8 チュウギ
トナー・リーです。
わたしは。
王様に意見しなければ成りません。
が。
王様に意見するのは命懸けに成ります。
時代劇なんかでは似た様なお話有るでしょう?
竹の先を割って手紙を挟んで、ねえ? ……ふふふ。
いや本当にやらなければいけないなら
笑っている場合なんかじゃあないんだけど。
けど仲間を其んな事の道連れには出来ないから!
って訳で!
宿屋の一室で仲間達と一堂に会して!
とうとう言ってしまいました!
嫌なら離脱しちゃって? って!
って所なんだけど!
みんなはどうするのかなー……?
いや勿論
離れるなら止められないのだけど!
止めてはいけないのだけどっ……!!
「……あっしは」
先ず口を開いたのはショウニン!
此う言っちゃ悪いけど
仲間の内真っ先に逃げ出しそう!
……本当に言っちゃ駄目なんだけどっ!
「お嬢にはようさん先行投資をしております!」
「ショウニン貴様っ!」
こらナイツさん!
威圧して黙らせちゃ駄目だよっ?!
しかし!
ショウニンは太々しい笑みと共に
掌を差し出して押さえる仕種をして!
続ける!
此の辺りが!
ショウニンの商人たる所以だね!
混乱しないでねー!!
「だからね!
此処で縁を切っちゃあ
大損なんですわw!
此れからもあんじょうお付き合い頼んます!」
……
お分かり頂けるだろうか……
ショウニンは。
王様の御前に一緒に行ってくれる!
って言っているんだよ?!
其れこそ此んな言い方では
「血も涙も無い」なんて思っちゃう人も居るだろうね!
言葉通りにしか聞けない人なら!
けどね?!
商人というものは!
一番!!
「命あっての物種」という言葉を
肝に銘じている人種なんだよ!
金銭的に損と思っても!
死にそうなら逃げるのを選ぶんだよ普通なら!!
其して!
欲に塗れた世の中ならば
感情論よりもビジネスライクな方がずっと
信用に足る! ってのも往々にして有る事でしょう!
感情ってのも結局は
欲求から発生するからね!
理路整然としたビジネスライクの方が
納得出来るって訳ね!
此処はね!
本当に血も涙も無いなら黙って消える所なんだよ!!
だって相手を怒らせても!
言い換えれば相手に警戒させても!
逃げ難く成るだけでしょう?!
此れは!!
「逃げませんよ」と示す!!
高度な心理戦だね!
心理戦なだけに!!
わたしが試されてもいるんだよ!!
「商人風情がっ!」
……
ナイツさんは分かっていない人、だねー……!
ははは……
ナイツさんは腹芸には力を割かない人、という事で!
ショウニンはわたしの方は理解したと見て続ける!
「なあに!
雲行きが怪しく成れば
あっしが口八丁で丸く収めてみせまさあ!」
此れは……!
ショウニンはわたしに命を懸けてくれる!
という宣言だ!
王様の御前では!
許可が無い者が発言したら
即死刑!! というのが普通!! だったりする!!
わたしが命懸けだというのに
ショウニンは庶民なんだよ?
王様が「死刑!」って言っちゃったら
わたしには止められないんだよ……?
ショウニンには……
此れ以上は無い最高の言葉なんだよ……!
「ワシも共に行こう」
ショウニンの次に離れそうなケンさんが!
もう答え言っているね?!
「ふん! 若しお嬢が危うければ
ワシが逃げる迄の時間稼ぎ位してやるわい!」
「いやいや……
王様と決裂したらもう
国に居られないからね?
もう世の中を良くする処じゃあないからね?」
其れは一番有っては成らない最悪だよ?
わたしだって其れは出来る限り避けるよ?!
「若し王サマとやらが分からず屋なら! じゃ!
したら別の国で又始めれば良い! っちゅうな……
失敗しても恐あない位に思っちょけい!」
あっはっは……!
グローバルだねえ……!
此んな文明度の世の中で!
「お嬢とは約束したじゃろう?
冒険者が!
少なくとも真面な仕事に有り付ける世の中を!
創って貰わにゃあいけんからのう!」
「あ、うん。 其うだね」
冒険者はどうやったって危険な職業だけど!
だって冒険って「危険を冒す」って事だもの!
