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異世界転生幻想放浪記  作者: 灼熱の弱火 
兎と盾
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第49話 奇妙な2人組

49話です。 良かったら見てやってください。

「逃げるにゃ~!あんなの敵わないにゃ~!。」

「こら~!俺を置いていくな~俺が死んだらお前も殉死してしまうんだぞ~!。」

「ご主人様~それは酷いにゃ~!!。誰か助けてにゃ~!!。」

「お前のせいでこうなったんだろうがぁぁぁ!。」


 逃げては主人の回りを回り敵の注意を引きつけ、ギリギリの所でかわす。そして自分だけまた逃げさり注意を引きつけるという非常に高度なコント、もといコミカルな動きの猫の獣人が騒いでいた。

 彼の主人なんだろうか?小型でガッチリとした体格の褐色の人型はドワーフを見られる。珍しい組み合わせだ。



「・・・・えっと?助けます?」

 レミィは少し困惑気味で2人に問いかけた。勢いよく飛び出した彼女だったが、拍子抜けを喰らってしまったらしい。回避能力の高い猫獣人だけならこのまま逃げ切るだろう。しかし先程の会話から察するに、ドワーフが死ぬと強制的に殉死させられるという言葉を聞いてしまった。


 これは隷属契約で、奴隷が主人を殺めて逃げてしまわないようにする為の隷属魔法だ。

 犯罪奴隷で鉱山などに送られる奴隷は、ほぼこの魔法が掛けられている。そうでもしないと気性が荒い上に似た者同士がくっつき合い、暴動を起こして隷属魔法を解く為に魔法をかけた術師を殺してしまわない様にする為の措置である。


「そこの人達~助けてにゃ~~!お礼はご主人様が多分なんとかするから~。」

 猫の獣人はディード達を見つけて手を振り助けを求めた。しかし主人であるドワーフが

「バカ!俺等にそんな金が無いだろ?助けて貰って何も払えませんじゃ今度は俺まで奴隷になりかねんぞ!。」

「それでも生きていれば何とかなるにゃ~!死んだらそこで終わりにゃぁぁぁ。」

 2人の元気さにあっけにとらえる3人だったが、後ろの魔物が先程から猫の獣人に自分の攻撃が当たらないのが面白くないらしく、ドワーフの方に集中してきた。


「おわぁぁ~~!やっぱりそこの人達たすけてくれー!。」


 遂にドワーフが転んでしまい。魔物に追い付かれてしまいそうになった。


 3人は有無を言わさず助けに向かうべく飛び出す。しかし魔物はこれまでに見た事もない程の異形の魔物だった。 その姿は、全長が8メートルくらいはあり、幅2メートル、一本角の牛の頭で身体は蛇そしてその胴体から手が不揃いで飛び出していた。そしてその不揃いの手には、数本の武器が握られていた。その異形の魔物は、転んだドワーフを仕留めるべく剣を持った手が襲い掛かっていた。


「なんのぉぉぉ。」


 ぶつかり合う金属音。ドワーフは間一髪で自身の剣を取り出しなんとか一撃を防いでいた。

「ご主人様~なんとか頑張るにゃ~!ウチはまだ死にたくないにゃ~!。」

「だったら早よ助けんかい!。」

 ドワーフの言葉も尤もだが、猫の獣人は武器を持っておらず、その場を回り出すのみだった。




 そんなやり取りを横目に、一番早く辿り着いたのがレミィであった。彼女はドワーフを助けるべく、彼と鍔迫り合い(つばぜりあい)状態の魔物の手を斬り飛ばした。斬り飛ばされた手は宙を舞いドワーフの脇に落ちるがその後の光景に呆気にとられる。 切り落とされた腕は剣を握りしめたまま、まるでトカゲの尻尾の様に暴れまわっている。


「き、きもいにゃ~。」

「ララ!早くワシを起こせ。今の内じゃ!。」

「はいにゃ!。」

 ドワーフは猫の獣人に起こされ体制を立て直す。息も荒げに武器を持つがどこか様にならない。



 レミィは2人の無事を確認し、異形の魔物に集中する。彼女は【兎の盾(ラビットシールド)】を駆使し足場として展開、異形の魔物の背後に周り次々と腕を切り離して行った。切り離された腕は先程を同じ様に腕だけで動き回ろうとしてやがて力尽きて溶けだしていた。

 レミィは粗方腕を切り落とし即座に本体を攻撃する。だが先程までと打って変わり、本体はレミィの双剣だと傷はつけられるものの、深くまではダメージを与えることが出来ないでいた。


「ディードさん、本体は硬いです。私の武器じゃ通りません。」

「わかった!俺に足場を2つ作ってくれ。」

 ディードの声に反応しレミィは目の前に2段の【兎の盾】を展開する。それに飛び乗り、異形の魔物の頭上まで高く飛び込んだ。 異形の魔物は自分の頭上に飛んだディードに警戒し、その口から黒い液体を彼目掛けて吐き出す。 しかしそれは彼に届く事は無かった。 


