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10.幕間回を書く楽しさを垣間見ました、ほか(16~19話)

【第16話「襲撃」を書いてみました】

【怪人を登場させてみました】

 第16話では怪人が登場します。これは他の宇宙人プレイヤーが演じているものです。

 この回のエピソードを発想したきっかけは、以下の3つ。

 ・怪獣が登場するなら、怪人も。

 ・たまには別役をロールしたくなることがあるのでは?

 ・明るいPvP(プレイヤー対プレイヤーの戦い)の場を用意したい

 2つ目と3つ目は、私がMMORPGものの「なろう」作品を読んでいて思うことです。MMORPGは遊んだことがなくて疎いので実際既にあるのかもしれませんが、こうした発想をもとにゲームの仕掛けを考えて、話を書いてみました。

 具体的には、「被プレイヤーが承諾していれば、一時的に悪役に扮してそのプレイヤーを襲撃できる」というイベントです。



【多人数のやりとりを書いてみました】

 第16話は、主人公側4人と怪人側2人、計6人の戦いです。第7話「質問」、第8話「特注装備」でも4人の会話シーンがあるのですが、戦いの場合は動作も伴うので、書くのには手こずりました。

 まず戦いの冒頭、前口上のやり取りだけで400文字が飛んでいきます。このまま集団戦にして、誰かが何かのアクションをする都度に他の5人の反応を記載していたら、何文字書いても戦いが進む気がしません。戦いを分解することにしました。

 敵側にザコ戦闘員を追加して、主人公側のうち2人をその掃討に向かわせます。そして残りの4人の戦いは、1対1の戦い2セットに分けました。これでやり取りの組み合わせが最小限に収まります。

 戦い自体は今まで同様、少し理屈を付けて早々に終わらせます。バトルアクションを楽しんでもらう作品ではありませんので。



【第17話「余波」を書いてみました】

【超技術の設定を説明するかどうかで迷いました】

 第17話では、前話の怪人戦により引き起こされた4つの場面での影響について、順に取り上げています。そのうちの2つが宇宙人側の場面で、それぞれ銀河連邦の技術が絡んでいます。


 1つめ。ゲーム監視AIが第16話の戦闘を異常事態と判定して、ゲーム開発・運営担当者宛てに警告メッセージを発信します。ここで、超先進文明において、どこまでがAIで自動化されていて、どこからが人の判断に委ねられているのかが問題になるように思いました。

 設定としては、全自動化は技術的・コスト的には余裕で可能だが、雇用確保の法規制が存在していて、全監視はAIが担当し、そこから選ばれた問題に人が対応している、としました。作品の演出を優先にした、ご都合主義的な設定なところはあります。この設定を作品内で解説するかどうかに迷いましたが、結果としてはプロットに影響しないので見送りました。


 2つめ。2人の女子が記念写真ならぬ立体記念動画を撮るために、4つのドローンを飛ばして四方から撮影をします。今の地球でさえ1つのスマホカメラで人物と背景を識別して、背景のみを加工するような写真を撮れます。超技術文明なら1つのカメラで撮影しても、AI補完で立体映像化できることでしょう。

 こちらについては、女子の一人が画質にこだわってプロ仕様のカメラを用意しているという状況説明を加えました。「FWO」では立体動画を撮影する場面が3回登場し――これは元から計画していたものではありません――、3回めはラストシーンの演出に大きく関わります。このため立体動画撮影の技術設定については、作中で補足解説を書き加えました。


 このように演出を優先にした設定に基づいた話を書いていると、「読者にはこの展開は不自然に見えて引っかかるだろうか? それともスルーされるだろうか?」「解説をしたほうが良いか? 複雑になるので省いたほうが良いか?」などと判断に迷います。推理小説ではないのでそれほどシビアに考える必要はないようには思いますが、「意外な展開」のギミックに使う場合などには白けさせないように神経を使いました。



