面にある玄関から、強い秋風が吹き荒れました


「うわっ」


『頑張れ』


「えっ!」


風と共にオーディンさんの声が聞こえた気がする。いや、気の所為?すると、パタパタと足音が聞こえてきました。後ろを振り返ると、そこにはスポーツドリンクを片手に部活のユニホームを着た澤田君がいたのです


「彩乃?あっ。じゃなくて二ノ宮さん」


「部活、お疲れ。それと、彩乃で良いよ」


この前は彩乃って言ったのに、なんて思いながら私は頭の中で考えていたことを話します


「今から帰るんだよね?」


「そうだよ。彩乃は」


「澤田君を待ってたの」


おおっと!澤田君の顔が茹でたこのように赤くなって行くではありませんか。これはちょっと予想外だけど、私は言いたいことを言いました


「ねぇ、今からって時間ある?」


「あるよ」


真剣な眼差しで澤田君を見据えます。でも、優しさもある目でね。よし、これから先の行動は…


「オレも彩乃に言いたいことがあるんだ。今なら、屋上が空いていると思う。ちょっと移動しない?」


「へっ!あっ、うん。そうだね」


あれ?まさか、澤田君も何かあるの?突然のことにさっきまで緊張なんかしていなかったのに、なんだろう、今、すごく心臓の音がうるさい。しかも、痛い。ちょっと待って、あれー?本当におかしいなぁ







痛む心臓を抑えながら私は澤田君の後ろをついて行きます。屋上のドアを開けて澤田君と共に入ると夕方の暗い空と共に遠くの方にある街が見えました


「うわー!綺麗〜」


今は夕方、屋上から遠くにある街では灯りがついているため、ここから見ると街が宝石箱のようにキラキラとかが焼いて見えます


「告白するならここが良いと思ってさ」


「うん!確かにここならって、えっ!」


澤田君に手を引かれてフェンス近くに行きます。ちょうど、街の灯りが澤田君の背後にあり、程よい逆光で、その…なんというか、良いシチュエーションだなとか思ったり


って、その前にさっき、澤田君は何と申されたのですか!私の聞き間違いじゃなければ告白とか言ったよね。私も告白しようと思っていて、これは偶然?それとも、必然?


「彩乃、オレから言っても良い?」


「はい」


あっ、声が裏返った〜。緊張し過ぎで、もう、なんなの⁉︎そんな私のことをお構いなしに澤田君は微笑んでいます。まるで、女神様のように


「やっぱりごめん!私から先に言わせて!」


目をぎゅっと閉じてお願いすると澤田君は快く引き受けてくれました。これは、本当に澤田君に言いたかったこと


「澤田君、私が意識不明の時にお見舞いに来てくれてありがとうございます」


「敬語になってるよ」


軽く笑いながらツッコミを入れられてしまいました。あぁ、一度、緊張するとダメだね。心臓が痛いや。落ち着け、落ち着け、落ち着け。そう、さっき『頑張れ』って聞こえたもんね


「私ね、この中二病みたいな能力が、もし澤田君やさやちゃん、江本君に知られたら、気持ち悪くて離れて行くんじゃないかなって不安だったの」


グラウンドから陸上部の掛け声が聞こえてきます。でも、私の耳にはその掛け声すらも頑張れ!と応援しているようにも聞こえました


「でも、そうじゃ無かったことが嬉しくて」


涙が出そう、これは緊張のせいなのか気持ちが高ぶっているせいなのか、私には分からない。もしかしたら両方かも。思わず俯いてしまいました


「オレからも良いかな」


顔を上げると澤田君の優しい瞳が潤んだ視界の中でもはっきりと見えていて、それから…


「例え彩乃が能力者でもオレは仲間思いで優しい彩乃が好きだ」


爽やかマックスの笑顔


「友達としてじゃなくて」


まるで、私の周りだけ時間が止まったように感じました


「オレと付き合って下さい」


澤田君の声が私の中で響く。もちろん、その答えは


「はい!よろしくお願いします」


私は満面の笑みで答えました


本当は私から先に言おうと思ってたけど

でも、これは両想いと言うやつでして

なんだか、頭の中がごちゃごちゃするけど、今の私は、とても幸せです。


「こちらこそ、よろしく」


二ノ宮 彩乃、高校1年生。 能力は言霊

そんな異能者でも、幸せになれました!





ここまで、お付き合い下さってありがとうございます。当初の文章は一人称が彩乃だったり私だったり、バラバラで、酷かったですよね…


それでも、なんとか完結まで辿り着きました。最後は無理やりな感じがしますけど。読んで下さった方々やこんな拙いお話をブックマークして下さった方々、本当にありがとうございます。感謝しても感謝し切れません


くどいようですがここまでお付き合い下さり

本当にありがとうございました


突然ですが言霊が使えるようになりました!

これにて終幕です

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