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なんか祖国が滅んだけど私のせいじゃないよね? ~転生元公爵令嬢の夢見る幸せのカタチ~  作者: ぽいずん
本編

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17話

のんびり不定期連載です

【神託を与える。聖王グロス教国と名乗る国家が我から神託を受けて活動しているとの事だが、そのような事実は存在しないことを告げる。本来であれば我が名を騙るなど神罰に相当する愚行だが、我が愛し子の祈りにより当面罰を与える事は止めよう。しかし今後も我が名を騙り続けるというのならば覚悟するがよい。これは警告である】


 ぅおおおフローラ様ぁ 何故そこに愛し子が出てくるんですか! しかしこれで聖王グロス教国は大騒ぎになっているでしょうね。150年前の事なので当事者は当然いないでしょうし、せいぜい書物で言い伝えられていた程度なのでしょう。それに見目の良い孤児ばかりを選んでいたという噂もありますし、今後に注目でしょうね。



聖王グロス教国宮殿


「なんという事だ!我が国の興りは神託によるものだと伝えられていたが嘘だったというのか?」

「猊下、これは大変な事になりますぞ。世界各国で活動している闇の者に自粛の要請を急いだほうがよろしいかと」

「うむ、よきにはからえ」


 教王は焦っていた、国を興した先祖の事を疑っていたわけではないが、どこか創造神フローラの事を軽く見ていたのだ。記録によれば前回神託が為されたのはおよそ150年前、当時神託を受けたとされる男が聖王を名乗り国を興したと言われている。歴代の教王に伝えられている書物に記載されている神託の内容は、古いものと新しい物で内容に差異があるのだ。なので当代の教王は、神託など無かったのでは?初代教王が成り上がるための狂言だったのではないかと思っていたのだ。

 しかし、つい先日実際に神託が2度も成され、愛し子の存在と使徒の誕生、更には使徒に対し無礼を働いたとの事でガーナ王国の貴族に対して罰が下されたのだ。こうなれば嫌でも過去の記録に神託があった事を認めざる得ない状況になった。


 過去の教王達は神託によって託された創造神の願いだと称し、大陸中に存在する国々に対し、我が国の教会の設置を認めさせ、お布施と称して運営資金を出させてきた。そして援助された資金を使い孤児院を経営していると見せかけて子供の売買を行なってきたのだ。

 当代の教王も神託など信じておらず、自国の予算を使わずに簡単に子供達が手に入り、それらを売りさばく事で多大な利益を得てきたのだ。工作員を容易く他国に侵入させ、しかも運営資金すら他国に出させるシステムを構築した先祖に感謝していたくらいだ。


 だが今までの行為を…よりにもよって創造神フローラに神託によって否定されてしまったのだ。おそらく大陸中の者が聞いてしまったであろう神託のせいで、今後我が教国に寄付する国があるとは思えない、むしろ今まで寄付してきた金を返還しろとまで言われるかもしれん。

 とりあえず与えられたのは警告のみ、使徒がなんらかの口を出したと思われる内容があったため、大至急子供の売買を停止し、様子見をしなければいけなくなった。


「くそっ!なんでよりによって儂の代でこんなことが起こるのだ!」


 とりあえず他国が神託の影響をどれほど受けたのかを知る事から始めなくては、幸い世界中に教会は設置されているので情報だけなら早急に入ってくるだろう。ガーナ王国のように加護を失い、魔法が使えなくなるなどあってはならぬ事だ、そんな事になれば平民にすら太刀打ちできなくなってしまう。それだけは何としても回避せねばいかん…それだけは



フォース王国王都カリーナの高級宿 


 …、朝ですね、太陽が眩しいです。どうやらゆっくり寝すぎてしまったようですね、もう8時になっています。朝食をいただかなくては!


 昨晩のフローラ様の降臨のおかげで、長湯しすぎたのが原因でしょうね、国を出て旅を始めてからここまで朝寝坊したのは初めてです。習慣が染みついているせいで、普段であれば必ず夜明けとともに目が覚めるのですけど。まぁいいです、寝坊しても怒られるわけではありませんしね


 朝の支度を済ませ、さくっと朝食をいただき出発する事にしましょう。まずは昨日伺った孤児院をもう一度巡って子供達にクリーンの魔法をかけてあげましょう。これだけで病気になる確率はぐっと下がります。最後に教会が運営している孤児院に行って、昨日の夜に出された神託の影響を見てみましょう。少なくとも昨日お話ししたシスターさんは真面目そうな方でしたが、他の職員は見ていませんしね。


 孤児院に辿り着くと、昨日のお婆ちゃんが元気に働いていました。なんとなく血色が良くなっているような気がします、さすがお肉パワーですね!


「おはようございます、子供達はもう仕事に出てしまいましたか?」

「ああ昨日の、おはようございます。子供達は昨日のお肉たっぷりのスープに興奮してしまって、今日は全員寝坊しているのです」


 お婆ちゃんはにっこりと笑いながら奥へ案内してくれた。およそ30人の子供達が思い思いの恰好で転がっていました、すごい寝相ですね…


「皆を起こしてしまうのは何か悪い気がしますので、このままの状態でクリーンの魔法をかけてしまいましょう。先生も範囲に入ってください、まとめていきますよ」

「ええ?いいのかしら」

「構いませんよ、清潔にすればそれだけ病気にはかかりにくくなるんです、むしろ先生が率先的にやるべき事ですよ」

「そうですか、わかりました」


 全員にクリーンの魔法をかけてからその場を去りました。次の孤児院に向かわないといけませんからね、私自身も寝坊していたため急がないといけません。


 次の孤児院も同じように皆が寝坊していてクリーンの魔法をかけてやることができました。やはりお肉パワーはすごいのです。では…改めて教会に行ってみましょうか。


 教会を訪れると、辺りは静寂に包まれていました。周囲の喧騒は鳴りを潜め、まるで教会の様子を町全体が見ているような雰囲気がありました。入り口の扉は閉ざされていて中の様子を窺うことは出来ません、しかしそれではらちが明かないのでドアに付けられているノッカーを叩いてみる事にしました


コンコン


「本日はお休みなのでしょうか?」


 一応声に出して伺いを立てます。中からは人の気配は感じているので居留守を決め込んだのでしょうか。それもまぁわからなくもないですが、こんな時ほどいつも以上に普通の対応をしなければいけないと思うのですがね…これは前世の感覚なのかもしれませんが


 少し待ってみたけれどドアが開く気配はないので諦める事にしました。ドアの向こうからこちらを気にするような気配はありますので、最後に声だけかけてこの町から出るとしましょう


「使徒アリシアと申します、悪いのは歴代の指導者であり教義そのものは悪いものではありません。こんな時だからこそ教会として、孤児院としての機能を止めてはいけないと思います。子は未来の宝です、ここで育った子供達が将来誇れるような指導を期待しています」


 言いたかった事を伝え、振り返るとそこには大勢の民衆がこちらを見ていました。神託があったばかりなので気になっていたんでしょうね、なぜか唖然としている方もいますが私の用件は済んだので旅立つ事にしましょう

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