4、奮闘記
それからの修人の頑張りは凄まじかった。学校、バイト先、家庭教師、空き時間の自習等など。当たり前だ、だって、小二レベルなんだもの。脇目も振らず小三のドリルを解く、高校二年生。
「修人、昼飯食おうぜ」
「あ、俺勉強してっから」
「修人、タバコ吸ってこうぜ」
「あ、俺勉強してっから」
「修人ー!この前の借りを返しに来たぜー!出て来いや!修人ー!」
「あ、俺勉強してっから」
「修人!ちゃんと授業に集中しなさい!」
「あ、俺勉強してっから」
美香のイタズラ。
「修人!勉強しなさいよ!」
「あ、俺勉強してっから」
アキラのイタズラ。
「修人!ムダムダムダムダムダムダ!」
「あ、俺勉強してっから」
美香のイタズラ。
「修人・・・、お、ね、が、い・・・来て・・・」
「あ、俺勉強してっから」
アキラのイタズラ。
「修人・・・、金借りるぜ」
「あ、俺勉強してっから」
美香のイタズラ。
「ハァ、ハァ、修人、私、もう、イっちゃう!」
「あ、俺勉強してっから」
アキラのイタズラ。
「ハァ、ハァ、修人、俺も、もう、イっちゃう!」
「あ、俺勉強してっから」
美香とアキラのイタズラ。
「ほれほれ、スカート捲っちゃうぞ、見えそうだぞ、ほれほれ」
「や、やめて!見えちゃう!ぁ、あ、あー!見えちゃうー!!!」
「あ、俺勉強してっから」
アキラのトドメ。
トイレスリッパで修人の頭をパコーン!
「ええ加減にせえ」
修人は立ち上がり、こう言った。
「あ、バイトの時間・・・」
美香とアキラは呆れ果て、ダメだコリャー。
バイト先。
「コルァ!!!包丁持ちながら勉強すな!!!」
「んー、割り算、ムズい!」
ダメだコリャー。
…勘弁して下さい・・・…




