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プロローグ 王国の継承者
――マジュ暦576年、メルタイト王国
「国王様、鑑定士より報告です!」
男は急ぎ王宮に参上し、国王に謁見した。国王と言っても、質素な布の服を着ていて、戦争国家のイメージにぴったり合うような、厳格な様相を感じさせる。
「わが王女、エカテリーナの能力鑑定の件か?」
「はい、何回も鑑定したそうなのですがやはり......エカテリーナ様の能力値は筋力F、魔力E、体力Eでした......」
国王は目を大きく見開いた。
「なんと、我が子ながらダメな子だ」
「国王様......」
「この国の王位継承は長子相続と決まっておる。弟や妹たちがいくら優秀だとしても、法を捻じ曲げてその子らに王位を渡すことはできん」
「しかし、国王様の権力があれば......」
「ああ、無理やり押し通すことはできるかもしれない。しかし、諸侯や国民の反発は必至だろう。それならば―」
「......」
「あんな子、元からいなかったものとすればいいではないか」




