第41話
誤字報告いつもありがとうございます。
後で教えてくれると約束をもらったので、今日は予定通り魔力の制御を中心にやっていく事にしましょう。加護の力も確かめないといけませんからね… 怖いけれどそろそろ使っていきましょうか。
アマンダ様からの光を浴びてから、体に突然沸いた強い魔力… そろそろと開放していきましょう。さすがに一気に行くのは怖いですからね!
新たに授かったと思われる魔力を解放していくと、全身に漲る様な強い力を発しました。これはひどい… 今までの修練は何だったのだろうと思ってしまう程強化されているのが分かります。
とりあえずこの状態を維持したまま魔法を水の中に撃ってみますか…
「スクリューアロー!」
魔力の込め方を言葉で表すなら、ミノタウロスなんかの強敵に対しては『大』。そこまで強くしなくても済む場合では『中』。明らかにオーバーキルだと思われる場合に使う『小』
その言葉で表すと『中』の魔力で放ったスクリューアローは、発射された瞬間のサイズはいつもの『大』の2倍ほどもあり、先ほど試した時に水の中を5メートルほど進んで行ったアローは、視界から見えなくなるまで減衰する事はありませんでした…
「これは… 今までの数倍所では無いようですね。お姉様も試してみてはいかがですか?」
「そうですね… 今の貴女の魔法を見る限り、かなり抑えめで撃たないと危険かもしれませんね… 特に周囲に迷惑がかかりそうです」
「はい、強すぎる魔法は味方さえも傷つけてしまいますからね」
「では、今後の課題は今まで以上に魔力を制御できるようになり、より圧縮して範囲を狭めながら放てるようにしていきましょう。それが出来たとあれば、スクリューアローでもビームライフルと同等の威力を出す事も可能になるかもしれません」
「そうかもですが、私はお姉様と同じ魔法を使いたいので修練は続けます」
そう、もはや威力がどうのという話ではありません。お姉様と同じ… お姉様が作ったオリジナルの魔法を使いたいのです!
アロー系の魔法は使い手がかなりの数がいます、各種属性のアロー系は基本にして定番とも言われて、熟練者程その威力は高いとされています。もちろん私も得意な属性である水を使ったウォーターアローも使いますが、お姉様に教えてもらった無属性のアローにひねりを加えたスクリューアローが今の必殺魔法となっています。
ですが、お姉様の使うレーザービームとビームライフル… あれほど強い光を放つ魔法は他では見た事もありません! お姉様のオリジナルという事はすでに聞いていますし、私の住むこの世界でも未知の魔法だと思っています。
そのような魔法を私が使う… お姉様とお揃いの魔法で戦うなんて素敵ではありませんか! 2年前、初めてレーザービームを見た日から憧れていた魔法… 覚えられるというならばどんな苦労でも厭わない覚悟です!
…とはいえ、現状では大地をうっかり破壊してしまわないように制御する事が喫緊の問題ですね。このままだとアマンダ様に怒られてしまいそうで怖いです。
「!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
「お姉様?」
「これは… 地震ですか? でも迷宮内で地震なんておかしいですね」
「お姉様! 多分これは迷宮が氾濫する前に起きるという地揺れではないかと思います、前に何かの資料で読んで記憶があります」
「氾濫? スタンピードというやつですね? よりにもよって私達が訪れたタイミングで来るとは… 嫌がらせでしょうか!?」
うっ、なんでしょう、空気が張り詰めたかのようなこの感じ… もしかしてお姉様が怒っていらっしゃる? というかキレていそうな感じですね。
「どうしてやりましょうか… せっかく私が海の幸を頂きに来ているというのに、それを邪魔するなんて」
あ、やっぱりキレているんですね。しかもその理由が食材絡みとは… なんともお姉様らしいというか。
「しかしどうしましょうか」
「ミルフィ、その資料には地震が来てから氾濫がおきるまで、どのくらい猶予があったか分かりますか?」
「すいません、正直あまり覚えていないんです。しかもこの地揺れ… 私達が来る前から起きていた可能性もありますし」
「そうですか? さすがに何度も氾濫があったというこの町なら、前兆があれば注意喚起位するのでは?」
「あ、それもそうですね。さすがに今日より前から揺れていたら避難とか始めていますよね」
ふぅ、落ち着きましょう。確かにお姉様の言う通りです、前兆があればさすがに対策するために街が動いていてもおかしくは無いでしょう。でも昨日の段階ではその兆候もありませんでしたので、間違いなく今日が初めての現象だという事ですね。
「一度ギルドに戻りますか… でもそうすればギルドが主導してなんらかの対策作戦に組み込まれてしまいそうですよね…」
「そうですね、緊急事態ですからその方が良いのではないですか?」
「普通であれば良いのでしょうが、私の場合はミルフィも知ってる通り、他の人がいれば邪魔になって本気を出せなくなるという事です」
「ああ…」
確かにそうですね、お姉様が迷宮の入り口に立ってビームライフルを乱射するだけで、気が付いたら全てが終わっていた… そんな結末が見えますね。
確かにそれだと編成された部隊というのは邪魔でしかありませんし、軍とは違い統制も取れていないでしょうから他の冒険者は邪魔にしかならないという事になります。悩ましい問題ですね…
「おっと、中々しつこく揺れるのですね… さてどうしましょうか」
「このまま待機して迎え撃ちますか? 私も足手まといにはならないよう戦って見せます」
「そうですね… その方が良いかもしれませんね。スタンピードだというのであれば、下層にいるはずの魔物も登ってくるという事ですよね? 探索しないで魔物の食材を集められると考えればむしろ良いかもしれませんね!」
そ、そんな思考で良いのでしょうか? 迷宮の氾濫といえば国家レベルでの対策が必要になる案件なんですが… まぁ確かに、お姉様の言う通り下層の魔物も来ると思いますが。
「ふむ、食べ物の在庫も十分ありますし、10日程度であれば余裕で持ちこたえられそうです。ではその方針で行きましょうか、とりあえずもう少し下層に降りてみて待機場所を決めましょう」




