その9
のんびり不定期連載です。 誤字報告いつも感謝です┏oペコッ
「前衛部隊は前へ! 避難が完了するまで絶対にここを通すな!」
隊長らしき人物が声を上げて命令をしている、その令に従いザザっと盾を持った部隊が整列する。そしてその先には、数えきれないほどの異形の魔物が迫ってきていた。
「よし、弓隊と魔法部隊は攻撃開始! 出来る限り頭数を減らせ!」
隊長の号令に従い、町を囲う防壁の上から弓矢と火の玉、風の刃などが放たれていく。その攻撃を受け、数匹の小さな魔物が倒れていくのが見えた。
「いいぞ、どんどん続けろ!」
ここは魔物が発生しているショコラ王国の森から北にほど近い城塞都市ビターだった。ガトー王国との国境が近く、レクタングル辺境伯の治める町だったのだが、突然現れた魔物の大軍に籠城する構えを見せていた。
あまりに突然だったため、逃げ出す時間も無く、地下壕に住民を避難させるので手一杯の状況だったのだ。辺境伯領の騎士達は門の前に陣取り、少しでも数を減らそうと画策した訳だったが…
「隊長!大型の魔物が前に出てきました、矢が刺さりません!」
「くそっ、魔法部隊は集中攻撃を仕掛けろ!」
身長が3メートル近くもあり、緑色の体に筋肉の塊のような腕、恐らくトロールの亜種だろうと思われるが、あれほどの腕っぷりから放たれる攻撃だと、防壁は耐えれても門の部分は無理だろうと一目でわかった。 アレを相手にするには現状では無理だ、瞬時にそう思った隊長は撤退を宣言した。
「全員中には入って門を補強しろ! 弓隊と魔法部隊は撤退を支援!」
号令に従い流れるように動き出す騎士団員、日頃の訓練の賜物であろう。
全ての騎士が門の中に入り、即座に門が閉じられた。そして門の所に改良された馬防柵が並べられ、槍隊が並ぶ。門を突破してきた大型魔物を馬防柵で動きを止め、その隙に突こうというのだろう。人間サイズで見れば門も大きいが、今からやって来るであろう大型魔物だと、2人並べば厳しくなるような大きさなので、小さい魔物に対する蓋にしようという策だろう。
「門に接触されます!」
「わかった!防壁の上にいる部隊は引き続き攻撃しろ! 小型の魔物を狙って頭数を減らせ!」
トロールと思われる魔物がとうとう門に辿り着き、力任せに門の破壊を試みる。殴られるたびに金属製の門は形を歪めていき、そして弾けるように門が開かれたのだった。
─真っ白な世界─
『アマンダよ、アリシアの従魔であるドラゴンをそちらへ送りたいのだ、急ぎ召喚陣を用意せよ』
『急にやって来てドラゴンを召喚しろとは無理を言う、しかしアリシアの従魔であるか…それであれば頼もしいかもしれんの』
『氷を司るドラゴンだから、長期間の滞在ならば大地を凍らせてしまう恐れがあるが、短時間であれば平気だろう』
『しかし、急に言われても魔力が足りんぞ。当然フローラも協力するのであろうな?』
『仕方あるまい、ホワイトドラゴン自身にも協力させよう。ドラゴンであれば魔力も多く持っているだろうしな』
『ふむ、それであればドラゴンにも多めに魔力を提供してもらおうか、それが一番効率が良さそうじゃの』
『主であるアリシアの気配が消えて探しておるのだ、急ぐがよい。アリシア不在だとホワイトドラゴンを止められる者がおらんのだ』
『わかったわかった、ちょっと待っておれ』
『その間に我はホワイトドラゴンに魔力を提供するよう伝えておこう』
『うむ、準備が出来次第発動するのでドラゴンにもそう伝えよ』
『承知した』
創造神フローラはそう言い残すと、その場から消えていった。
─ポテチ王国北部─
『ハクよ、向こうの創造神と話がついた。しかし、先ほど言うた通り召喚には大量の魔力を使う、お主にも魔力を提供してもらうぞ』
『それくらい構わん、いつ召喚されるのだ? 別に今からでも構わんぞ?』
『準備中じゃ、少し待て』
待つ事2時間、ホワイトドラゴンの足下に光り輝く魔方陣が現れた
『始まったの、それではお主の魔力を魔方陣に籠めるのだ。我も注ぎ込もう』
『む、良しわかった』
10分ほど魔力を籠め続けていると、突如魔方陣が発動してホワイトドラゴンの姿が消えていた。
『やれやれ、帰りも大量の魔力を使わねばいかんのか…』
フローラは心底疲れた顔をして消えていった。
─ショコラ王国城塞都市ビター─
「あれはなんだ!? 突然空に魔方陣が現れたぞ!」
こじ開けられた門の側で、必死に防衛していると突如上空に現れた魔方陣。魔物の仕業かと疑ったが、侵攻してきた魔物達も魔方陣を見て驚いているようだ。
魔方陣が出現して10分ほど経った、未だに起動はしていないが、魔方陣から放たれる圧力がものすごい事になってきている。
「あれほどの魔法陣から放たれる魔法とは…俺達はここまでなのか?」
「いやわからんぞ? 魔方陣から出てくる圧力に、魔物達もビビっているように見えないか?」
「それはそうだが… こうして話をする余裕が生まれる程魔物の勢いも無くなっているしな」
門を破って突撃してきたトロールと思われる魔物が、目の前にいる騎士よりも上空の魔法陣が気になるようで、しきりに上を向いたりしていた。
「上を向いている以上急所である目を狙えない、足元を攻撃して機動力を奪え! ボサっとすんなよ!」
隊長の檄が飛び、魔物同様に魔方陣に気を取られていた騎士達も動き出した…その時
魔方陣から弾けるように衝撃が走り、騎士も魔物も吹き飛ばされてしまった。
「一体何が…魔方陣が起動したのか?」
吹き飛ばされたものの、すぐさま起き上がって状況の確認をしようとした時だった
『グオオオオォォォォォ!』
耳をつんざくような咆哮と共に、身が震えるほどの冷気が降り注いだのだった。
その咆哮により、ほとんどの騎士が耳を抑えて動けなくなっていたが、魔物の方は違った。蜘蛛の子を散らすかのように、森に向かって全力で逃げ出したのだった。
隊長はなんとか気力を振り絞り、その咆哮を放ったモノに目を向けた。
「白い…ドラゴンだと?」
魔物の群れであればやりようはあったが、これ程巨大なドラゴンと戦うのであれば、何をどうしようと勝ち目などあるはずもない…
体中から力が抜け、がっくりと膝をついたままドラゴンを見上げる。 戦意喪失とはこんな感じなのか… と、隊長を含めた騎士全員が死を覚悟した。
「ハクなのですか? 一体どうやってこの地に来たのです?」
『おお、我が主よ、戦いに出るというのに我を置いて行くとは何事だ! 我にも仕事をさせよ!』
気が付くと、空に浮いている女性がいてドラゴンと会話していた…
「え…? 俺達、助かった…のか?」
無駄に書いた短編のせいでストックがががが。
なんとか間に合っていますが…




