信じていた!
ドラゴンを倒した俺はエノメをおぶってリリスと街に向かっている。
「それにしてもリリス、お前本当は凄い魔法使いだったんだな。あんな魔法初めて見たよ」
リリスがドラゴンにダメージを与えなければ勝てなかっただろう。
あの魔法、明らかに他の魔法と威力が違う。あの力を使い30年前も村を救ったのだろう、村の英雄は嘘じゃなかったみたいだな。
「なんの話だ?」
リリスがキョトンとしている。
「何って、リリスが使っていた魔法の話だよ」
「............?」
なんだ?覚えていないのか?これ以上聞いても同じ反応をされそうだな。
「何でもないよ」
「そうか」
それよりあのドラゴンの事だ。あのドラゴンの中に埋まっていた、不気味なマークが付いた石、ユナ曰わくその石から魔力が送られていたみたいだ。解析したがそれ以外何も分からなかった...。
誰が何の為にこんな事をしたのか...。
「ミタマ、街が見えてきたぞ!」
街とその横に人がいる。避難した筈なのにどうして人がいるんだ?
「おーい!ミタマの坊主ー!!」
「ミタマさん!リリスさん!」
あれは一緒に討伐に出た冒険者達だ。
「怪我は大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。それよりドラゴンは?」
「勿論ミタマが討伐したとも」
まあ、俺はトドメを刺しただけでリリスが殆ど討伐したような物だけれどな。
「本当か!やったな!」
「ああ」
「凄いです。ミタマさん、リリスさん」
「最強の私の事だ当たり前だろ」
リリス(いや、結局私は気絶していただけで何もしてないじゃん。何を私は言っているんだ?)
こいつドラゴンと戦った時の記憶が戻ったのか?それともさっきの会話は俺をごまかすために?
リリス(めっちゃこっち見てきてるんだけど、お前何もしてないだろって顔だよね。すまない!いつもの癖で勝手に出てきちゃうんだ)
まあ、リリスの話したくなかった事なのかも知れない。細かいことを聞くのは辞めておこう。
リリス(急にもうどうでも良いみたいな顔したよね!完全に呆れられてるよね!ね!)
「街の皆に知らせに行こうか」
「その必要はねえぜ!もうみんな街に帰って来てるからな!」
「........は?」
「ミタマ達が倒してくれるって信じていたからな!」
グッドポーズをこっちに向けてくる。
「コルトさんが皆に、もう大丈夫だぜ!ミタマの坊主とリリス様がドラゴンを倒してくれたぞ!とか言って勝手に街に人を帰しちゃったの」
グッドじゃねえよ!もしも俺達が負けていたら街は全滅だったぞ!
こいつは何をしているんだ。
「まあ、とにかく街の皆がお前らの帰りを待っているぞ」
俺はコルトを睨みつける。
ごまかされないぞ。後で絶対に腹をグーパンしてやろう。
取りあえず街の中心部分に行こうか。
「おー!!!これはリリス様!冒険者ミタマ様!」
誰だ?街の中央につく手前男の人に声を掛けられる。
「これは領主ではないか」
「し、失礼しました。あなたが領主様だったなんて」
俺は頭を下げる。この人が領主様か、集会の時には居なかったから分からなかった。
「いい、いい顔を上げろ君はこの街を救ったのだから」
「では、お言葉に甘えて」
「そうだ!早く私の家へきてください。そこでお祝いをしよう!この街にいる間は私の家に泊まって下さって良いですからね」
お祝いか!それはいいな。しかもあんな馬鹿でか豪邸で寝泊まりが出来るなんてありがたい。
「さあさあ、こちらに」
俺達は領主に言われついて行く。すると中央に出てくる。
「おい!あれが街の英雄じゃないか?」
「本当だ!」
突然とても中央が歓声で賑わう。
「街を救ってくれてありがとう!」
「本当に街の英雄だったんだな!!」
「当たり前だ私は最強だと言っただろう」
リリスが受け答えをする。こいつ相当こういう事に慣れているな。
「.....うえ?何の音?」
後ろでおぶっていたエノメが目を覚ます。歓声のうるささで起きたのだろう。