【第18話「電撃」を書いてみました】

【幕間回を書く楽しさを垣間見ました】

 第18話は、有り体に書けば、繋ぎの回です。第15話で鍛冶師の発案によりショウのパワーアップアイテムを作ってもらうことになり、この回で受け取ります。すんなりパワーアップが成功すると有り難みが薄いので、少し問題があって改良してもらい、次の第19話で最終受領します。ただこれだけでは話が1話分持ちません。別のエピソードを追加することにしました。


 ショウたちは数千キロに及ぶ旅をしていて、物語で使う、使わないはあるのですが、訪れる町や地域には特徴を設定しています。そして第18話で訪れる都市は、大河と支流の合流地点で湖や湿地が多い、としていました。実際のそういった地域でなにか特徴的な物事はないだろうかとネットで調べたところ、天然記念物に指定されている動物が目に付きました。そこで第10話「青い空、白い雲」と同種のネタになるのですが、ハンティング図鑑を再びネタにすることにしました。

 追加したエピソード自体は、「魚群探知機とショウの電撃魔法で、湖に棲む野獣を七転八倒しながらも捕まえる」というたわいもないものなのですが、これが書いていてとても楽しかったです。自分でも意外でした。


「なろう」作品でも、幕間、番外などとして、本編と直接関係のない話が挟み込まれているものは多いと思います。場合によっては「関心のない方は、飛ばしてください」などと案内されていることもあります。こういう幕間、私は本編の続きが気になる場合などは飛ばしてしまうことも多いですし、どうしてそのような話を書くのだろうと思うこともありました。これ、自分で書いてみて分かった気がします。こういう話は、書いていて、楽しいのです。

 登場人物たちの活動を何万文字も書いていると、やはりその人物たちに愛着を感じるようになります。こうした人物たちに日常的な何気ないやり取りをさせると、勝手に動き出して、ドタバタを演じてくれるのです。その様子が、これまた愛おしい。

 読者から見て面白いかどうかは別の話ですが、いろんな作者たちが幕間を書く理由が分かったような気になりました。



【第19話「信仰」を書いてみました】

【人々の生活の描写が唐突だろうかと、不安になりました】

 第19話は、物語の舞台になっている惑星周辺の基本構造について説明する回です。この惑星周辺は「物素」「霊素」と、銀河連邦でもこの宙域にしか存在しない「魔素」の、3つの要素から構成されている、という設定です。


 この第19話では、ショウたちは自然崇拝が盛んな古都を訪れます。そこではその人々の信仰により「自然」の霊素の自我が強くなっていて、土着神のような存在になっている、という話なのですが、ここでこの古都で生活をする一般の人々の日常が描写されます。

 ここまでこの作品では、ショウと交流した人々以外の人物はほとんど登場していません。街並みの描写も殆ど無いのですが、人々の描写は更に少ない。必要なときにだけ人々の様子を描くと、ほかの都市は寂れていてこの古都は活気があるかのような印象を与えるのではないかと、不安になりました。


 第12話「オーア大陸」では、ショウたちが上陸した港湾都市が100万人だ、行き交う人々には様々なヒト種がいるなどと、地の文で描写してはいます。第19話のほうは、様々な家族が代わる代わる儀式を行っている、と描写しただけなのですが、明らかに後者の人々のほうが生き生きとして見えます。おそらく細かな仕草やたわいもない会話を書くほど、その傾向は増すのでしょう。

 一方で私は、「なろう」作品は、その費やされている文字に比して物語の展開が早いところを好ましく思っているので、こうした描写を増やしていくとその長所を失っていくような気がします。

 雰囲気作りの描写にどの程度の文字を割くのが良いのか、「FWO」の執筆経験からは掴むことができませんでした。



【「〇〇の朝は早い」の一文を使うのを、思いとどまりました】

 おまけで。

 第19話では、ショウが朝早くから訓練を行う場面があります。そう、「ショウの朝は早い」の一文を書くチャンスでした。

 でも思いとどまりました。まだ私にはこの文を使うのは時期尚早に思えたからです。もっと作文経験値を貯めて、ここぞという場面で、いつか使ってみたいものです。

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