でも。
現状、
依頼人から胡散臭いのが多くて
もう職業自体がお話に成らない!! んだよね!
だから!
冒険者に立場と信用を!!
依頼も少なくとも怪しくないものを!!
厳選しなくちゃいけない!!
其れには……
「丁稚奉公」に行った幼馴染みへの想いも有る!!
立場がしっかりしていれば!!
勤め先もしっかり把握していれば!!
行方不明になんてさせなかったのにっっっ……!!
だからっっ!!
ファンタジー創作物的な「冒険者」ばかりではない!!
人々の身分証明に成る組織を
創らなければいけないんだっ!!!!
組織が人々の身分を把握していれば!!
勤め先の相手が多少怪しくても
下手な事が出来なく成るからね!!
勿論組織の人員に何かが有ったら!!
相手に報復をする力も無いといけないね!!
此れは!!
ケンさんだけの要望じゃあないんだよ!!
わたしの悲願!!
其れで幼馴染みが帰ってくる訳じゃあないけれど……!!
……其うしたら。
次はわたしが促さないといけないかな?
「ノウミンは?
もうわたしに付いて来る必要は無い……
んじゃないかな……?」
何ならもう一人で故郷に帰る事も出来るだろうし。
文明度が低い所では遅めなんだろうけど
晩婚化した所では未だ未だ!
此れから結婚? も、
無理ではないんじゃないかな……?
わたしよりは年下の筈! なんだし!
だけど!
「今更です」
ノウミン即答しちゃうよ?!
「初めに言ったでないべか!
只の農民の声は
お偉いさんに届かねって!」
うん……!
ノウミンは長く喋ると田舎口調が出るのね?
其れは良いんだけど……!
「お偉いさんが王サマに成ったってだけの事だべ?
今までと変わんねえべよ。
其れともトナー、
おれに見せらんねえ話でもするんだか?」
「まさかあ!」
此れはノウミンも分かっている筈!
付いて来る口実だよね!
……あっは!
もう其れ成りの年だろうに何か可愛らしいなあ……!
「ノウミン貴様無礼ではないか?」
……あはは……!
「ナイツさん口挟まないで?」
「うぐっ……!
申し訳有りませぬ!」
もう……!
わたしを守ろうと必死なんだろうけどぉ……!
……
シュンとしないでえ?!
今何かキュンとしちゃったじゃない?!
……はっ?!
わたしは今何を思った?!
わたしは前世男だったんだってば!
えっとね?
段々女性作家さんの影響で、の筈!! なんだけど!
男が男に「可愛い」とか言うのが
ちらほら見える様に? 成って?
オカシイからね?!
年下だろうが肉親だろうが!!
男が男に「可愛い」だの「好き」だの言うのは!!
寧ろ男達が
「ホモっぽくね?!」と思って避けるからね?!
少なくとも別な表現をするのが普通! だからね?!
女は親しいみたいな意味で可愛い可愛い言うから
作品にも出ちゃうんだろうけどっ!
でも男は
「可愛い」と言われて喜ばない! 位は聞くよね?
えっと!
次はアローが口を開くよ!
「おれも! 偉い人に意見が伝わらないって言った!」
「あはは……!
覚えているよ!」
確かにアローは
猟師の意見は偉い人に伝わらない!
と言って仲間に加わったのだけど……!
二番煎じは目立てないよ? アロー……!
「其れで?
離れるの? 付いて来るの?」
「付いて行くに決まっているじゃないか!」
「あははは……!」
情熱的なんだか子どもっぽいんだか……!
「おれは!
言いたい事はトナーが言ってくれる! って!
信じているぞっ!」
アロー……! 分かっていてやっているの……?
何か可愛いって思っちゃったよ!
男はみんな何処か子どもっぽいって……
此ういう事かねえ……?
其うしたら……
「トウゾックは……?」
「オレは早死にはしたくない!」
……
え……?
あ、いや!
「うん。 其うだよね!
生きていれば誰でも思う事だよ!」
「けど!
トナーの為に死ぬのなら有意義なんだと思う!」
え?
あれ? 詰まり……?
……
「……
わたしが。
其れは喜ばないって…… 分かるよね……?」
トウゾックは。
わたしの下らない平和ボケの所為で死んだ仲間、
チュウギさんを良く知っている筈なのに……!
「だから!
積極的に死にたい訳じゃあない!
