表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脱出  作者: メイズ
13/24

スマホ発、謎現象〈ミキ〉

VENOM ミキ編、書いてたら予想より伸びてしまいました。後2回くらい続く予定。



 教室前の廊下では、リリとフウラがおしゃべりしていた。


 私の姿を見つけて、声をかけて来た。


「ミキ、荷物が残ってるのにいないから気になって待ってたの。どこ行ってたの? 大丈夫? なんとなく心配で‥‥‥」


 ふと、視線を感じて横を見ると、教室の開いた扉の向こう、窓際にもたれ掛かったジュナさんが、スマホ片手にこちらをじっと見ていた。


 本当のことは言えない‥‥‥


 リリとフウラに迷惑がかかる。



「‥‥えっと眼の打撲のことで保健室に報告に行ってたの。リリ、フウラ、ありがとう。いつも優しいね。私は大丈夫だから。ねえ、それより地震、来なかったね。すごい揺れが来るって言ったのにね」


「地震速報? そんなの来た? 来てないよね? ね、リリ」


「うん、来てないよ?」


 ケータイを確認してから、リリは私とフウラを交互に見た。



「そうなの? 変だな‥‥‥設定とか、携帯会社によって違うのかな?」


「かもね。ミキのは誤報だったんじゃない? 地震だって来てないし」


「だよね。学校の放送だって入ってないよ」



「あ、そうだよね。避難指示の放送も無いよね‥‥‥」


 なんだか、キツネにつままれるってことわざを思い出した。

 

「まあ何ごとも起こんなくてよかったよかった。ミキも大丈夫ならいいや。じゃあまた明日。私たち、部活に行くね。バイバイ」


「うん、心配してくれてありがとうね。バイバイ‥‥」


 

 涙が滲むのをこらえた。心配して私を待っててくれたなんて。小さな優しさが胸に染みる。


 占いと違って、この二人に被害がなくてよかった‥‥‥



 手を振り、リリとフウラの後ろ姿を見送った私の目線は、扉の向こうへ移る。



 ───次は。



 微笑みが、スッと消えたのを自覚した。



 私の足は、教室内のジュナさんに向かう。



 下らない保身のために私を売ったジュナさんを許せない!



「ジュナさん、知ってて委員長に協力したの? だったら、あなたも最低な人ね! さっきの地震速報が無かったら私どうなっていたと思うの!!」


 つかつかと大股で近づき、彼女の前に立つ。



「はぁ?? 何言ってるか意味不明なんですけどー? 私があんな人に協力するわけ無いでしょ! 言いがかりはよしてよ。それにさっきから地震速報って???」


 不機嫌な顔で、バカにしたように言い返して来た。


「ジュナさんにも無かったの? 地震速報」


「さっきまで数人教室にいたけど、そんなの誰のも鳴ってないよ!! あんた、ほんっとウッザい! わけのわかんないこと言って!! 委員長にコクられたのか知んないけど、あんな男サイテーなんで、私どーでいいんで、私に勝ったとか思わないでよねッ! マウントにもなんないよ。あんた、もう二度と私に話しかけないで!!」



 怒ってそのまま帰って行った。



 ジュナさんは、委員長たちが私を襲う計画は知らなかったと見ていいのかしら? 


 彼女はかなり短絡的な人だし、深く疑う必要性は感じない。


 あの言い方だと、委員長のソナンくんが私にコクるために自分が利用されたと思ってるっぽい。


 想いを寄せていた委員長からは、ヒドイ方法で振られて脅されたってことね。



 私は今回、男子5人に襲われかけた上に、ジュナさんの逆恨みを買ったってわけなのね‥‥‥


 明日から委員長グループは私に仕返して来るだろうし、ジュナさんは今まではイジメ傍観者だったけれど、これからは私は彼女の属するグループからもイジメを受ける可能性が高い。



 なんだか私、絶望的な高校生活ね‥‥‥



 私があなたたちに何をしたっていうの‥‥‥?


