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神域の戦い 魔法は自由で美しいんだよ!

先に仕掛けたのはジーニースライムだった。

神話級炎熱魔法「インフラレッド」

神話級水流魔法「ノア」

神話級嵐風魔法「オーディン」

3つの神話級魔法を放った。リンクゲートは発動していない。する必要も無い。

神話級魔法は超広域殲滅型魔法。範囲内すべての物体に等しく死をもたらす。


インフラレッドによって無数の可視不能の赤外線を照射。自分でばら蒔いたスライムが何体も蒸発する。広間の温度と湿度が一気にサウナ状態になる。

オフィーリアは自分たちの包むように周りに水球を展開し赤外線を反射する。

ノアとオーディンの複合効果で大嵐と大波が襲いくる。さらに、生き残っていたスライムも一緒に流されてくる。水球は破られ………ない!

水球を回転させ、魔力を流し込み続けることで形を維持しつつ魔法を受け流す。スライムは無惨な粘液になり果てる。

オフィーリアが右手を突き出す。

「極光!」

右手から光が迸り、ジーニースライムに当たる。そして、光が当たった部分から穴が空き燃え上がる。

ただ、倒すには至らない。

「? オフィーリア先輩……今の何すか?」

「……私のオリジナル魔法。倒せると思ったんだけどな……。」頬をポリポリと人差し指で掻く。

身体を瞬時に修復しジーニースライムからさらに魔法が飛んでくる。


神話級雷撃魔法「トール」

神話級闇魔法「ネメシス・ゼロ」

神話級光魔法「セフィラムシャイニング」


「ケシズミニ ナレ!」

極大の雷が広場を支配し、視界は真っ白に染まる。しかし、水球を貫けない。腹に穴が空く。ジーニースライムの腹に。

マイクロブラックホールが出現する。しかし、何も吸い込むことなく消える。腕が吹っ飛ぶ。ジーニースライムの腕が。

光剣が乱立し、オフィーリアに向かうが、これも水球を破れない。足が蒸発する。ジーニースライムの足が。


「ピギッ!!! ナゼダ! コロセナイ!!

オマエ オカシイ!!」目を血走らせて疑問を呈すジーニースライム。時間を置いて傷が再生する。

「チェチーリア!良かったな!クビにならなそうだぞ!」ジーニースライムを無視してチェチーリアに笑顔を向ける。

「ピッギッ! ムシスルナ! オマエ コロス!」

「……お前じゃ無理だ!魔力を垂れ流しの魔法だからな!魔法は自由で美しいんだよ!」

「リカイ デキナイ! オマエ ナニ イッテル!」

「見たら解るだろ!」

オフィーリアは初級魔法「ファイアーボール」を放つ。放ったファイアーボールは普通のファイアーボールより小さい。直径3cm。異常に丸くて球そのものだ。さらに速い。時速1200km。マッハ1の速さでジーニースライムを貫いた。

小さな傷は再生しない!純粋に驚愕するジーニースライムとチェチーリア。

「初級魔法は別に弱い魔法じゃない。魔力の込め方や出力する魔力量、指向性、形態変化。ちょっとの工夫で威力も見た目も変えられるんだよ!」

次にオフィーリアは初級雷撃魔法「ボルト」を放つ。ボルトは指向性を付けられない範囲魔法だが、今放ったボルトはジーニースライムに鎖のように絡み付いた。そして、皮膚を焼いて抉った。この傷も再生されない。

「ピギッ!サイセイ デキナイ!!」

「傷口を私の魔力で永遠に焼いてるからだ!初級魔法にも効果を付加できる!今のは、魔力が尽きるまで同じ効果を与えるようにした!」

「ギギィィ!オマエガ シネバ トケルダロ!!」


神話級毒魔法「ニーズヘッグ」

神話級無魔法「円」


「クリアフィールド!円!」

猛毒の霧は一瞬で清浄され、オフィーリアは神話級魔法を使った……

ジーニースライムの円は消滅し、残ったオフィーリアの円がジーニースライムの右半身を消滅させる。


「オマエ ハ…… ナンダ……」

「? 私はオフィーリア!魔法使いだ!……お前も解ったか、魔法の自由で美しいところ……。」

「…………。」

無言だが魔力を高めるジーニースライム。左手のみに魔力が集まる。

「ニッ!解ったか!」

オフィーリアも魔力を高める。右手に魔力を集まる。


「オマエヲ タオス!!」

「来い!私が勝つ!!」

高まった魔力は常軌を逸している。正に神域の戦い。チェチーリアは初めて神話を目にした。


超級雷撃魔法「トールハンマー」

ジーニースライムは打ち込む雷撃を操作し、一点に超高温、超高速の金づち程度の大きさのトールハンマーを放った。神の雷は水球を打ち破りオフィーリアに着弾!轟音と烈火の高温、稲光り。

「オフィーリア先輩!」

チェチーリアの声はかき消される。


「お前の魔法すごいな!自由で美しいな!でも、まだ足りないな!」

轟音の中でもなぜか聞こえる声。

ジーニースライムは敗北を確信する。恐怖は失くなってる。ただ一つ、なぜか分からないが満足だった。


リボンが無くなり髪型が変わり、スカートの端が焦げている。ただそれだけだった。

右手に集めた魔力を解放する!

「極光!」

稲光りを吹き飛ばし、オーロラがジーニースライムに殺到する。先ほどとは違い、光が当たった場所からジーニースライムを消し去っていく。

程なくしてジーニースライムは完全に消滅した。

数瞬のできごとであったが、神域の戦いであり、オフィーリアが圧倒して勝利した。


美しい笑顔で自由で美しい魔法を使ってオフィーリアはジーニースライムを倒した。目の端にスカートの焦げが見えて、オフィーリアのテンションはどん底に落ちた。

「……私の可愛い服が……。」オフィーリアは泣いた……

チェチーリアは子どもな先輩をあやすのであった。

何とも言えない最後。されど世界は人知れず救われたのであった。

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