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11.SF考察に四苦八苦しました、ほか(20,21話)

【第20話「華やか哉」を書いてみました】

【すんなり書けました】

 第20話、第21話では、プレイヤー姉の友人4人が遊びに来て、一時的にショウたちの旅に加わります。これはメインプロットレベルで入れることを予定していたエピソードなのですが、決まっていたのは以下の3つだけ。

 ・友達が遊びに来る

 ・プレイヤーが月裏にいることを描写する

 ・初めてプレイヤーキャラのHPがゼロになり、復活する

 それでも面白いように筆が進み、次々と書いていけました。友人4人の目的は、短期間に目一杯ゲームを遊ぶこと。動機が単純なためか、生き生きと動き回ってくれました。



【AIオートパイロットを一捻りしました】

 宇宙人プレイヤーが操作しているロボットは、ログオフ後の行動をAIに任せることができます。第20話冒頭、プレイヤー姉はリアルの友達を迎えに行くために、まだショウとともに移動している最中にログオフを行います。AIは高度な成りすましができるのですが、ここで一仕掛け仕込むことにしました。プレイヤー姉がAIの行動を上品に振る舞うよう修正しているために、AIに切り替わると別人のようになる、としたのです。

 この設定はこのくだりを書いているときに思いついて、面白そうだと採用しただけです。これが後のいくつかの場面で、効果的な演出に使えるとは思いもしませんでした。


 書いている最中に設定を思いついた事例はこれまでも挙げてきましたが、できれば事前に考えておきたいものです。どうすればできるのでしょう? 途中で設定が変わったように見える連載マンガは、よく見かけます。人気が落ちてのテコ入れのケースもあるのでしょうが、事前に全ての設定を固めるのは相当に難しいのでしょうね。



【4人の書き分けは諦めました】

 遊びに来る友人は、女子4人です。このエピソードはできるだけ賑やかにしたいと思い、人数を欲張りました。欲張りすぎました。この4人のキャラの書き分けは、困難を極めることになります。1人だけ長舌キャラにしてみたのですが、長いだけの、なんとも冴えない台詞回しに終わってしまいます。「無理にでも性格を設定して特徴を出そう。そうしないと、いつまでも書けるようにはならない」とも思いましたが、ここは多人数の活動を書ききるだけでも1つの成果だと、最終的には割り切りました。



【作品タイトルを作中に登場させました】

 この第20話になってやっと、小説タイトルの「ファンタジー・ワールド・オンプラネット」が、テーマパークの名前であることが明かされます。

 ある作品のタイトルが意味不明で、作中でサラッと意味が紹介される、というパターンはよくありますが、私はこういった演出が大好きです。「FWO」は特にひねりのないタイトルですが、そうした演出の真似事ができて満足しています。

 なおこの名称のうち、「オンプラネット」については、「オン・プラネット」と語を分けるかどうか迷いました。後者のほうが読者がタイトルを一瞥したときに、その意味合いを把握しやすいはずです。ただ後者だと略称は「FWP」になるのだと思いますが、アルファベットの並びの印象上、「FWO」になるようにしたく、「オンプラネット」にしました。



【第21話「2泊3日」を書いてみました】

【別れの挨拶を考えてみました】

 第21話で、女子4人がショウに別れの挨拶をします。ここで1つだけ、宇宙に広がる大文明らしいなと感じられる挨拶を、さり気なく挟み込みたいと思いました。さんざん考えた挙げ句、出てきた挨拶は当たり障りのないものでしたが。

 こういうところに光る一文を書けたら、作品のクオリティーがぐんと増すのだろうなと思います。道のりは長そうです。



【SF考察に四苦八苦しました】

 女子4人は宇宙客船で移動してきて月に降り立ちます。その移動方法については何度も書き直しました。

 最初は、宇宙客船そのものが月面に降下する、というもの。これは発着する星の重力や大気が異なるだろうから、技術的に可能でもコスト的に不合理に感じました。作中には登場しませんが、設定上は水中文明や土中文明もあるのです。

 次に、宇宙船からランチ艇が出入りする、というもの。ランチ艇が救命ボートにもなるし良いかなと思いましたが、船内に別の宇宙船を格納するというのはデッドスペースが大きくなるように思われ、やはり不合理な気がしました。

 最後は、宇宙船は月上空の係留ステーションに停まり、ランチ艇はこのステーションと月面を行き来する、というもの。これなら各施設や船舶が単機能に集約されて現実味があるかなと思い、この方式に落ち着きました。


 あと細かいですが、ランチ艇が出すロケットの炎、当初は盛大に出させていたのですが、最終稿ではほんのり灯るだけにしました。とあるネット記事で、最効率のロケットの炎は見えなくなるはず、という専門家の解説をみかけ、でも見えないのは味気ないので、少しだけ付けるようにしました。


 以上の考証が妥当かどうかはわかりません。銀河連邦を成立させるような超科学文明なら、技術的には乗客をテレポート転送することだってできるでしょう。本作品のSF設定はなんちゃってレベルなものですが、それでも気にかけると気になることが次々出てきて、考えるのが楽しかったり、煩わしかったりしました。



 第20話と第21話はとても楽しく書けました。そしてそれが故に、このあと思いもかけない事態を招くことになります。

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