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ネットワーク・インベイジョン  作者: Zassouyorifumetsu
第1章 俺が死んで、最強の騎士は立ち上がる。
2/5

第1話 蘇生

「、、、、、チェック。、、ター、、、

 インターフェ、、、、感度、、クリア。」


「テス、、、、オール、、リン、、、」


何の声だ?

俺は一体、、


「チェック、脳内リンクに異常は有りません。

 システム、オールグリーン。

 神経ネットワーク接続終了。

 彼にはもう聞こえています、柊木主任。」


なんだ、この電子音声は?

AIか?


「こんにちは、秋芝さん。」


どこからか、俺の名前を呼ぶ声が聞こえる?


「聞こえますか?」


聞いた覚えのない女性の声だ。


俺は返事をしようとしたが、声が出ない。


目も開けず、周囲を見ることもできない、、


身体が、、


なぜ、、、


「ああ、発声用の機器がオフにしたままでした。

 あとは、頭脳モジュールのリンクを起動してください。」


そう女性の声が聞こえると同時に、目の前に光が差し込んだ。


「なんだ、、

 ああ、声が出せる!!」


その声を聴いた俺は、違和感を覚えた。


おかしい、、これは俺の声ではない。


AIが使う電子音声のようだ。


「ええと、初めまして。

 私は「メサイア」計画のチームリーダー、柊木 れな です。」


「貴方の名は、秋芝 総 さんで間違いないですね。」


再び年若い女性の声が、俺に尋ねてくる。


俺は口を開こうとして、


「そうだ。」


その考えを読み取ったかのように、電子音声が答える。


なぜ、、、


「なぜだ、この声はなんだ、、」


俺の考えを見通すように、その電子音声は発せられている。


「ああ、慣れないですよね。

 どうやら、モジュール自体は正常に稼働しているようです。」


「声がする方を見ようとしてください。」


そんな指示をしてくる女性、誰なのか確かめようと、、


あれ、目を開いた感覚はないのに、映像が頭に入ってきた。


なんだこれは、、


「まだ調整不足ですか?

 リンクの調整をお願いします。

 ウリボウ、、」


ウリボウ??


「私はウリボウではありません。

 先進技術情報処理オブザーバー、ウネメリスです。」


AIなのか?そんな俺のものとは違う電子音声が答えている。


「早く!」


せっつく柊木と名乗る女性。


「分かりました。

 調整中、視神経リンクの最適化、脊椎反応に対するリンクを調整。

 、、、終わりました。」


その答えを聞いた柊木さんは、再び俺に、


「こちらを向いていただけますか?」


そう言ってくる。


すると、違和感なく声のする方向を見ることが出来た。


そこには肩くらいまでの黒髪と大きな眼鏡を掛けた、

整った顔立ちの女性がいた。


全身を見ようとしたが、今は顔と肩くらいまでしか確認できない。


そんな事を、、


「へえ、結構な美人さんだなぁ。」


またしても考えを読んだように、電子音声が発せられる。


その言葉を聞いた柊木さんは、少しびっくりした表情をして、


「冗談はやめてください!」


と慌てている。


一体これは??


「そうですね、美人ですよね、ドクター柊木は。」


そこにAIの電子音声が追い打ちする。


「もう遊んでないで!ウリボウ。」


そんな声を上げる彼女に対し、AIウリボウは、


「貴女が私をウリボウと呼ぶのを止めるまでは続けます。」


少し反抗的に答えている。


AI端末は彼女の右側にあるらしく、今の俺では確認できない。


「秋芝さん、今から言うことを気持ちを落ち着けて聞いて下さい。

 貴方は東京港湾部に建設された、

 演算処理施設タイラントフロート防衛線において、

 正規軍の撤退を援護任務中に重症を負いました。」


はあ、、

そう言えば、


「貴方はオーダー騎士団の重装騎士による銃撃により、

 身体に5発以上の銃弾を受け、再生不可能なダメージを負いました。

 貴方の身体を回収したのは、

 当時新人だったオペレーターの早瀬という方です。」


柊木さんの口調は俺に動揺を与えないようにか、

淡々としたものだった。


「貴方は一時期、危険な状態となりましたが、

 一命をとりとめ、植物状態ではありますが生き延びました。」


「しかし、回復の手段はなく、

 私の研究室へとその身体は持ち込まれました。」


「私の研究には脳とコンピュータを繋ぎ、

 機器により直接会話を交わせるようにする技術があります。」


「今は脳内の活動や神経ネットワークに機器を繋ぎ、

 ウリボウによる情報調整を経て、会話が可能となっています。」


「ただ現状から先の回復手段はありません。」


は、、おれは一生このまま、、

 「おれは一生このまま、、」 電子音声が続ける。


「貴方の身体は再生不能なまでの損傷を受けていました。

 現在の人類が持つ科学ではこれ以上の復活は見込めません。」


そう淡々と語る彼女は真剣な目をこちらに向けてきた。


「ただひとつだけ、、

 たったひとつだけチャンスがあります。」


「今の私達では、貴方の身体を用意できません。

 しかし、オーダーなら、、

 彼らは高度なロボット技術を持ち、実際に運用しています。」


「私達の計画は、当初の予定では実際の戦力を使わず、

 ネット内での反撃を試みるものでした。

 彼らはAIであるため、本体となるものは情報の海にあります。

 そこで私達は新たな攻勢AIによる反撃を試みました。」


真剣な顔の柊木さんは少し疲れたように語る。


「しかし、現状、人類側が使える演算リソースでは、

 彼らを、オーダーを超えられませんでした。

 そんな中、始動したのがプロジェクト「メサイア」です。」


「この計画は人の意志をネット上に組み込み、

 人の無限の可能性にて、システムを圧倒しようという計画です。」


「人の脳領域は、今持ってなお機械型の演算機器をはるかに超えています。

 量子コンピュータの研究が頓挫した今、生命の持つ、人の持つ脳の力は、

 今、人類の希望と言えます。」


そして、彼女は最後の手段だと言って、その先を続けた。


「秋芝さん、貴方の脳をネットに繋げます。

 そして、オーダー側の差し向けるAI群に抗ってください。」


「これにより、人類は再びネットワーク領域に進出し、

 オーダーの技術や支配下にある設備を奪うことができます。」


「秋芝さんには世界規模の演算リソースが襲いかかる可能性がありますが、

 貴方自身にもメリットがあります。

 それはオーダーの持つ騎士団の機体、そう騎士を乗っ取ることで、

 貴方が物理的に動かせる身体を手に入れられます。」


「重症を負った貴方の身体を復活させることはできませんが、

 この設備にあるシステムを使い、

 疑似的に騎士の身体を動かせるようにはできます。」


「秋芝さん、どうかこの提案を受けてもらえませんか?」


どこか暗い表情を浮かべながらも必死な彼女を見て、

俺は思う。


「俺は高いぜ!」 電子音声がその時、そう呟いた。


ち、ちくしょう、脳内のすべてが明るみになるのかこの機器は!!



 

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