↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/148

決戦(3)

グランディンが眼前に迫り、俺に魔剣を振り下ろしてきた。


しかし、俺の腕はまだ動かない。


「くそっ!!」


俺は身を躱そうと後ろに跳んだ。が、間に合わず、そのまま魔剣は俺に向かっていく。


「何っ…!!?」


しかし、魔剣は俺には届かなかった。


俺とグランディンの間に割って入ってきた、異形の姿となったディンが、魔剣を片手で止めていた。


その頭には巨大な二本角が生え、手足は巨大化してその爪はより鋭く、背中には一対の翼が生えていた。


その姿のディンを、俺は知っていた。


「その姿…業魔招来か!!?」


ディンの普段の姿はほぼ人間と変わらない。しかし、それはディンの魔族としての力が隠されているからだ。


その力は、身体にあまりにも負担が掛かる為。


業魔招来は、そんなディン自身の魔族としての力を最大限に発揮する、ディンの最後の能力である。


これを使う事で、ディンの全ての力が解放され、ディンの強さは大きく跳ね上がるのだ。


「はあっ!!」


ディンがグランディンの頭目掛けて蹴りを入れる。グランディンは身体を回転させながら、壁までぶっ飛ばされた。


「大丈夫か? クウゴ」


ディンが俺に視線を送ると、俺は頷いた。


「ああ…だが、右腕はもう少し掛かりそうだ」


「ならそれまで我が相手をする。貴様は早く治せ」


「わかった…!!」


俺はそう言って、右腕の回復に専念した。


「さて…」


ディンはグランディンがぶっ飛ばされた方へ視線を向ける。グランディンは起き上がり、既に向かってきていた。


「行くぞ偽者…格の違いを見せてやる」


ディンはそう言って、ニヤリと笑みを浮かべた。





「うおおおおおお!!!」


「おおおおおおお!!!」


我と偽者の一撃がぶつかる。しかし、


「ぐおおっ!!」


偽者の方が一方的に吹っ飛ばされた。そして、そのまま前へ跳び、技を繰り出した。


「魔王の爪撃(ギガ・クロウズ)・乱舞(イービルチャージ)!!」


我は爪を幾度も繰り出し、偽者はそれらを捌いていく。しかし、次第に偽者は対応しきれなくなり、やがて偽者は我の爪の餌食となった。


「ぐおおおおおっ!!!!」


我の爪が斬り裂き、抉り、その血肉を散らせる。


偽者は堪らず反撃に魔剣を振り下ろすが、我はそれを片手で受け止めた。


「何故だ…!!? 何故勝てない…!!?」


「そんなの決まってるだろう…貴様には何も無いからだ。託された想いも、託してくれた仲間も!!」


我が魔剣を払い除けると、その手で拳を握りそのまま偽者の顔面を殴り付けた。


偽者はそのまま殴り倒され、その身体で床を擦りながら壁までぶっ飛ばされた。


「力も剣も奪った物…貴様は奪い、破壊するだけの何も無い空っぽの王だ!! 誰にも何も託されてない奴に、我らは負けん!!」


「!! ふ、ふざけるな…!! 何も無い…だと…違う!!」


偽者がゆっくりと立ち上がる。その身体は斬り刻まれた傷は塞がりきっておらず、血が流れ続けていた。


「誰も…何も…俺に与えなかった…!! そして…奪われたのは…俺の方だぁぁぁ!!」


突然、偽者が咆哮する。


すると、偽者の胸の勇者紋(ブレイヴサイン)が輝き出し、奴の傷がみるみる内に塞がっていく。


「チッ、化け物が…!!」


我が再び構える。そして、


「待たせたな」


声がする方を見ると、治った右腕でイリスを握るクウゴが、隣に立っていた。


「…もう良いのか?」


「ああ…決着を付けよう、グランディン!!」


我とクウゴは、床を蹴った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。