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ネットワーク・インベイジョン  作者: Zassouyorifumetsu
第1章 俺が死んで、最強の騎士は立ち上がる。
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第4話 アンノウンと配下

俺は跪いている騎士たちに向かい宣言する。


”俺は人間だ。

俺に味方するのなら、これ以上、人間に危害を加えないでほしい。”


そんな俺の言葉に対し、


”分かりました。

今をもって、我々は人類に対しての攻撃を止めることを宣誓します”


騎士側からそう返答してきた。


戦場を改めて確認すると、

半壊した3両の戦車から搭乗員であろう人が顔を出している。


もはや反撃はできず、騎士たちからの攻撃が止まったため、

外の状況を確認しようとしているのだろう。


「ああ、あああ、

 うん?この機体、人間と会話できるようになっているんだな。」


大音量で発せられるデカブツからの声。

それは俺の意志で発せられたものだった。


問答無用で襲いかかってくるオーダーの無人戦闘群だったが、

まさかこの機体は人類側との会話を想定して作られたのか?


そんな疑問を抱く俺に、


”いえ、この音声は当機に内蔵された高周波発生器により、

疑似的に再現されたものです。”


え、突然の声ならぬ声に驚く俺。


「誰だ!」


”落ち着いて下さい。

私は当機に備えられた戦術AIです。”


「はああ!なんでそんなものが!」


そう声に出す俺に、


”貴方の侵入により当機に備わった意志決定に関わる統括AIが消滅。

現在は貴方が当機の意志決定における最上位者です。”


”私は貴方の意志決定に従います。

また当機の安定的活動を支援いたします。”


AIの声はそう答えてくる。


何なんだ、、


俺が困惑していると、


”秋芝さん!!

大丈夫ですか?”


そんな柊木さんからの通信が入る。


そう言えば、あれから彼女と話していなかった。


「こっちは無事だぞ。

 ただ、状況が状況でなあ。

 オーダー騎士団のデカブツに入り込んでしまった。」


と答える俺。


”ええと、あの未確認の大型機ですか?”


「そっちには見えてないのか?」


と俺が聞き返すと、

どうやら今は音声だけが伝わっているらしい


”通信を補助いたします。”


と例のAIの声が入って来た。


その声により向こうにも映像が繋がったらしい。


”わあ、騎士が礼をするなんて!

一体どういう状況なんですか?”


柊木さんの質問に、


”当機はオーダー傘下の騎士の中で最上位に当たる「ルーラー」級ユニットです。

本機には指揮系統の最上位優先権が付与されています。

今をもって当機に属する全てのユニットは「ルーラー・アキシバ」に従います。”


俺の返答前にAIが割り込んで答えた。


”はあ、、ルーラーですか??

すみません、私は医学系の技術専門なので、軍事関係は専門外なんです。

それより戦闘は終了したんですね。”


”なら、正規軍の防衛部隊にこの結果を伝えた貰えませんか?

私の方からも外へ連絡しますので。”


という柊木さんの言葉に、俺も外の状況に目をやる。


そう言えば、この状況について正規軍の部隊に伝えてなかったな、、


「ああ、そこの正規軍の兵士諸君。

 俺は人類側の秘密計画により、送り込まれた者だ。

 諸君から見えているオーダー騎士団の兵力は俺が掌握した。

 現時点をもって、戦闘は終結した。」


「なお、この騎士団の戦力は人類側に味方する者である。

 こちらからも攻撃はしないので、攻撃を加えないでほしい。」


大音量でデカブツから発せられた宣言。


防衛部隊が本気で信じるかどうかは別だが、

主戦力の戦車や車両部隊はほぼ全滅、

もうどんなに頑張っても防衛部隊に反撃の術はないだろう。


そして、不意に俺の意識は現実から遠のいていった。



ーーーーー



ふと目を覚ますと、目の前に移るのはどこかの医務室のようだった。


周りを確認しようとしたが、視線の移動が上手くいかない。


だが、どうやら身に覚えがあるところだった。


そう、初めて柊木さんと顔を合わせたあの一室のようだ。


照明が明るく照らしているが、見える限り室内には窓などはない。


しばらくすると、自動ドアが開く音がして、


「ああ、目が覚めたんですね!

 もう1週間は意識がなかったんですよ!」


”心配しました!”


とこちらを気遣う女性の声が聞こえてきた。


私の視界に声の主が入ってきて、顔を合わせることになる。


柊木さんは、顔に疲れが色濃く滲んでいる。


「俺は気絶したのか?