けど!
誰かがトナーを助けなければ成らない!
でも其うしたら助けたヤツは死ぬ! と成ったら!!
オレは迷わずトナーを助ける! って事だ!」
「えー……? 有難う……?
……
いや有難くないかな……?」
わたしは自己犠牲って美しくないと思うし……?
「アナタの為に死にました!」って……
重いでしょ? 重過ぎるでしょ……?
「いんや! 天晴れな心意気じゃな!
認めてやれ!」
ケンさん其んな事言い出すよ?!
「普通には生きていたいち言うておるのじゃろう?
じゃがあな?
いざという時は覚悟が無いと動けんもんじゃ!
なぁに!
心配せんでも
お嬢を悲しませる事はすまい?
ワシとて同じ覚悟じゃしのう?」
ケンさん?!
「オレはケンとは同じじゃない!」
「おいおいトウゾックよ!
悲しい事言わんで良えじゃろがいw!」
「ケンは仕事なだけだろう!
オレはトナーに拾われたんだ!」
「がはは……! 自分で拾われたち言いよるかい!
んまあ!
何処ぞにゃあ態々一度赤子を捨てて
拾うちいう風習も有るがのう!」
…… んんんっっ?!
わたしも聞いたというか文字で見た事有るけど?!
一度捨てた方が元気に育つとかいう
気のせいとしか思えない理由で!
更に名前に「捨」の字を入れるとか!
でも其れは……!
赤ちゃんの死亡率が矢鱈高い所!!
だからこそ気のせいでもやらずにはいられないんだよ!
其処って即ち!
昔の日本なんだけど?!
「オレはトナーと出会わなければ
とっくに野垂れ死んでいた!
だから今有る命をトナーの為に使っても有意義なんだ!
ケンは仕事でなんだろう?
命が危なかったらさっさと逃げておけ!」
「いやもう分かったから止めて?!」
わたしは先ずトウゾックを止めちゃうよ?!
「えっと? トウゾックも一緒に来る、で良いの?」
「当然だ!」
あはは…… 頼もしいなあ……!
頭撫で撫で!
其れから訊いておかなきゃいけないのは!
「ケンさん覚悟ってどういう事?!」
「冒険者は逃げるもんち思われちょる様じゃがの?
其いつぁ依頼人に価値が無い!! ちいう時じゃあ!
が!
ワシはお嬢に未来ば賭けちょる!
じゃけえ!
お嬢には何としても
生き延びて貰わにゃあ成らんけえのう!」
……
「え…… あ…… うん……!
けど死に急ぐのは止めてね? 本当に!」
「分かっちょるばいw!!」
何なの?
ケンさん薩摩隼人か何かなの……?
「後は!
ナイツさんどうする?」
「わたくしがお嬢様のお側を
離れる訳が有りますまい!」
だよねー! ははは!
「じゃあみんなの意思を一度は聞いたけれども!
改めて! 問いたいと思います!
一度で決めるのは不公平だと思うからね!」
其れに。
わたし自身が落ち着いたから
最初より話せると思う!
何より……!
わたしは言わなければいけなかった……!
「わたしは過去に。
平和ボケした甘い考えを仲間に押し付け。
死なせてしまった事が有ります。
軽蔑して貰っても結構です。
本当に良く考えて決断して下さい!
みんなには左右されずに!
自分で考えてね?」
知っている仲間は知っているけど。
全員って訳ではなかったんだ……!
言わなきゃ不公平だよねえ……!
仲間達の反応は!
「平和ボケでやすか!
世の汚い部分を知らなかったでやすねえ!
流石深窓のご令嬢!」
「止めてよっ?!」
ショウニン何を言い出すのっ?!
はははは……!
みんな笑っていないでえ?!
「当たり前だ!」
トウゾックみたく真顔で断言も駄目ええええ?!
「死者の意見を決め付けるのは憚られますが。
彼奴はお嬢様の所為等とは言いますまい」
ナイツさん……!
「わたくしの目が黒い内にお嬢様に何かが有れば
わたくしは彼奴に合わせる顔が有りませぬ」
ナイツさんもずっと背負っているんだね……!
所で念の為だけど。
みんなの会話は
異世界言語の日本語訳だからね?
「目が黒い」っていうのは慣用表現で!
ナイツさんの瞳は青です!
