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異世界転生幻想放浪記  作者: 灼熱の弱火 
旅立ちの歌
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第5話 場所

5話目です。 よかったら見てやってください。

「なんでぇ・・」 うずくまるディードに対し、少女は我に返る、恐る恐る近づき問いかける。

「あ、貴方魅了されてないの?」 「何がだ?」 「え?・・あ、ご、ごめんなさい!!」「ガァッ!」

 

 勢いよく頭を下げた少女は、ディードの後頭部に頭突きをする形になり再び、ディードに衝撃が走る。さらに運悪く地面にも打ち付けられる状態。一方少女の方は、鼻を抑えて蹲っていた。

 助けたのに、戦闘よりもダメージが出た理不尽な一連。怒るわけにもいかず、痛みに堪えるディード。



「何やっとるんじゃ?お主等?。新しい遊びか?」 「んな訳ないでしょ・・・」

 呆れた顔で近づくドルガに、鼻、後頭部をさすりながらようやく頭を起こしたディード、少女の方もようやく落ち着きを取り戻し、ぺたん座りをしつつ再度問いかけてくる。


「本当に魅了されてないんですか?」「魅了される前に理不尽な攻撃を喰らったから正気なのかな?」「ご、ごめんなさい。」「取りあえず、これでも飲んで落ち着いて。それから少し話を聞く。」 


 ディードは目の前で【アイテムボックス】から木の筒で出来た水筒を取り出し、少女に渡す。

 少女は恐る恐るながらも蓋を空け、水筒の水を飲みだす、余程喉が渇いていたのか、一口飲みだすと一気に飲みだす。ほぼ垂直に水筒は持ち上げられ飲み尽くされようとしてる。その時少女の外套が外れ、少女の顔や髪、全体が分かった、髪の色は金色、耳は縦長、瞳は蒼色、両耳の後ろ辺りから白線のようなメッシュ髪が少し目立つ、顔立ちは綺麗の一言だ。十人中十人は美人と答えてくれるだろう。

 


唇から零れ落ちた水滴が頬を伝わり顎、喉へと落ちていく。その様は、一種の芸術とも美とも思える艶姿であった。だがその少女の鎖骨辺りに視線を落とすと、黒く外皮の様な鎖骨が見える。人やエルフ族に無い特徴の様だった。


 少女が一気に水を飲み終える。やがて、一息ついてからポツポツ話始める。

「ふう、お水ありがとう。私の名前はリリア、危ないとこを助けてくれてありがとうございました。」

「俺は、ディード、後ろにいるのはドルガだ、まずは、そうだな・・・魅了について聞きたいんだがいいかい?」


「魅了についてですが、ある()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ようです。今の所、魔物はほぼかかっていました。」

 リリアがそう伝えると彼女が悔しそうに視線を落とす。察するに危ない目にあったのか、もしくは・・・・  

「で、俺たちにもかかる可能性があったと・・・?」 

「はい・・・もしそうなれば、激しく抵抗、もしくは命の取り合いになってたかもです。」


 まぁ当然であろうなと、ドルガが呟く。勿論反論はない、無差別に好かれ、劣情されれば嫌にもなるし、力の限り抵抗もする。ましてや魔物なんてもっての外だろう、次から次へと押し寄せてきたら、キリがないうえに、死ぬまで相手にされかねない。 

 屈辱に屈辱を重ねられ凌辱されならが死を迎えるという、最悪のシナリオは避けられたと思う。


「解除方法は?」「()()()()()()()、そこまで重くないはず。街で教会で浄化魔法を使ってもらえれ・・・あ・・・街・・入れるのかな・・・・あたし」 さらに視線を落とすリリア、街に入る前に、魅了の魔法が効いていれば入る訳にも行かない。もし魅了が効いてしまったら、それこそ無差別テロに近い状態になる、さすがにかわいそうに思えてきた。 よし、先ほどの理不尽な攻撃は許しておこう。 そしてドルガが問いかける。


「魅了の方はと言ったな。他にも何かあるのか?嬢ちゃん?」 ドルガの問いかけに対し、さらに視線を落とすリリア。悔しさのあまりか、身体が震えだし、自分の服を握りしめている。

 やがて、意を決したように、呟くように、絞り出すような声で話だす。

「私、魔法を封印されたんです。全ての魔法が使えなくなりました。得意な炎魔法も全部、・・・全部・・・しかも、兄弟に多重封印をかけられました。」 

 涙声で語るリリア、沈痛で重い空気が数分流れる、ディードもどう声をかけていいかわからない。こんな時、前世の記憶で前例があればと思うが、そこまでハードな≪前世≫(じんせい)を送ってきた訳ではない。

 やがでドルガが少女の折れた剣を手に取り話だす。

「なるほどな、その様子じゃ家にも戻るわけにも行かずって訳だな。それにしても、この剣、もしかして≪魔力剣(ルーンブレイド)≫か、それも戦利品(ドロップ)だな。だいぶ深い所まで行ってたのか。信じがたいのぅ。」「私、嘘なんか付いてません!」 ドルガの問いかけに、涙声で反論するリリアだがドルガの冷静な判断は揺るがなかった。


「じゃがな嬢ちゃん、ここにはこんな魔武器が取れるダンジョンなんて無いんじゃ。それに、封印されたのはいいとして、どうやってこんな辺境までこれたんじゃ?」「・・・そ・それは・・」

 ドルガの問いかけに言葉が詰まるリリア、どうやらリリア自身、自分の状況を理解しきれていないようだった。 


「信じてもらえないかもしれないですが、後ろめたい事はしていません。その剣は、レイス山脈のダンジョンの中層で、吸精騎士(ドレインナイト)から勝ち取りました。その後、兄弟に封印をかけられ、隙を見て逃げてきたのですが、洞窟内で()()が起きて、気を取られ小さな()()()のトラップを踏んでしまい。ここに飛ばされたんです。嘘じゃないんです。信じてください。」

 リリアは少しムキになっているのであろうか、地面に両手を何度も叩き、抗議している。

 その仕草が少し可愛く思ったが、嫌な単語が聞き取れた。地震に光の渦・・・


「なら嬢ちゃん、いつの話だ?」 

「2日前の話です。飛ばされてからここまで魔物に追われ続けてました。」 

「無理がある。嬢ちゃん、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()場所だ。」


「・・・・・え・・・?」 唖然とするリリス、疑うドルガ、他の事に気を取られているディード。



「なんで、あたしはここにいるんですか?」  「「・・知らんがな・・」」



最後まで見てくださってありがとうございます。


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