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「私はパーシーを回収する。10分経って戻らなければそのまま撤退しろ」
この決断を私は今も夢にみる。
その時の私は、全くもって冷静ではなかった。一種の正義感だったのかもしれない。ただパーシーを回収するだけでなく、ゲリラも掃討する、そんな考えが頭の隅にあった。
ゲリラを掃討するのは、非常に容易であった。装備が十分とはいえ、正式な訓練などほとんど受けていなかった。そのこともあって、次々と倒れていく敵に全能感を覚えた。最後の1人の手に握られたパーシーのドッグタグを見るまでは。
私は血の気が引いた。全力で離脱用の航空機へ向かうと、そこには飛び散った肉片と残骸、炎があった。
それから私は、とにかくマダガスカルから離脱しようとした。火の海になる空港に焼かれる部下たちに背を向けながら。
その後、記者は海路で南アフリカへ、メガ・チャーチルの実験は暴露された。
私は軍を離れ、こうして胃痛に悩まされている。
メガ・チャーチル起動まで残り20分
古い蛍光灯が室内を淡白に照らす作戦室で、ウィングストンはブランデーをあおっていた。少しばかり酔っていたが、手の震えは止まらず、その目はこれからくるであろう終焉までの時間を数えていた。彼がここまで恐怖を感じているのには、彼が今まで生き延びてしまったことにある。
公式に暴露されたメガ・チャーチルの実験データでは、その犠牲者が107人とされている。だが、その志願者が108人であったことを知る者は、ほとんどいない。
ウィングストンは、これからのことについて考えていた。自分に残された選択肢は二つ。勝って社会的な死を迎えるか、負けて死ぬかだ。メガ・チャーチルを起動した時点で、その責任は取らざるを得ない。また、負ければ文字通り死ぬ。
廊下から足音が聞こえた。ウィングストンは、ブランデーの瓶とグラスを机にしまった。するとノックと共にドアが開かれ、部下から報告を受けた。
「ブレスト、堕ちました」
ウィングストンは部下に目をやり立ち上がると、無言で作戦室を出た。
メガ・チャーチル起動まで残り15分