「お嬢が戦闘中横から手を出した、
ちいう訳じゃあなかろう?」
ケンさん?
「え? ……うん……」
「厳しい事言う様じゃが
自己責任じゃあのう。
手加減は本気で斃すより
ずっと難しかあが!
命懸けなら尚!!
加減を間違うてはいけん!」
「うっ……!」
本当に厳しいよケンさん……!
「して?」
……え?
未だ何か言う気?
「其奴の名は何じゃ?」
「ち……チュウギさん……!」
聞いたケンさんは。
深く情の有る? 眼差しで。
「良え名じゃのう」
「え……!
うん……」
ケンさんはみんなの方を向き。
「皆聞いたな?
もう一人の仲間はチュウギじゃ!」
「オレは知っていた!」
「トウゾックよぉお!
此処で落とさんで良かあがよ!」
ははは……!
みんなも。 やっぱりしんみりと、だけど。
笑った。
其して。
「みんなどうするの?」
と問えば。
「お付き合いさして頂きます!」
ショウニンは来る、と。
「ワシも行くぞ!」
ケンさんも来ると。
「おれも見届けるだ」
ノウミンも来る。
「おれおれおれ!」
アロー!!
其れ電話で詐欺みたいだよっ!
分からないだろうけどさっ!
「来るの?」
「うんっ!」
子どもかっっ!! ……おっと!
「トウゾックは……」
「何時迄も一緒だ!」
「其れ違う意味に聞こえるからあっっ!!」
「どんなだ?」
「どんなだろうねえ? ……ははは……!」
「ナイツさんは……」
「付き従いますとも!
此の命が尽きる迄!」
「いや……重過ぎる気持ちは一寸……!」
「うぐぅおぉ……っ?!
軽くするのでっ!! 見放さないで下され!!」
ナイツさん実は面白い人なの……?
結局。
二度訊いても
みんな一緒に来るって?
王様に意見するのは命懸けだというのに?
わたしでは王様からみんなを庇えないというのに?
わたしは過去仲間を死なせてしまったというのに……?!
「王様に「死刑!」って言われたら……
わたしじゃ止められないんだよ……?」
「お嬢! 皆が庇われて満足すると思うてか?
見くびられたモンじゃのう!」
ケンさんが即座に反論してくる!
「いや……其んな積もりじゃあ……」
「皆も其れぞれの目的で動いておる!
お嬢一人が責任を被る必要も……
筋合いも無いんじゃぞ?」
「あ……!」
「オレは絶対トナーの重みには成らない!」
トウゾック……!
「おれは言いたい事をトナーに言って貰うんだから
責任感じる事は全く無い!」
アロー……! 締まらないなあ! あはは……!
「おれも考えるのはトナーに敵わねからな」
ノウミン! も、言っている事はアローと変わらないのね!
「あっしだって
王サマの御前で気を付ける事位分かってまさあ!」
ショウニン! ……だよねえ……
王様の御前じゃ武装解除させられるんだから
一番頼りに成るのが実はショウニンだものねえ!
「わたくしは……! チュウギの分も!
しかし軽くお嬢様を護衛致しますぞ!」
ぷっ……!
ナイツさん! 真面目な顔してお茶目な事をっ……!
「さあて!
皆が国王へーかの御前に行く! ちいう事て!
言葉を一つ贈ろうまい!
其いは……!
「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」! じゃな!」
……は?
「ケンさん? 其の言葉を何処で……?」
山本常朝という人……の談話を書いた
実は燃やして欲しかったという『葉隠』という書物……
というのは良いんだけど!
何で其れを知っているの?! っていう!!
けど!
「さあなw?」
恍けるよもう!
……
けど!
未だ未だ此れからも!
ケンさんと! みんなと語っていきたく成っちゃうじゃない!!
「死にたいならケンだけ死ね!」
トウゾックっっ!!
遠慮無く凄い事言っちゃうよっ?!
「がはっw! お主こそ言うたろうw!
積極的に死にたい訳じゃなかがお嬢の為になら!
ちなw!
詰まりじゃな!
ちまちま自己保身なんぞ詰まらん!
命懸けでもやりたい事やるんが有意義じゃ!
ちいう事たいw!
今ん状況にピタリ! じゃろw?」
おぅっ?!
確かに?!
「其いにな?
