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*十三
古びた社から外に出た女魔術師は上空を見上げた。鬱蒼と茂る木々がより深い暗闇を演出する。
ようやく――ようやく手に入る。求め続けていたモノの力。
女魔術師の視線の先には、天に向かって伸びるように身体を伸ばした一匹の白鱗の大蛇の姿があった。
神と呼ばれる存在である。おそらく魔術師の追い求める龍ではない。それでも人々から神と崇められるそのモノの力は絶え間なく感じるのだ。
魔術師が追う龍への道。きっとこのモノは到達点への道しるべと考えて良いだろう。その力を得て、さらに向上し、追い求めることで、きっと私は龍へと届く。
未だかつて、誰一人として着き得なかったその場所に、この私が辿り着くのだ。
峰沢が誇る魔術を、愚者の方法と馬鹿にし、無知の足掻きと貶したモノ達を見返さなければならない。
私が引き継いだ魔術は、決して無能ではないことを証明しけなればならない。
強い決意とともに闇に紛れる女魔術師、峰沢 香穂は白鱗の大蛇を見上げ、声を抑えて笑うのだった。




