20、母の想い・子の想い・皆の想い
「修人、行きなよ。大学。何とかなるわよ。二人協力すれば、」
お母が言う。
「これ以上、苦労かけれん!」
「何が苦労よ。全く、親の務めよ。生き甲斐なんだからさ。アンタが」
「自分の人生生きろよ。再婚とかさ」
「何が再婚よ。全く、バカなんだから!言われなくても、するよ!」
「マジで!誰かいんの?」
「いるわけないでしょ!いつかよ。いつか!」
「老いぼれちまうぜ」
「ピク!余計なお世話よ!」
スナック。
「せっかく、頑張ったのに、四年間?五年間?もったいないよ、」
「明確なビジョンないし、」
「アレは、言葉の綾でしょー!そういう意味じゃないよー」
「利用されてるかもだし、」
…なぁ?…
…え?・・・…
「そんなの逆に利用すれば良いのよ。大学で勉強してさー」
「料理人辞めるわけじゃないんだろう?」
アキラだ。
「あぁ、バイトは続けるよ」
「なら、料理の何か役に立つ事、勉強すれば?なぁ?」
「そうよ、何か、あるはずよ。頑張ってみたら?」
「んー、」
バイトに出た。閉店間際に陳氏も来た。
陳氏が言った。
「悩んでるようだね」
「はい」
「悩むのは悪くない。悩むから人生なんだ」
「はい」
宮さんの一言、強烈だった。
「オイ、人生ってのは、皆、平等じゃあねーんだ。チャンスがあるのに、それをドブに捨てるなんざ、お天道様が許しゃしねーよ。お前が受かった事で、落ちたヤツもいるって事、忘れんじゃねー。お前には責任があるんだよ。落ちた皆んなの代表として、受験すら出来なかったヤツらの代表として、責任を全うして来い」
これが、決定打、だった。




