石じじいの話・金粉ショー(ロシア)
石じじいの話です。
じじいが朝鮮に住んでいた時に、ロシア人の知りあいから聞いた話です。
ロシアでも、砂金掘りが盛んでした。
一攫千金を狙ってたくさんの人がシベリアの山に入ったそうです。
そして、多くが帰ってこなかったと。
砂金がとれる地域は、ロシア各地にあるのですが、これは、イルクーツクの近くにあった地域での話だそうです。
そこでは、砂金のもととなる金鉱石は、黒色の泥岩のなかに含まれていました。
真っ黒な岩石を求めて、人々は沢の中を探し回ったのです。
人々は、まわりの森林をきりひらき、木を木材や燃料に使って、川沿いに家や採取施設を建てました。
砂金採取は、このように森林を伐採し山の植生を剥ぎとるので、自然破壊をもたらすのですが、相手は広大なシベリアです。
誰も、気にしませんでした。
このような厳しい労働にもかかわらず、砂金や金鉱脈を見つけることができる者は少数で、大多数の人たちは、ほとんど儲かりませんでした。
かえって、砂金採りにくる前よりも貧乏になることもあったそうです。
そうなると、そのまま、そこで盗賊になる者もいました。
しかし、金は見つけられないが、銅の鉱脈などを発見する人もいて、それはそれで金になったそうです。
さて、不思議な話です。
その地域では、たまに、「黄金人間」が出現したそうです。
それは、全身が金色に輝く裸体の人間でした。
「金粉ショー」です。
それが、昼夜かかわらず出現しました。
昼間に出現すると、全身が輝いてとても美しかったということです。
とくに害をなさないのですが、出会うと恐ろしい。
ここで、発想を転換する人たちが現れました。
「もし、やつが本物の黄金なら、それを、しとめると大金持ちになれるぞ!」
しかし、しとめようと銃で撃っても倒れませんでした。
弾丸は無力だったのです。
金属だから?
罠にもかからない。
人間なみの知能があるようでした。
出会ったときに、皆で組み敷いて捕まえようということになりました。
チャンス到来して襲いかかると、黄金人間に触れたものは、全員、昏倒して死んでしまったそうです。
あれは、「人々の黄金への妄執が生み出した幻影、または、妖怪だろう。」ということでした。




