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28 邂逅
28 邂逅
セネカが焼き印を構えた瞬間、ルオーの手から飛んだナイフがその右手を貫いた。
唯一の武器を手放してしまったルオーが、素手のままセネカにとびかかる。
火鉢を蹴り倒したセネカが散らばった炭にランタンを投げつけ、戸口へ走る。
「やめろ!」
叫んだルオーは、逃げるセネカを無視して、燃え上がった火を消そうと奥に走り込んだ。
庭への出口を二人の竜に塞がれたセネカは、にやりと笑って懐に手を突っ込んだ。
「洞鼠を喰らいたいか!」
二人はぎょっとして立ち止まる。
硬直した二人の間をすり抜けたセネカは、取り出した何かを投げつける・・・
ふりをして、高笑いしながら身を翻した。
「ちくしょうッ!はったりかっ!」
頭にきて追いかけるレイヴン。
だが、セネカは人間とも思われぬ尋常でない速さで窪地を横切り、シドを殴り倒し、ローブを翻して走っていく。
「え?」
人間に、あんな動き、出来るのか?
「ルオー、ルオー、火傷しちゃってる!」
脱いだ上着で必死で火を叩き消したルオーを、ライラが抱き起こした。
煤と涙で顔を汚したルオーが、奥の壁へ顔を向ける。
「すまん、奴を逃がした!」
戸口から入って来たレイヴンも、奥を見て声を失くした。




