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欠陥だらけの天才魔術師(副題:天災魔術師になった天才魔術師はスローライフを生きて行けるか?)  作者: Seisei
第一章 レベルアップ編

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019ー2 水晶迷宮の『始まりの部屋』

【修正履歴】

2019年9月24日

○第19話を7分割しました。

○分りにくい表現を訂正しました。

○少し加筆しています。

○主人公等の思考を表す表記の方法を以下のように変更しました。


(主人公等の思考)

    ↓

────主人公等の思考。


なお、この変更は、順次行っています。

表記がしばらく混在しているので、お許しください。

【第一層】

 

 レイラが言ってたように、『始まりの部屋』には、食料が保管された棚があった。


 『始まりの部屋』には、その棚以外にも、食卓や椅子。簡易な宿泊設備なども備えられていた。


 ここは、迷宮で唯一気が休まる場所なのだ。


 翔達は『始まりの部屋』に入ると、棚に置かれていた食料をマジックバックに仕舞ってから部屋を出出てみた。直ぐに部屋に戻って棚を確かめて見るとレイラの助言の通り女神の恩恵で食料が補填されていた。


 翔は感謝しつつ食料をレイラの助言に従ってマジックにたくさん詰め込むまで部屋の出入りを繰り返した。


 十分に食事の準備が整うと、皆で食卓を囲み食事をした。食べ物は質素だが美味しかった。


 次に翔は創造魔法を使って、メロとアメリアの武具をより強力なものに変える事にした。


「この迷宮では、俺達以外の人目を気にする必要が無いから魔法道具マジックアイテムを創っても狙われたりしないだろう。今より良いものを創ってやろう」


 翔はメロとアメリアに言った。


 途端にメロは、嬉しそうに、目を輝かせて翔に、魔法の杖を差し出していた。


「本当? 凄いの。期待」


 メロは、可愛い顔の頬当たりを上気させて喜んで言った。



「さっき、レイラに創っているのを見て羨ましかったのだ」


 アメリアも、顔を顰めて輝かせて剣を差し出していた。


 翔は、先ずアメリアの防具の強化に着手した。


 すると、メロは、頬をプクリンと膨らませた。


「私が先にお願いした」


 と、メロは抗議した。


 翔は、笑いながら言った。


「まぁ、待て。今は、アメリアの武具の事を考えたんだ。考え直すのも面倒だから、先にアメリアのをやらせてくれ」


 そう言いながら、翔はメロの頭をグリグリ撫でた。


「ふにゃ」


 メロは、頭を撫でられて直ぐに機嫌を直した。


 アメリアの全ての防具と武器の素材はミスリルとアダマンタイトの合金で翔が作ったものだ。


 この世で最も強く魔法をかけるのに適した合金だ。ドワーフの英雄、イングベルト・ザイフリートにもらった合金の絶対配合率だ。


 翔は、アメリアの胸から胴をカバーするプレートヘルメット、髪飾りを新たに創り直した。


 アメリアの特性を活かせるように軽くし、翔の趣味なのだが、彼女の見事な体のラインを殊更に強調した美しいフォルムの防具にした。


 プレートは美しいレリーフと、多くの宝石で美しく飾った。


 良く見るとアメリアの羽は、魔法のせいなのか、薄っすらと輝いているように見える。そこでバランスを考えてプレートは、黒と黄金で配色した美しくしい鎧に仕上げた。


 アメリアのシールドはアメリアの体力に合わせて軽くて小ぶりな縦長の美しい曲線を描いたシールドを創った。


 その表面は金属の光沢とレリーフによる陰影でアメリアの美しい像をデホォルメして浮き立たせるようにした、そしてそのアメリアのレリーフを宝石の輝きで美しく配色すると言う豪華な物だった。


 アメリアは、一般のモデルなどよりも美しい。綺麗に着飾るとその美しさがさらに引き立った。


「アメリア。すっごく綺麗。それにとっても上品。聖女様みたい」


 メロが眉根を精一杯に開き大きな瞳をさらに大きくしながら大絶賛した。


 普段、無表情なメロがそんな顔をするのは子供みたいな憧れを抱いているからだろう。アメリアの大人っぽい美しさをメロは手放しに褒め称え憧れたのだ。


 アメリアも普段見せない嬉しそうな表情で顔を輝かせて自分の武具に見とれていた。


 それから、肝心の剣だが、今回は殊更に意匠を凝らしたものにした。前の剣とは、まったく違う意匠を作り豪華なものとした。


 翔は細剣レイピア剣先ポイントを細く長くし、剣のガードを炎のような形に変えた。普通は手を覆う形状だが、持ち手には影響が出にくいように且つ美しく目立つ形にした。


 グリップにも彫刻を模し宝石を散りばめた。柄頭ポンメルには、エメラルドを素材にしたアメリア自身の顔を美しく彫刻した。


 刀身ブレイドは、縦の溝を付けるだけで実用性が増すため、溝を入れた。


 刀身の根本リカッソは、ワザと少し太めにしてアメリアの美しい姿をレリーフにし、剣の美しさを際立たせた。


 次にメロの防具の番だ。彼女の防具はアメリアとは別の配慮が必要だ。メロは窮屈な防具を嫌がるので軽く柔らかくそれでいて打撃、斬撃に対抗できる超強力ポリエチレン繊維の布を何重にも重ねた素材で可愛らしい服にしか見えないローブを創った。


