41話
のんびり不定期連載です
朝です、おはようございます。
昨日は危うく夕食を逃すところでした、ちょっと休憩のつもりがすっかり… まぁ夕食時間に間に合ったしお風呂も頂けたので個人的にはセーフだったのですがね。
今日は朝食をいただいたら市場に買い物に行って、それから飛行訓練をしましょうかね。クリーム王国から飛んできたときは、ただ真っ直ぐ飛ぶだけだったので飛行技術的な訓練はできていませんでした。
やはりアクロバティックな動きも取り入れた方が良いですよね!もしかしたら空中戦というのもあり得るわけですし、なのでやりましょう。
思いついた通り、ささっと市場での買い占めを終えて町の外に出ます。さすがに大勢の人がいる前で飛び立つと大変話題になってしまうので、外壁に沿って歩いていき死角を探します。この町の外壁は楕円形と言うかそんな形になっているので、少し歩けばすぐに門が見えなくなります。
周囲を見渡し人目を確認してから走り出し、そのスピードを活かしたままテイクオフです!一気に目視できないくらいまで高度を上げましょう。
そのまま北に見える森の方に向かって進み、ここなら一安心でしょう。
「ふふっ、やはり飛べるというのは良いものですね。急旋回とかやってみましょう」
くるくると錐揉みしながら飛んでみて、そのまま一気に上空へと向いて大回転!ってあうぅぅ
魔法障壁の効果で風圧は遮る事が出来ていますが、旋回による強烈な旋回Gによって内臓への圧迫感が…これは危険ですね、食事の後にやってはいけない行動でした。一旦降りましょうか…
森の中に降り立ち呼吸を整えます。ふぅふぅ、どうやらこみ上がってくるモノは静まったようです。
そういえば戦闘機のパイロットは、加減速Gや旋回Gに対する訓練をするって話でしたね。なんの訓練も無しにやるとこうなるわけですか…ええ、勉強になりましたですよ、ハイ。
これは…むしろやらない方が良いですね!Gに耐える訓練というのは時間がかかると思いますし、空中を移動するうえでの最低限の動きだけ出来れば良い、そういう事にしましょう。
それではこうしましょう、最低限で構わないので回避行動がとれるように頑張りましょう。これなら内臓にも優しいと思います、多分ですが。
とは言いつつも、すっかりモチベーションが下がってしまったので町に戻る事にしましょうか。そろそろ昼食の時間ですが…ちょっと無理ですね、やめておきましょう。もっと小さい頃にこの魔法に気づいていれば、遊びながら訓練も出来たのでしょうが、悔やまれますが諦めましょう。この切り替えが大事です
そのまま空路で町が視認できるまで進み、そこからは地上に降りて歩く事にしました。時間はありますしね、ゆっくりと進む事にしましょう。
それにしてもセリカ王国側はどの部位を欲しがるのでしょうかね、王様も王妃様も良い人のようですし、なんでしたら今後定期的に訪れてドラゴンの素材を全て売っても良いかもしれませんね。更に売り捌いて国庫を潤させるのも良し、素材を加工して国軍の装備にしても良し、私もホワイトドラゴンを討伐できれば孤児院を開くつもりなので、資金はいくらあっても困りません。
次の交渉の時にお話ししてみましょうかね
2日後、王宮から使者が来て素材の受け渡しの件で王宮に行くことになりました。騎士の屋外訓練場に大勢の解体職人が集められ待機していました。
やはりドラゴンの素材で一番希少な素材は心臓との事で、ブルーとグリーンの2体分は必ず欲しいとの事。次いで眼球に逆鱗と素材を剥ぎ取っていきます。
「今更の話なんですが、ホワイトドラゴンの件が片付きましたら定期的に訪れる事も可能ですよ?個人的にはドラゴンの素材を私が持っていても仕方が無いので全て処分してもいいと思っています」
「まことか!それであれば我が国ですべて買い取らせていただこう。さすがに高価な素材だから一度に払う事は難しいが、定期的に買い取りが可能であれば是非とも」
「わかりました。ただ、まだ戦いが終わったわけではありませんので、時期までは確約できませんがそれでよろしいのでしたら約束しましょう」
「うむ、よろしく頼むぞ」
王様と直接交渉が成立しました。私の収納スペースがすっきりして資産が入ってくる、素晴らしい結果です。
簡単に孤児院を経営などと言ってはいますが、土地によりますが、初期費用はかなりかかると思っています。
新築で考えているので、町の中に作るのは難しいと思いますので、町の外に新たに建造して、それに付随する防壁なんかも広めで囲いたいですから、土地の購入だけでもいくらかかるのやら…
そうなると、そっちの準備も考えておかなきゃいけませんね。建物は魔法で土を固めて作るとしても、安全面を考えれば鉄筋などの補強は重要でしょう。これはちょっと図面を描いてみないと全体像が見えませんね、ふふっ、なんだか楽しくなってきました。
ガーナ王国フェブリー公爵領、領都
「間もなく領都の外門に到着いたします」
「うむ、ようやく着いたか。真っ直ぐ城へ向かい補給もさせろ、出発は2日後にしよう」
「承知いたしました」
公爵一行はようやく辿り着いた領都に安堵していた、ずっと続いていた強行軍のため、馬も御者も使用人までも疲弊しきっていたのだ。
「開門せよ!フェブリー公爵様がお通りだ! どうした、早く開けないか!」
御者が大きな声で叫ぶと、ゆっくりと門が開いていった。普段であれば日中に門が閉まる事は無いのであるが、疲れ切っていた使用人達はこの違和感に気づけなかった。
馬車が通れるギリギリ開いたところで、御者の者が待ちきれなくなってゆっくりと進んで町の中に入っていく。門の向こうには大勢の平民達が列をなして待ち構えていた。
「邪魔だ!道を空けろ!公爵様の馬車であるぞ!」
その時、1本の矢が御者の頭を貫いた。
「門を閉めろー!絶対に逃がすな!」
民衆が叫び出し、さすがに馬車の中にいた公爵も異変に気付いた。執事が即座に叫ぶ
「護衛はすぐに外に出て対応しろ、平民などいくら殺しても構わない」
冒険者達は武器を取り外に出たが…周囲を埋め尽くすほどの民衆を見て即座に戦意を喪失した。
「俺達は護衛に雇われた冒険者だ!この数相手に戦うなんて馬鹿な真似はしねぇ、降伏する」
護衛の冒険者達はあっさりと降伏を宣言し、手持ちの武器を地面に投げ捨てたのだった。