 あれからどうなった?」


うん?以前の電子音声のような声ではなく、

元の俺の声に近い声が出ている。


まあ声は自分が聞いているのと他人が聞いているのとでは、

異なる印象があるからな。


それより、


「あのロボたちはどうした?」


と聞いてみたら、


柊木さんからの返答は、


「あの後、騎士の勢力は総員が集結し、

 あの特殊機体のAIと私の相談の元、

 ブロードランバー前に野営してもらっています。」


ということだった。


何でも、あの騎士たちの他に、

メンテナンス車両や弾薬、燃料等の補給車両も後方にいたらしい。


彼らは移動基地のような設備を車両により運んでいた。


そして、後方には更なる予備戦力も控えていた。


戦闘終了時、それらは俺が乗っ取ったあのデカブツと共に、

人類側へと勢力を移した。


内訳だが、


「主戦力として、対装甲用”鉄槌” 

 彼らによる正式名称は”ストライカー”が27体。

 

 対歩兵戦用の”百叩き”

 正式名称”シャワーヘッド”37体。

 

 自律型特攻用、軽騎兵”キャバリエ”

 これはそのままの名称で、12体。

 

 後、騎士としては未確認だった”カタパルター”2体。

 これは人類が戦場で使えなくなった巡航ミサイル発射用の機体でした。

 かなりの破壊力がある大型ミサイルを運用しているようで。

 こちら風に言えば投石器隊とでも言うのでしょうね。


 後は各種の無人戦闘車両群や偵察ドローンなどですね。

 空戦空爆用のVTOL無人戦闘機5機もいたのには驚きました。


 その後は機体修理、メンテナンス、弾薬等の補給車両部隊。

 全部展開するとちょっとした移動基地になる代物です。


 現在野営地で運用しています。」


「あとはあの秋柴さんが乗っ取ったアンノウンですが、

 詳細は今も不明です。」


え、その言葉にちょっと驚いて俺は聞き返すと、


「残念ながら目撃例のない代物で、

 もしかしたら、沈黙したアメリカで活動していた新機体なのかも?」


その後、アメリカが陥落したことを聞いた俺。


「陥落というか、侵入された演算施設群ごと無人戦闘群を、

 処理したということでしょう。

 強力な電磁パルスは、

 無人機の内部回路をショートさせたはずですから。

 特例を除いて、人的被害は軽いものでしょう。

 まあ通信機器も電力施設も使えなくなったため、

 事実上の連絡不能と至ったというのが現実のはずです。」


そして、更に柊木さんが難しい顔してアンノウンの解析結果を伝えてきた。


「結論として、機体に使われている技術は、

 既存のものとは大きく異なるという結果です。

 装甲などの素材すら私達が知る物ではなかったようです。」


「本体の調査は現状の設備では無理でした。

 あと武装も120mm火砲とかじゃなかったです。」


彼女は専門外だからと口を凹ませながら説明してくれた。


それによると、あの大型ライフルはとんでもないものだったらしい。


その事実は、野営用の仮基地が敷設された頃、

大型ライフルの弾を補給した時だった。


補給物資の目録とかを例のAIが読み上げたらしい。


柊木さんは計画の責任者として成果を確認するため、

研究所の技術者ととも同行していて、それを聞いた。


聞いてしまったのだ!


それはAIなりに人間との会話を試みた瞬間でもあったのだが、

問題はただの弾丸だと思っていたのに、

名称が厳ついSF兵器のようなものだったことから始まった。


アンノウンのライフルに込められた弾丸の名称は、

クラッシュプラズマ・パレット。


どう読んでも、エネルギー兵器に付ける名称だった。


それが何なのかをAIに尋ねたのは同行していた技術者だった。


技術者たちはどんな原理なのかもその場で一字一句聞いたところで、

実際の解析を始めた。


補給用の予備の銃弾というか、砲弾を検証したところ、

射撃時、高速度で敵へと飛翔、命中後、対象の装甲と衝突。


120mm砲だとこの後、貫徹するために色々な反応が出るのだが、

アンノウンの放つ砲弾は装甲との衝突で突破できない場合、

砲弾内部で高圧力による核反応を起こすらしい。


所謂核爆弾ではないので、放射線の心配はないとの事だが、

その反応により砲弾内部に発生した超高熱でプラズマが発生するのだとか。


つまり、装甲の突破が不可能な場合、

砲弾は中心から順に構成物質がプラズマ化していくのだ。


その時、発生する熱は1万度から1億度という膨大なものとなる。


事実上この砲弾を止める装甲は存在しないのだそうだ。


というか、各シェルターの厚く強固な壁面すら破壊するそうだ。


SFにビーム砲とか出てくるが、

実際のところ、現時点では実用化は不可能だった。


というか、アレは地球上では実用性がない。


撃つと砲身やその周囲が超高温で焼き尽くされるような兵器である。


敵の前に味方がやられる。


だが、今回見つかったこのライフルはそれを実用レベルにしたものだった。


要するに、砲弾として持ち歩き、ライフルで発射すると、

目標内部でプラズマが発生するという感じだ。


発射速度もライフルに使われた未知の金属からすると、

通常の火砲など及びもつかない速度だそうだ。


ちなみに砲弾のほうは一発分解体してみたらしいが、

今のところ、とても安定していて誤爆の可能性は少ないらしい。


材質は不明だが、純粋水爆に近い反応なので、

何となくは解明できるかもしれない。


まあ通常使用の砲弾に超希少物質とか使わないだろう。


そして、謎の剣みたいな武器だが、


「全く分かりませんでした。

 敢えて言うなら、何かの電磁場とか発生するのかな?

 ということでした。」


そんな答えを彼女は返してくる。


機体も武装も使われている素材さえ分からないという、

アンノウンはまさに未知すぎる存在だった。

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