厄介な奴
「秋さん、起きてください!これから生放送の収録ですよ!」
どのくらい経っただろう、私がこの男を起こそうと試みたときから。
何度も何度も、揺すってみたり声をかけたりしてみるが、コイツは一向に起きる気配がない。
「もう、秋さんてば....」
人間とは、こんなに爆睡できる生き物なのであろうか...
今や日本中に大旋風を巻き起こしている「SCORPIO」。来月にはまた新曲も発表されるし、来年からのツアーに向けてレッスンも受けている。その他にも、取材や収録もある。
昨日も夜遅くまで雑誌の撮影とインタビューがあった。日付の変わる前には終わる予定だったけど、撮影側の手違いで予定より3時間もオーバーしてしまったのだ。
「昨日、もう今日か。の疲れかな...」
終わってから宿舎まで送ったけどまた4時間後には収録があったし、逆算すると眠れても3時間くらいか。
あー、メンバーに酷いことした。私がもう少しスケジュール管理をしっかりして、休息の時間を設けるべきだった。
次回からは気をつけなければ! 今はコイツを起こすことの方が重要!
「秋さん、起き、きゃっ!」
気づけばいきなり手首を掴まれ、奴の上に乗り上げてしまっているこの状態はひどく危ない気がする。非常に穏やかではない。
ヤバい... 今すぐに退かねば...
「ちょっ、って何してんですか!」
もたもたしているうちに腰と背中をガッチリ固定され、動くに動けないこの状態。いい加減にしろ。
「ほんとに待っ、んんんっ」
ちょっと待て、今私は何故にこの男とキスをしているんだ?そろそろ止めさせないと。
だけどヤバい、頭がクラクラしてきた。止めなきゃなのに。
強引にねじ込まれた舌が、逃げても逃げても自身のに絡められる。
「ふっ、んん、ふぁっ」
しまいには歯列をなぞられて、もう頭が働かない。
「..きだ。」
ん?
「好きだ... ちえ」
ちえ?
コイツ...
「勝手に人で妄想してんじゃねえよ!この万年発情期の変態男!!!!」
「痛ってえええええええええええ!!!」