 さらにその素材に美しさを際立たさるために金糸銀糸をふんだんに使い美しく可愛らしい色合いにした。


 メロと言えば、トンガリ帽子がトレードマークだ。


 恐らくトンガリ帽子を魔術師の必須アイテムとでも考えているのだろう。


 そこで、ローブと同じ素材でトンガリ帽子を創ることとし。見た目重視(可愛い重視とも言う)の少女だから、可愛くファンシーな形と色合いにした。


 あまりやり過ぎると、どこかのゆるキャラみたいになりそうだ。


 結局ピンクを基調とした、可愛らしい装備が完成した。


「メロ。可愛いぞ」


 アメリアが、変更されたメロの容姿に見入った後、メロの可愛さを大絶賛した。


 アメリアは、メロの可愛いさにぞっこんなのだ。お互いに持っていない物に憧れているのだろう。


 翔は、迷宮攻略のためには、全く無駄な、それらの創造に、かなりの時間をかけた。


 美しい物を魔法で作るのは転生前から、翔の趣味だったりする。しかし、グアリテーロのおかげで、みすぼらしい品物しか作れなかったのは、実は翔には、大きな痛手だったりしたのだ。


 反動で美しい物が作りたかったのかもしれない。


 しかし翔自身は、普段着みたいな道着と、いつもの六角の金棒の外見にした。


 なぜなら、グアリテーロから得た教訓を忘れないためだ。


 いつか元の魔術師の能力を取り戻したら、思いっきり、何も制限を掛けず、思いっきり、創造しまくってやると心に誓ったのだった。


 外見の創作の後、防具や武器に魔術を付与エンチャントして行く事にした。


 そもそも、魔法の付与エンチャントは魔力の多寡に依存する。


 翔は、多少MPの総量が増えたので少し大胆なほど、魔法付与の重層をしてみる事にした。


 同じ魔法でも、何度もかけると効果が上がるようだし、翔は普通では不可能とされている多重掛けをすることが、制約無しで可能なのだ。


 もちろん素材によってエンチャントの重ね掛けには、限界が有る様だが、気にならないほどの回数、エンチャントの重ね掛けができるのだ。


 これがクリエーターと言う職業の恩恵なのだろう。


 可能な限り、エンチャントを施しつつ、本来の目的であるレベルアップに支障を来さないように、やり過ぎない事を逆に重視し、武具の製造を終えたのであった。



「翔。久々に豪華なラインナップの武具にしたのだな」


 アメリアは、自分の防具や剣に感嘆の声をあけだ。


 アメリアは、魔法のエンチャントのおかげで輝きが増した武具を見ながら、とても嬉しそうだった。


「特別だ。迷宮内では誰もいないからな。豪華に行こう」


 翔は、アメリアの肩をポンと叩いて明るく言った。


「しかし、お前はいつもの軽装のママだな。鎧を付けてもいいんじゃないか?」


 アメリアは、翔の姿を見て尋ねた。


「俺は暑苦しいのが嫌いなのさ。それに闘魂防御の技が有るから不要さ」


 翔は、マッスルの格好をしてみせた。


「翔は、やっぱり魔術師というのは嘘。魔術師は死んでもマッスルなんてしない。筋肉は頭脳を荒廃させる。バカ丸出し」


 メロはジト目で翔の筋肉ポーズを睨みながら言った。


「はん?」


 翔は、メロを睨み返したが、鼻で笑うだけで何も言わず、視線を避けるように下を向いてしまった。少し恥ずかしいのか顔が上気していた。


「魔術師たるものは聖なる知識を集約し、力の泉として用いる者のはず。ムキムキポーズは厳禁」


 しかし、メロの追求は止まない。しかも、いつものように、片言の物言いでは無くなっていた。


 翔は、黙ってメロの細い肩に手を置いた。それから頭を下げて謝る。


「すまん。二度としないと誓う」


 しかし、メロは自分の肩に置かれた翔の手を汚い物でも触っているかのように指で摘んで、肩から払い落とした。


 そして、メロは「しっしっ」と犬を払うようか仕草をした。翔のマッスルに対する、厳しいお仕置きだった。


 翔は、ガックリと肩を落とすフリをしてみせた。

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― 新着の感想 ―
デホォルメ→デフォルメですね。
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