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[完結保証]規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜  作者: 西園寺
帝国の招待

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第139話 獣王の娘

アジス獣王国。


広大な草原の中央に築かれた獣王都。


巨大な城門。


力強い石壁。


獣人たちの活気ある声。


ここは戦士たちの国だった。



帝都を出発して数日。


テジナは久しぶりに故郷へ帰ってきた。


城門を潜るなり。


見知った獣人たちが声を上げる。


「テジナ様だ!」


「帰ってきたぞ!」


「おかえりなさい!」


テジナは少しだけ笑った。


「ただいま」


短い言葉だった。


だが周囲は嬉しそうだった。



獣王城。


謁見の間。


玉座に座るのはアジス獣王国国王。


獣王ガルド。


二メートルを超える巨体。


獅子のような金色の髪。


鋭い黄金の瞳。


王国最強の戦士だった。


その前にテジナが立つ。



ガルドは娘を見る。


そして。


開口一番。


「勝ったか?」


テジナは即答した。


「負けた」


謁見の間が静まる。


だが。


ガルドは豪快に笑った。


「そうか!」


大声が響く。


周囲の側近たちは慣れている。



「誰に負けた」


「エルシア」


「納得だな」


即答だった。


テジナが少し不満そうな顔をする。


「なんでよ」


「お前より賢い」


「失礼ね」


「事実だ」



再び笑いが起こる。


父娘らしい会話だった。


やがて。


ガルドが真面目な顔になる。


「それで」


「帝国はどうだった」


テジナも表情を変えた。



「強かった」


一言。


だが重い。


ガルドは黙って聞く。


「軍も強い」


「騎士も強い」


「将軍も強い」


「四公爵も強い」


一拍。


「アルトも強い」



ガルドの眉が少し動く。


テジナは戦士だ。


強さには厳しい。


その娘がここまで言う。


それだけで価値がある。



「どれくらいだ」


ガルドが問う。


テジナは少し考えた。


そして答える。


「勝てる気がしない」


謁見の間が静まった。



獣王ですら少し驚く。


テジナは王国最強クラス。


そんな娘が。


そう言う。



「皇帝か?」


「違う」


「四公爵か?」


「違う」


ガルドの目が細くなる。



テジナは真っ直ぐ言った。


「アルト」


沈黙。



十六歳。


皇太子。


それだけ聞けば少年だ。


だが。


テジナは本気だった。


「今の私じゃ勝てない」


「たぶん十年後でも無理」


「二十年後ならもっと無理」



ガルドは腕を組む。


そして理解した。


帝国が恐れられる理由。


皇帝だけではない。


次の世代も完成している。



「なるほどな」


獣王は笑った。


「そりゃ帝国は強い」



やがて話は本題へ移る。


帝国からの提案。


帝国大使。


侯爵級魔力。


帝国との軍事協力。



ガルドは資料を読む。


しばらく沈黙。


そして。


娘を見る。


「お前はどうしたい」



テジナは迷わなかった。


「帝国へ行く」


即答だった。



「理由は」


「面白そうだから」


謁見の間が静まる。



ガルドが頭を抱える。


側近も頭を抱える。


だが。


テジナは続けた。


「それだけじゃない」



珍しく真面目な顔。


「帝国は強い」


「だから学べる」


「アジス獣王国も強くなれる」



獣王が静かに聞いている。



「私は大使になる」


「帝国と獣王国を繋ぐ」


「それが一番面白い」


最後だけ本音だった。



ガルドは数秒沈黙した。


そして。


豪快に笑う。


「好きにしろ!」


大声が響く。



「お前は元々そういう奴だ!」


「でしょ?」


「褒めてない!」



謁見の間に笑いが広がる。



こうして。


テジナは決断した。


帝国大使になる。


候補者としてではない。


アジス獣王国代表として。


帝国と獣王国を繋ぐ者として。



その夜。


獣王城のバルコニー。


テジナは夜空を見上げていた。


帝都での日々。


選抜。


アルト。


エルシア。


思い出す。



そして小さく笑った。


「また会えるわね」


帝都は遠い。


だが。


今度は客ではない。


帝国大使として向かう。


新しい道が始まろうとしていた。


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