ちまちま自己保身しよる奴が意外とポックリ逝って
命懸けを切り抜けた奴が生き残るちいう事も……
無くばない!」
「……当てに成らないな!」
本当に遠慮無いねトウゾック?!
「かはっw!
命懸けの方が確実に生き残れちゃあ
抑も命懸けに成らんばいw!」
うん其うだね?
「まあ国王へーか次第な所も有るが!
全員生き残る気で行こまい!」
ケンさん力強いなあ……!
流石薩摩隼人……ぽい人!
いやだって……
本当に薩摩の人なら
「武士」よりは「武家者」って言うもの!
……
「……みんなバカだよ……! もー!
命懸けだって言っているのに!」
はっきり言っちゃうと!
現代日本人だったら!
命懸けと聞いた途端に身動きが出来なく成るね!
身が竦むってヤツ!
本当に!
一度は味わってみないと分からないから!
「何か間違って惚れちゃったらどうするのっ!」
あ! ヤバいね!
口に出している時点でヤバい!
「何か不味いのか?」
「え?」
トウゾック?!
返事に困る事を平然と言うね?!
「オレはトナーが好きだから!
ずっと一緒に居たいんだ!」
ぶっ?!
トウゾックどストレート過ぎませんかっ?!
「おいトウゾック!
身分差というものは分かっていような?」
「ナイツさん口挟まないで!」
「ごふうっ?! お嬢様見放さないで下され!」
いやだからナイツさん面白い人目指しているの?!
「おれもトナー好きだぞっ!」
だからアロー何で二番煎じを狙うの?!
「あはははは……!
分かったから! みんなで王様の御前に行こうね!」
涙がチョチョ切れちゃうよ!
笑ってだけど!
「で! みんなで生きてやりたい事をやろう!」
……死んでしまったチュウギさんには
申し訳ないのだけどね……!
でも
チュウギさんが居たら此れだけは出来た筈!
という位の事は。
やらないといけないよね。 残った者の義務として!
見ていてね! ……っていうのは図々しいと思うから!
頑張るからね! 恥ずかしくないと思える位には!
と。
いう訳で。
一晩休んで次の日の朝!
王都に向かって出発! なんだよ!
朝ご飯は……正直美味しくなかった!
というか全体的に美味しくない!
ご飯改革もしたいなあ……出来る範囲で!
でも!
「人間どんな時でも寝て食えば動けるもんじゃあ!」
と、パワフルなケンさんが言う通り!
食べなきゃ動けないんだよ! 取り敢えず!
「腹が減っては軍は出来ぬ! ってね!」
「おうお嬢! 分かっておるのうw!
しかし! パンはあんまし食った気がせんのう?
もっと此う……!」
……
其れって……!
「ケンさん? 何を知っているの?」
「さあのうw?
しかし謎は残っていた方が
何としても生き残っちゃるばい! ち思うがじゃろw?」
「其うだねえ……!
「握り飯」食べない内は殺されてはいられないねっ!」
殺されるって誰に? って!
王様なんだけど!
「くっw! 精々気張ろうまいw?」
「トナー? ニギリメシって何だ?」
うん。
トウゾックには「日本語」が分からないんだね!
「とっても美味しくて栄養が有る食べ物だよぅ?」
「頭撫でながら言うな!」
だってトウゾックは頭撫で撫で要員だもの♡
所でお米ね?
白米ばかり食べていて
「脚気」で死んでしまった! なんて人が
昔結構居た様なんだけど!
其れはお米が悪い訳じゃあなくて
栄養が偏っていただけだからね?
昔は仏教の所為も有って
四つ足の生き物は食べない! とか言っていたからね!
言う事聞かない人ってのもどうしても居るものだけど!
でも大体昔の日本人は所謂「お肉」は食べなかったと!
四つ足の生き物……
牛さんや豚さんにもお肉だけの栄養が有るからね!
ビタミンB!
しかもBには1、2、6、12と種類が有って!
牛さんと豚さんのビタミンBも同じではないんだなあ……!
ビタミンBとは呼ばないけど同種に含まれる? のが
合わせて八種類! なんても言うんだけど!
ややこしいね?!
え? 何を合わせて八種類かって?
後はね!
ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンだね!
更にお肉も少しは食べないと
「脚気」ばかりでなく「脳卒中」も増えるんだなあ!
