338 剣気
今回出てくる剣の国の瞬姫エレンは、美しい姫さまです。ちなみにエレンは、綴りでEllenと書きます。間違いなく女性の名前です。
でも進撃の巨人の主人公エレン・イェーガーは男の子。ちなみに彼の名前の綴りは、恐らくErenとなります。
これRとLの発音の違いで女と男の違いになるんですね。
日本人には分かりにくいですが。Rは、気張ったうめいたような音。思い岩rockを持った時に出る音と覚えます。したは上に丸めて口中力を入れて呻くんです。ウウウって感じ。Erenはエウウウンって読むんです(感覚的にですけど^_^)
エルは、そもそも軽いliteって感じの雰囲気で舌先を上顎にちょっと付けて軽く出す音なんです。ルゥって感じですね。Ellenは日本のエレンと大差有りません。因みにアレンのエレンって叫ぶ声は、男の子のエウウウンに近い感じですね。力んでるし(笑)。
軽いLが女の子。重くて硬いRが男の子。理に叶っていますよね。
エレン・カードは、刀の鯉口を切っていつでも刀を抜けるようにしていた。
彼女は、若くして剛剣流の最高師範となった才女である。それだけでなく辺境伯家のお姫様である。
剣道の盛んな剣の国の中でトップクラスの実力を有する彼女は、剣の国の大使館から見渡せる大通りを行進するエリュテイア帝国軍の軍容に驚きを隠せないでいた。
「ここからでも彼等が只者でない事が肌で感じます。あの人達がどれほど強いのか想像も付きません」
エレン・カードは、刀から手を離して、腕で自身の両肩を抱くようにしながら言った。その姿は、剣豪とは見えない弱々しい姿だった。
彼女の覗く窓からは、大勢の軍人が馬に跨って大通りを次々に歩いて行く様が見えていた。
彼女がエール市街に入ったのは、五日ほど前の事だ。翔と会食した後、ゲームマスターの万能の聖具と国王に謁見した後、魔具の国の首都魔導都市ハウデラを出て真っ直ぐにこのエールにやってきた。
エレンが職業の国に入って直ぐに、イグニシャス皇帝に挨拶に行ったが、会えず代わりにギレン宰相と挨拶を交わした。
ギレン宰相からは、戒厳令がしかれているので出歩かないようにとの注意を受けた。
エレンは、魔具の国の高級料亭ソワレーポソムで、翔に用事が有ればギレン宰相に事付けるようにと言われていたので、ギレン宰相に会えた事を幸に、翔への言伝を頼んだ、
ギレンは、快く引き受けてくれ、エリュテイア帝国の総大将のアンジェリーナ将軍に伝えてくれると言われた。
エレンは、エリュテイア帝国の司令官の名前をこうして知ると共に、やはり翔がエリュテイア帝国の人間であると知ったのだった。
ちなみち、翔がエリュテイア帝国の最高権力者である事までは、ギレンも伝え無かった。知っていると思っていたからである。
事付けた内容は、魔具の国の国王に、翔達の話をしたので迷惑が掛かっていたら許してくれとの伝言だった。
二日後に、ギレン宰相の使いの者から手紙を渡された。
翔は、魔具の国に於いて、ハウデラに入って直ぐに、間者が付貼り付いていて色々調べられていたので、エレンが話そうと話さなくても同じだっただろうとの返事だった。
もちろん、エレンが翔達の話を魔具の国の国王と万能の聖具にしたのは、彼女も間者に見張られていた事を感知していたからだ。
翔からの返事は、その辺の事情を察知していて怒っていないとの知らせだったのでエレンは、ホッと胸を撫で下ろしたのだった。
そうやってわざわざ知らせたのは、エレンの翔への誠意であった。
「ダンさん。あの人達ってやはりエリュテイアの人達だったんですね」
あの人達とは、もちろん翔達のことである。
「お嬢は、あの男前にゾッコンだったもんな。あの軍人達ってどれほど強ぇんだよ。俺でもあんな奴らにはとても太刀打ちできそうもねぇや。あの翔って人達からは、剣気は、感じ無かったが、強そうだったしな」
通りを行進するエリュテイア帝国軍の人々は、見るからに強い闘気を漲らせていて、その強者の雰囲気は、剣神に引けを取らない。
つまり、剣神級の者が数え切れないほど行進しているって事なのだ。
彼等は、それを剣気と呼ぶ。
ゲームマスターの剣神を除き剣の国で最強の剣士であると自他共に認めるエレン・カードですら剣気を操るのは容易ではない。
彼女が扱えるのは、『剛剣派』攻撃奥義『葉剪』と防御奥義『葉断』の他、彼女が独自に編み出した攻撃奥義『流絶』の三つの技にのみ剣気を宿らせる事ができる程度だ。
身体から剣気を溢れ出させるような真似はとてもできない。
しかるに、剣の国の大使館前を行進するエリュテイア帝国軍の軍人達は、誰も彼もが当然のように、周りの者を威圧するかのような鋭い剣気を放ち、エレン達の精神力をガリガリと削っているのだ。
気の弱い者なら、この剣気の中で気を失いかねない。
「こんなの有りえないわ」
エレンは、現実を受け止めかねてそう呟くしか無かった。
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