「ミタマ様?ドラゴンを倒したのですね....ふわー....」
あくびをしている。
「歩けるか?」
「うん....」
エノメもブルードラゴンの討伐でかなりの魔力と体力を使って相当疲れているな。
「これは今どういう状況ですか?」
「お祝いだよ」
「お祝い....お祝い!!やったー!!いっぱい食べるぞ!!!」
急に明るくなったな。相当腹が減っているらしいな。
豪邸の前に来る。そして台の上へ立つ。
「皆さん此方をみてください」
一斉に静かになる。凄いこれだけ見てもわかるとても支持されている人なんだろう。
「この者達は我らの街を救ってくれた英雄だ!彼らに感謝を!そしてドラゴン討伐の祝いだ!」
「「「うおーーーーーーーー!!!!!!!」」」
ドラゴンの雄叫び位の声だな。
「かんぱーい!」
「「「乾杯!!!」」」
皆が食べ物や飲み物を食い始める。
「さあ、皆さんもお食べ下さい」
「ミタマ様食べに行きましょうよ!!」
「そうだな。食いに行くか!」
「俺らも一緒に食いに行くぜ!!」
「..........」
リリスがもじもじしている。
「リリスお前も一緒に食いに行くか?」
「いいのか!」
目がキラキラする。
「ああ、みんなで討伐したんだみんなで楽しもう」
「し、仕方ないな。最強の私が行ってやろうじゃないか!」
皆で食べに行く。
「うっまーい!!!なにこれ?」
「ミタマの坊主これ凄くうまいぞ!」
「そんなにか?どれどれ......う、美味い!」
日本の料理と引けを取らないくらいうまいんじゃないか?
もぐもぐエノメが食っていく。すげぇ食うな!育ち盛りだもんな......。じーっと胸を見る。
何とは言わないが一年前より少し大きくなったような....。
(何をしているんですか.....)
ユナ!?えっとこれは違うと言うかなんと言うか.....そう!どれぐらい成長したか体を見ていただけだ!決して胸など見ていない!
(.........)
無言!?完全に豚を見るような目をしているよね!本当にすんません....。
エノメがとんとん喉の下を叩いている。喉を詰まらせたようだな。
「......うっ!うっ!」
「エノメ大丈夫か?」
「コルトなんか飲み物飲ませてやってくれ」
「おう、おう大丈夫か?ほれこれ飲め!」
コップをエノメに渡す。これで一安心だな、待てよ、中身赤色じゃなかったか?
口にエノメが飲み物を入れようとする。
「待てそれはまさか!!」
ごっくんと飲み込む。するとエノメの顔が赤くなる。やっぱりワインだったか。
「コルトお前何やってんだ!」
「何がだ?」
「それワインだろ!」
「本当だ!?でもまあ少し飲んだ位じゃどうって事」
「コルトさーんうえーい!」
エノメがコルトの肩を叩くと吹き飛ぶ!
「うわー!!」
ドン!っと壁にぶつかる。
こいつには酒は一生飲ませないと決めたの.....。
「コルトさん大丈夫ですか?」
「ああ、なんとか」
「何やってるんだよエノメ」
リリスがエノメに近づく。
「リリス近づいたら!」
「リリスさんも頑張りましたねよしよししてあげます」
リリスの頭に触れる。するとリリスが地面に突き刺さる。
「釘みたいになっちゃってるんですけど」
「あれ?リリスさんが目の前から消えましたね」
あなたが消しましたね。
「あ!ミタマ様!」
こっちに走ってくる。
「げっ!」
ドン!地面にひびが入る。エノメが猛スピードでこちらに来る!?
避けられない!エノメが抱き付こうとする瞬間。ミタマが飛び跳ねる。
「ふう...危なかった」
辺りが急に静かになる。どうしたんだ?
全員がこちらを見ている。
「え?」
「ミタマさん?」
「そ、そ、空を飛んでる!!!」
ミタマが空に浮き続けている。その背中には翼が生えている。
「「「えーーーー!!!」」」
その翼はまるでドラゴンのよう。
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空を飛ぶミタマその姿はまるでドラゴンのよう。