ダイエットとか言っている場合じゃあないよっ!
寧ろね!
麦を常食にすると
慢性的に脳味噌が腫れて
しかも依存性が有る!! っていうから!
出来たら脱却したいんだけどなあ……
世の中全体で麦が常食だと難しいなあ……!
お米探したい! ってのも生きる目標だね!
ん?
乙女ゲームみたーい! とか言っていて
此処で攻略対象選ばないのか? って?
選ぶ訳無いじゃなーい!
だって!
其んな事したらもう
旅の目的全部捨てて
何処かでひっそり暮らしました! って成っちゃうよ!
仲間達の関係ぶち壊しだし!
えーっとね?
と或るゲームのノベライズ、なんて例えに成るかな?
ノベライズ! ゲームを小説にした訳ね!
其れがね!
選択を間違えると直ぐ死ぬ!
ってハードなゲームでね!
恋愛がメインで
時々選択肢を選ぶだけ! ってゲームなのに!
此れでピンとくる人は居そう! って話なんだけどね!
わたし……の前世でねえ!
先ずは小説! 紙の本しか手に入らなくてね?
其れ読んだだけだったんだけど!
かなり後にぷれえすてーしょんの2がね!
色々アドベンチャーゲームというジャンル
出しているのを見付けてね!
プレイした訳よ!
小説をなぞる様に選択肢を選ぶと必ず死ぬのよ?!
どういうコトー?! って思ったら!
ゲームでは!
攻略対象一人に一途な選択をしないといけなかったのね?!
恋愛ぱぁうあーで生き残るって事でしょうね!
けど小説には! 選択肢が無いのだし!
攻略対象を一通り紹介するーっていう構成だった訳よ!!
だから小説みたいな展開にすると死ぬんだねー……!
小説では選択肢なんて用意出来ないからね!
取り敢えず攻略対象を一通り紹介するから
後は脳内で補って
ゲームをプレイしている気分に成ってね、って事ね!
其れしかやり様が無いものね!
抑もごっこ遊びって
脳内で補う部分が大きいものね!
恋愛のゲームだったら!
誰ともカップルには成りませんでしたーってルートも有るよね!
って意識するともっとゲーム気分に成れるかなっ!
って訳で!
今誰か一人とか選んでいられないのね!
というか前世男だったって! 何回言えば良いんでしょう!
ゲームのノベライズに例えると。
アローは一寸攻略対象としては弱いかなあ?
アローをもう一寸売り込んでおこう!
アローはね! 野営で一番頼りに成るね!
野営だと食料は現地調達! でしょ!
……
現代日本の女性にウケるとは思えない……!
ものは言い様だね!
アローは生活力が有るよ!
身一つで外に放り出されてもどうにか生活出来るよ!
……
何処かの特殊部隊じゃないんだから……!
えっと!
アローだって頼りに成る仲間だって事だよ! うん!
二番煎じ狙いなのはお茶目って事で!
兎に角ね!
男っていうのはね?
取り敢えずオトモダチとつるんでいれば楽しい!
って感じね!
え?
仲間達わたしとレンアイとか望んでいないよねえ……?
「トナー又ボーッとしているのか!」
「トナーは賢いからな。 考え事だべ」
あはははは……!
ゲームだあノベライズだあって考えていました☆
「もう王都が近いんだから安全だよお!」
多分!
「油断禁物じゃぞ?」
「野盗達に襲われたのも
割と近かったでやすからねえ!」
「ふん!
野盗共等お嬢様には指一本触れさせはせん!」
「おれも! おれもトナーを守る!」
どれが誰のセリフか分かるよね?
ふふっっ……w!
みんな愛おしいなあ……♡
……なんて言っていたら
わたし悪女?
えぇえぇえ……?
……
旅は続くんだからっ!
やりたい事は一杯有るし!
オンナノコは欲張りなんだからー! とか。
誰か言ってなかった?
いやわたしはオバサンですけどねっ!
ご愛読有難う御座いました!
後は何を言っても蛇足な気がしますので!
此れにて!
あ! 「ワケアリ不惑女の新恋企画」!
目次の下の下にリンク? 付けさせて頂きましたので!
どうぞご覧下さいませ!
……リンクの事も良う分からん筆者なのであった……!
(笑)
じゃなくて!!
(完)