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双盗技  作者: 桐島直千
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21話 露出は控えめにね ニーニャ

 ジオとヴィッキーが戻って来た!喜びもつかの間、背後から忍び寄られた蜘蛛男に奇襲され、私は宙吊りで辱められた。奇妙なことに、蜘蛛男と私たちはジオの戦いを観戦することになった。ちらちらこっちを見るのでスカートから手が離せない。強烈な敵にタジタジだったジオの目がピカピカ光ると、敵は技も出せずジオの攻撃を食らうばかりとなり、簡単に死んだ。その途端、私を吊っていた糸が無くなって、頭から木の根に落ちて私は意識を失った・・・。


 起きてみると、大男の背中だった。だがその大男も、道端に顔から突っ込んで爆睡していた。私も前のめりで頭が下だ。運ばれる途中で力尽きたのか。それにしてはフックした腕が太ももから外れない。分かり切ってるけどなんて力だ。

 

 ギャー。


 私履いてないのにまたこの姿勢かよッ。アフターバーナー全開状態。エアブレーキ(スカート)も全開で背中に垂れている。ガバと跳ね起きて抑えると、下着のような感覚が。

「ジオ、履かせてくれたんだ・・・」

 でも少々違和感が。スカート下のミニスリップの前後を無理に縫い合わせてある感じ。動いたら千切れそう。これならむしろ起こしてくれればいいのに。・・・いや、私が起きなかった可能性もあるか。


「あ、そういえばヴィッキーは!」

 まわりにいない。また、攫われてしまったのか。ジオは追いかけて力尽きたのか。何もわからないが、昨日絶対絶命だったディーはどうなったのか。

 見渡すと、野次馬の流れが焼失した屋敷へと続いていた。ジオは一本脇道にそれたところで寝込んでいる。私たちは事件の当事者だから、当局に色々聞かれることになるだろう。ヘタを打つと犯罪者扱いだ。


「起きて、ジオ」

 背中を叩いても、まるで反応が無い。どこかに怪我をしているのだろうか。

 と思うと。

「むにゃ。ニーニャ。キモチイイ」

 寝言でまさぐってくる。スケベ。

 でもいまそれどこじゃないんだよ!

「ニーニャ。キモチイイ・・・」

「ジオ・・・」


 あんな裏切り行為を働いた私を、助けるために戻って来てくれたジオ。不意に、愛しさが胸にこみ上げてきた。背中に馬乗りのまま、私はつぶやいた。

「あの後だけど、私。ディーにやらせてないよ・・・ごめん」

 起きているジオに今の言葉が言えるかは、自信が無い。浮気どころか、あの一瞬は完全に乗り換える気になっていた。どの面下げてジオの元に戻れるのか。


 カーッと血が上った。無性に殴りたい。

「ジオの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!」

 馬鹿なのは私だが、口に出たのはこうだった。連打しても連打しても連打しても、起きない。背後から両耳ビンタをかまして、ようやく起きた。


「きっついなー。耳キンキンしてる。鼓膜やぶれちゃうよ~」

 あんたなら大丈夫!熊だから!

「起きた?じゃあ、お腹すいた!」

「そうだね~。何か食べ物売ってないかなあ~」


 なんだろうこの、ジオの朴訥さ。謝らなくても許してもらえそうな雰囲気に、私は甘えていいのか。甘えよう。お願い、甘えさせて・・・。


 突然、ジオが立ち上がった! はうっ


 私はひっくり帰る!熊が激走を開始する!スカートがさっきと逆に全開!私の髪が地面スレスレになびく!女性を物のように扱うなコラ!腹筋が弱くて姿勢を戻せない私!うぎゃあああ!


 そのままジオは街中に突入して行った。朝食を求めて。


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