表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バグ個体に転生した俺、魔物として進化しながら人間社会を喰らう  作者: HATENA 
第6章「崩壊」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/171

第2話「排除」

 固定された構造の中で“従わない個体”が増え始めたことで、これまで曖昧だった違和が明確な対象として切り分けられ、共有された前提を維持するための行動として“排除”が選択される。


 守るために、削る。


 通り。


 人の流れは安定している。


 同じ位置を避け、同じ順序で進む。


 その中で、一人だけ動きが違う。


 「……そこは通れない」


 誰かが言う。


 「……違う」


 男が答える。


 足を止めない。


 “空白”へ踏み込む。


 周囲が一斉に止まる。


 流れが崩れる。


 「……やめろ」


 別の男が腕を掴む。


 強く。


 「……離せ」


 振り払う。


 だが、その瞬間。


 空間が歪む。


 遅れていた補正が、一気に押し寄せる。


 周囲の動きが揃い、男だけが外れる。


 「……異物だ」


 誰かが言う。


 否定はない。


 「……排除しろ」


 短く。


 数人が動く。


 同時に。


 腕を掴む。


 足を止める。


 「……何してる」


 男が叫ぶ。


 だが、声は届かない。


 流れが優先される。


 「……合わせろ」


 押される。


 “通路”へ。


 強制的に。


 足が止まる。


 「……っ」


 進めない。


 初めて。


 「……当たってる?」


 理解が遅れて届く。


 だが、遅い。


 周囲が押し込む。


 「……通れないだろ」


 言葉が上書きされる。


 男の認識が揺れる。


 「……違う」


 だが――


 次の瞬間。


 止まる。


 足が。


 “空白”の前で。


 「……あ」


 言葉が途切れる。


 「……ある」


 短く。


 確定する。


 周囲が離れる。


 流れが戻る。


 何事もなかったかのように。


 男はその場に立つ。


 「……今のは」


 思考が追いつかない。


 だが、身体は理解している。


 避ける。


 自然に。


 「……そうか」


 納得する。


 それで終わる。


 別の場所。


 同じことが起きる。


 拒否した個体が、強制的に“合わせられる”。


 抵抗は短い。


 すぐに消える。


 「……効率いいな」


 誰かが言う。


 排除は、破壊ではない。


 “修正”だ。


 外れた個体を、戻す。


 それで全体は保たれる。


 一方。


 通りの外れ。


 歩く。


 止まらない。


 視線を向ける。


 拒否していた男。


 もう止まっている。


 「……揃ったな」


 観測する。


 排除ではない。


 適応だ。


 「……いい」


 構造は崩れない。


 むしろ。


 「……強くなる」


 ズレは消える。


 残るのは。


 「――同じものだけだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