 盗撮された動画も気になってる。本当に晒されるかも。


 どうしたらいいの?




 ***



 家に帰ってすぐさまシャワーを浴びた。


 あの5人に一瞬でも触れられたままの肌ではいられない。



 私はこの被害を誰にも言えそうにない。


 証拠も無いし、きっと学校では揉み消される。私はただでさえ担任からは精神的に問題ある生徒にされてるのに。学校は先生方に信用されている委員長側の味方だし。



 親にも言えない。第一、こんなこと誰にも知られたくない。


 言ったら私の方が悪者にされるのは目に見えているし、生徒間で面白く話題にされて、好奇の目で見られるのは耐えられない。




 髪を乾かしてから自室にて、ベッドに横たわり、スマホを手に取る。



 あ、ロック画面の通知の中に緊急地震速報が。


 やっぱり来てた。でも、変だな‥‥‥これ。なんか普通のと違くない?


 普通ってどういうのだっけ? 虚ろにしか覚えてないけど。


《緊急地震速報を発令しました 至急、身の安全を確保して下さい  今日 午後3時58分 『PURE VENOM』 スペシャルバージョン》



 発令()()()じゃなくて、()()って変な感じ。この何とかバージョンってのも? 


 もしかして、公式じゃなくて民間の気象情報サービスの延長で来たのかしら?

 プリインアプリで使ってないのに消せないアプリもあるから、そこからかもね




 ‥‥‥あっ!?


 ホーム画面を開いてびっくりしてしまった。

 


 このアプリ‥‥『V♡』! ずっと前にアンインストールしたのに復活してるっ!?


 通知のバッジが1。



 メッセージが来てる‥‥‥。恐る恐る開いてみた。




               ♡♡♡



 MIKI 様。ご登録ありがとうございます。日頃のご愛顧に感謝を込めまして『V♡』にご登録されている皆様に耳よりなお知らせ♡


 『V♡』に、新たに『♡~願い事叶っちゃうかも?掲示板~♡』登場!


 既に登録済みの特別な MIKI様には、お願い事を一つ書き込めるチケット1枚 (書き込み1件分 5万円相当)をプレゼント致します。どうぞ、この機会にご活用くださいませ。


 今後とも『V♡』を、よろしくお願い申し上げます。

 


               ♡♡♡





 そう! この写真占い、半分当たってた! すごい!


 私が昨日早退していなかったら、本当にあの写真みたいに最悪になっていたかも知れないのよ?



 その新規の掲示板に書き込んでお祈りしてみるのも悪くないよ?


 この5万円っていうのはボッタクリだと思うけど、私には、無料で使えるチケット1枚がある。



 掲示板を覗いて見ると、既に数件書き込まれてた。


 運営から、コメントも貰えるらしい。



 ────



《佐藤くんと両思いになれますように♡ Bスパイダーより》


 Re: あと一押しすればなれる可能性大。



 ────



《この地獄生活から抜け出したい。離婚して元カノとやり直したい "ルイの元カレ" より》


 Re: 過去は過去。彼女はもうあなたとは別世界に住んでいるようです。残念!



 ────



《今日私が撮られた盗撮画が、この世から全て消えますように MIKI 》



 ────


 私の書き込みにも返信が来るのかしら?

 


 それからずっとそわそわ気になっていた。寝る前にドキドキしながら確認してみた。 



 Re: とっくに消しましたよ? ご指定の動画は既にこの世には存在していません。


 

 とっくに消したって? カイくんが自ら消したと? 5人で共有してるか、コピったの持ってそうだけど。これってホントなの? 


 それとも『V♡』が消してくれたとでも? なんかそう言ってるみたいな、ドヤっとしたコメントね。



 確かめる術はないけれど、この自信満々の言い切りは、なぜかしら‥‥‥?


 どこか期待してしまうわ。



 だからと言って今夜は私、眠れそうにないけれど‥‥‥





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