22 女隊長と少年の恋心1
「リズ…少し相談してもいいか?」
私にそう訪ねてきた彼女の名はレム•カラフィン。マルフィール王国騎士団の第3部隊隊長であり私の数少ない友人だ。
「えぇ、良いですよ。それで相談とはなんですから?」
「実は気になる男がいてな…」
「もしかして恋の相談ですか?」
(ついに男っ気のないレムにも春が……)
「いや、そういう訳では無い。私の部隊に居るマルクってやつが最近毎日のように怪我をしててな。背丈はリズより少し大きいくらいの小柄なやつなんだが……怪我の理由を聞いても私に教えてくれないんだ。」
「男の子なんですから言いたくない怪我の理由もあるでしょう。あまり、気にしない方がいいのでは?」
「でも、もし隊内でのいじめとかあればさすがに見逃せない。」
「まぁ確かにそれはそうですね。でも第3部隊はかなり仲がいいと噂ですが……」
「そうなんだよ。うちの部隊はかなり仲がいいし、マルクのやつも身長のハンデを補おうと頑張っていて仲間からの信頼も厚いはずだ。」
「なら厳しい訓練をしているとかでは無いのでしょうか?」
「もし、そうなら私に隠す必要はないだろう。」
(確かにそれもそうですね ……)
一体何故マルクが怪我をしているのか、少し興味もある。それにレムには小さい頃からかなりお世話になっている。私も力になりたいのだ。
「わかりました。私が少し探ってみましょう。」