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闇めくトレジャーハンター・ゼロ ~異能の原石で誰もが能力者になれる8つの世界が交差するとき、その架け橋を【盗む】冒険の旅が始まる~  作者: ちーかま
   

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1/8

プロローグ<カイ>

 「追え!!絶対に捕まえろ!!」

 「ばーか、誰が捕まってやるかってんだ!!」



 俺はいま、洞窟の奥に追い込まれている。

 暗い洞窟の奥に、沢山の追手を引き連れながら。


 「早く盗んだものを返せ!!」

 「盗んだって、ちょっと綺麗な石をもらっただけじゃないかぁ」

 「綺麗な石だぁ!?お前が盗んだのはス(・)ト(・)ー(・)ン(・)だろうが」

 「え?なんのこと―――」


 ―――ズバッ!!


 「―――って、危ねぇなオイ!!」


 俺の身体を突き刺すような剣の一撃。

 危機一髪、俺はその攻撃を回避する。


 「とぼけるんじゃねぇ!!」

 

 ―――ズドン!!

 斧の一撃。

 俺はこれもうまく避ける。


 またも斬撃が飛んでくる。

 これは―――避け切れない。

 服の生地が少し切れて、鮮血が飛び散る。


 俺の顔は少しひきつった。

 だが、全速力で走り続ける。


 「往生際が悪いぞ、盗賊!!」

 「盗賊じゃなくてトレジャーハンターだ!」

 「知るか!」


 よそ見する隙もないほど、俺に向けて武器が振り下ろされ、突き出される。

 ひとつ避けてもまたひとつ。

 右、左、右、そして右、正面。

 攻撃のランダムさに、俺は圧倒される。


 すると、敵のリーダーらしき声が聞こえた。


 「時(・)計(・)の残存バッテリーは?」

 「分かりませんが、このまま大群で押せば制圧可能かと」

 「よし、そのまま押せ」


 俺を捕まえる作戦を練っているらしい。


 そして時(・)計(・)とは、俺の左手首につけられた道具を指している。

 その名は『ウォッチ』という。

 ギリシャ文字のひとつをかたどってデザインした、近未来感に溢れる黒の腕輪。

 ウォッチの中央には、縦に長い楕円形の、赤色に輝く石が嵌め込まれている。


 「その赤い石は―――『アクセルストーン』か?」


 正面の敵が俺に言う。


 「そうだ。『加速』の異能、その原石だ」

 「どうりで逃げ足が速いわけだ―――なぁッ!!」


 ―――ザンッ!!

 右から空気を薙ぎ払うような強烈な一撃!!

 避け切れず、またも体に傷を作る。

 冷たい痛みと共に血が流れていく感覚。


 俺はバックステップして、一呼吸する。

 着地は完璧、姿勢もなんとか立て直した。

 しかし、このままではらちが明かない。

 いつかは隙を突かれてしまうだろう。


 「まだ逃げるつもりか?」

 「―――いや、やっぱりお前らをぶっ飛ばすことにした」


 俺と敵との間には、2mほどの距離しかない。

 余裕はとうの昔に無くなっている。


 だが、俺の左手にあるこのデバイスには、この状況を切り抜けるだけの力が備わっている。



 「『加速舞台(アクセラル・ショー)』!!」



 俺は叫ぶ。


 時(・)計(・)を起点にして、俺の身体が赤色の光に包まれ―――



 俺の身体は『加速』し始める。



 「な、なんだ!!こいつ、予想以上に速いッ!!」

 「目で追い切れない―――」


 敵たちが目を回すほどに、俺はとてつもないスピードを出して駆ける。

 その迫力、まさに舞台の大立ち回り。

 俺の速度について来れるやつは一人もいない。


 「目で追えなくたって、―――せやぁッ!!」


 敵の一人が剣を振る。

 だが、その程度のスピードじゃ俺を捉えることはできない。

 剣は赤い残像を切って、情けない風切り音を出す。


 他の敵も一心不乱に己の武器を振るう。

 だが、俺の身体を捉えるものは一人もいなかった。


 そして俺は目の前の敵に狙いを定める。

 一瞬の隙を探す。


 ―――ここッ!!


 「歯ァ食いしばっとけ!!」


 加速した身体から放たれるパンチが―――敵をぶっ飛ばした!!





 ところで、どうして俺は追われているのか。

 『ウォッチ』や『ストーン』とはなんなのか。

 そもそも俺とは誰なのか。


 そんな疑問の答えは、これから始まる物語の中にある。



 ゼロから始まる、終わりのない物語の中に。

はじめまして。

よりよいものをお届けするために、何度も推敲や編集を重ねてきました。

ぜひ、楽しんで読み進めていただければと思います。

よろしくお願いします!

ちなみに、「アクセラル・ショー」というのは「アクセラレーション(名詞)」にかけてあります。

アクセル!と叫ばせるとちょっとパクリみたいになるので...

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