第9話「継続」
干渉を行わないことを前提とした安定構造が成立し、すべての状態が同時に許容されている世界において、その状態が継続可能であるかを確認する。
止まらない。
だから。
終わらない。
通り。
人が歩く。
揺らぎ。
確定。
未確定。
逸脱。
すべてがある。
すべてが違う。
それでも。
崩れない。
誰かが立ち止まる。
理由はない。
ただ止まる。
別の誰かが進む。
速い。
遅い。
関係ない。
同時に成立する。
誰かが何かを見る。
そこに存在が生まれる。
見なければ。
何もない。
それでいい。
対象の男が歩く。
止まらない。
何も変えない。
何も触れない。
ただ。
存在している。
それでいい。
空を見る。
何もない。
だが。
何かがある。
感じる。
だが。
見ない。
それで成立する。
「……続くな」
短く言う。
終わらせる理由はない。
変える必要もない。
このままで。
成立している。
男の視点。
すべての存在が互いに干渉せず、それぞれの状態を維持したまま同時に成立し続ける構造が、外的要因に依存せずに自律的に継続していることを明確に認識している。
遠く。
別の視点。
同じ世界を見る。
干渉しない。
だが。
理解している。
同じ結論。
同じ状態。
「……問題ない」
小さく言う。
それ以上はない。
必要もない。
すでに。
成立している。
通りに戻る。
人が歩く。
止まらない。
終わらない。
続く。
ただ。
それだけ。
対象の男が歩く。
その中で。
変わらず。
だが。
止まらない。
決めたからだ。
この形で。
続けると。
それが。
この世界。
「――いい」




