人間tueee
それはウミウシに似ていた。
虹色に輝き、風に揺られていた。
2mもの巨体であり、陸において喧嘩を売る者などいなかった。
今までは
「おらぁ!」
その目は光っているか暗いかを判別することしかできない。
故に、圧倒的な色彩判別能力と空間把握能力に長けた目を持つ生物には勝てなかった。
「うきぃぁー!」
石と木でできた槍で貫かれ、少しの時間暴れた後、死んだ。
「ウホォー!」
無駄な雄叫び。
それでも、異様な威圧感があった。
二足歩行をし、武器を携えたその生物こそ、侵略的外来生物『人間』である。
次の日
獲物を探して歩き回り、見つかった。
甲殻虫である。
硬い殻を持ち、並み居る虫を蹴散らし樹液を啜っている。
殻は確かに硬い。しかし、人間には発達した顎と歯がある。
容易に砕かれ、栄養となった。
しかし、腹を満たすほどではない。こんなものおやつだ。
そして、見つけた。
全長10mにもなる巨大なナマケモノである。
ここまでになると肉も食べることができる。雑食だ。つまり、人間のとっても脅威だ。
しかし、大きいということは致命的な弱点もある。それは足が遅いことだ。
人間は矢に毒を塗り、遠距離から攻撃した。
怒って走ってくるが、逃げるだけだ。
ナマケモノが疲れたところで、再び矢で射る。
武器の活用は人間の大きな強さだ。
ナマケモノは人間の餌となった。
世の中、そう上手くはいかない。
肉をのみを食べる鳥がやってきた。ダチョウのように速く、蹴りが強い。
やむなく肉は奪われた。
人間は怒りと恨みに支配された。
そして、次の日
かの鳥は石をよく飲み込む。
それだけ分かれば十分だ。
石を焼いた。
ほどなくして鳥が飲み込む。
もがき苦しんで死んだ。
「はっはっはっ!」
人間。
それは異世界から来た最強の危険生物である。
言語による他とのコミュニケーションを失ってなお、新たな地に君臨した。
〈終〉