「【石の壁(ストーンウォール)】!」 そう叫んだディードの目の前に彼と同じ背丈程の石の壁が出現する。それは異形の魔物から黒い液体を防ぎそのまま魔物頭上に落とされた。落とされたと同時にディードはアイテムボックスから取り出していた剣を取り出し、魔物の延髄に突き刺し全体重をかけ下にと向かった。

「ピギャーーーー!!!。」

 異形の魔物はたまらず声を張り上げていた。頭上から石の壁を落とされ、首から剣を突き刺されそのまま下へと捌かれるが如くに斬り裂かれている。そして彼を最大の脅威と感じ、傷つきながらも彼に噛みつこうとしていた。


「そうはいくかよ!【火球(ファイヤーボール)】。」

 噛みつかれる前に出されたのは火の玉で異形の魔物の口に直撃した。口の中は炎に焼かれ声も上げらずにもがき苦しみだす異形の魔物に対し、ディードは剣を手放し地に着き目の前の魔物に呪文を唱えていた。

「氷よ!我が手に集まり彼の物に牢獄を与えよ!。【氷獄(アイスプリズン)】」


 現れたのは氷で出来た牢屋で蛇の下半身部分を氷で閉ざしていた。口は燃え盛る炎、下半身は凍る牢獄と異形の魔物は良い様にディードの魔法の餌食となっていた。それらを脱出するべく身を前後左右に大きく振り回す魔物に、ディードはこう語った。


「余所見ばっかしていると、怖いお姉さんが飛んでくるぜ。」

「誰が怖いお姉さん・・・よ!。」


 リリアの横一線の剣筋が異形の魔物に通り抜けた。魔物は半分位のまで斬り裂かれてリリアは返しにもう一振り切りつけ下半身を切断した。魔物は悲鳴をあげつつもまだ生きている事を知りリリアはレミィに声をかける。

「レミィちゃん私の横に足場を!。」

「はい【兎の盾】。」

 即座にリリアの顔の横に展開された兎の盾に飛び乗り、リリアは異形の魔物に飛び掛かる。

「これで終わりなさい!【チャージ】!。」


 剣に仕込まれたギミックを発動させると、彼女の持つ剣の光る魔力幅が大きくなり彼女は魔物を斬り払う。異形の魔物は首と頭部と2つに切り分けられ命を絶たれる。 

 その一部始終を見ていた2人組は茫然としていた。


「す、すごいにゃ・・・・なんかこう・・・・凄すぎるにゃ・・・。兎の獣人が見た事ない魔法を使ってるのも、エルフの2人の魔法も剣も全部凄いにゃ・・・。」

「ああ、ワシらは助かったが夢を見ているのかもしれんなワシ等。」

「良かったらご主人様のほっぺ引っ掻くにゃ・・・・。」


 そう言うと猫の獣人ララは返事を待つことなく。主人であるドワーフの頬をツメを立ててガリっ!っと引っ掻いた。頬に赤く出来たその縦3本のツメの傷は今ララは付けた傷だ。見るからに痛そうな傷でありドワーフはすぐ声をあげると同時にララの頭部に拳を振り下ろす。 

 ララはそれを避ける事無くゲンコツをくらってしまい、その場でしゃがみ込むのであった。


「痛いわ馬鹿もん!。」

「こっちも痛いにゃ~・・・・。」



(何しているんだろあの人たち?。)


 ディードは不思議に思いながらも取りあえず近づいてみる事にした。

「おーい大丈夫かー?。」

「ありがとにゃ~。こっちはおかげで死なずにすんだにゃ~。」

「ああ、助かったありがとう。にしてもお主等は強いな。ワシ等は最近こっちに引っ越して来たばかりだからまだ有名なパーティーを知らんのでな。良かったらきかせてくれるかのぅ。」


「いや、ウチ等もこのパーティーになってからまだ、一月も経ってないんだ。名前は≪虹の翼≫だ。そして俺はディード。後ろにいる2人、兎の獣人の子がレミィ、その後ろがリリアだよろしくね。」


「そ、そうかお主等が余りにも強かったらからてっきり有名どころのメンバーだと思ったんじゃが、兎に角助かった礼を言う。ワシはジロエモン、こっちはララじゃ。まだ海洋都市から来てまだ日が浅くての「え?刀?。」「なんじゃと!。」



ディードはジロエモンの腰についていた獲物を見ていた。その形は浅い曲線の朱色の鞘で鍔には独特の模様が施されており、柄には持ちやすいよう、滑りづらいように1本の太めの糸を巻き付け均一な模様を施されていた。 それを見たディードは思いも寄らなかった意外な出会いに対し、思っていた言葉を無意識に口にしていた。



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