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欠陥だらけの天才魔術師(副題:天災魔術師になった天才魔術師はスローライフを生きて行けるか?)  作者: Seisei
第一章 レベルアップ編

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008ー2 手始めは最弱のモンスターからって言うのが定番だよね

2019年9月6日。八話を三分割しました。

 翌朝。翔は、彼が最も毛嫌いしている冒険者達が多勢たむろしている冒険者ギルドに立ち寄った。アメリアをパーティー登録するためだ。


 ギルドに入るなり、冒険者達の嫌な感じの視線が纏わりついてくる。何とも言えない鬱陶しい感覚だ。


 しかし、今日のところ、視線のほとんどがアメリアに吸い付けられていた。至高者オプエィマスは多分見た事の無い種族のはずだ。


 生意気なレベルゼロの落ちこぼれの復活者が、最近少しだけレベルを上げて、少しは有名な女魔術師をパーティーメンバーにしたという話は冒険者の中で噂になっていた。


 その落ちこぼれが、今日はとびきり綺麗な妖精のような亜人を連れてギルドに来たのだ。悪目立ちも良いところだ。


 長年冒険者としてレベル上げに精励してきたのにレベル20にも届かず成長が止まってしまう。そんな冒険者は多い。このような、本当の意味での落ちこぼれ冒険者達にしてみれば、自分達よりも格下のルーキーが女を侍らせて良い気に成っているように見えるのだ。


 新人いびりをしたい者はどこにでもいる。自分より弱いからだ。


 翔は格好のターゲットだったのだ。


「おい。俺に挨拶もなしに目の前を通りすぎるつもりか?」


 見ると、ユグドラシルでは珍しい戦士職の男が翔に絡んできた。厄介な事にレベルが恐ろしく高い。


 ダグ・ファイアー。二十三歳。レベル24。戦士。


 しかも、彼の後ろにはレベルの高いパーティーメンバーが他に三人もいる。レベル25魔術師。レベル23僧侶。レベル25重騎士。


 皆、レベルが非常に高いし、バランスのとれたパーティーだ。この復活都市の中では高いレベルのパーティーだと一目でわかる。しかし全く物怖じしない翔は相手を睨みつける。


「俺がなんで、知り合いでもないあんたに挨拶しなきゃならないんだ?」


 翔は、彼等がどれくらいレベルが高かろうがへり下るつもりは無い。


 翔がそう答えた次の瞬間だった。翔は殴り飛ばされて遥か彼方まで吹き飛ばされていた。一瞬で目の前が真っ暗になる。意識が遠のきかけた。


 レベルの違いがハッキリと現れていれていた。


「小僧。生意気な態度は実力を付けてからにしろ」


 戦士ダグが吐き捨てる様に言った。


「おい。こんなクズ共を相手にするな。行くぞダグ」


 彼らの仲間の一人、レベル25魔術師が止めに入った。


 ダグが唾を翔に吐きかけて出て行った。その間、翔はダメージで起き上がれなかった。


 メロは翔に「大丈夫?」と呑気に尋ねかけた。アメリアは呆気に取られて口を半開きにして見ていた。


 メロは能天気なものだ。笑いながら翔を見下ろしていた。助け起こそうともしない。


 翔は頭を横に振って意識をはっきりさせようとした。それからマジックバッグから回復薬を出して飲んだ。ダメージのかなりが回復した。


────しかし、素早い攻撃だった。目にも止まらないとはこの事だな。いきなりの言いがかりで驚くが、あれ以上絡まれなくって良かった。あのパーティーに真剣に絡まれては本気で命の危険が有ったな。


 翔は、ホッとしてそんな事を考えながら殴られた顔を撫でた。


 その時だ。メロとアメリアを掻き分けるようにして、まだ立ち上がってもいない翔の前に立ちはだかった女がいた。


 彼女はミラ・エルナイド、レベル13の剣士に扮した女魔術師だった。冒険者ギルド初日にショボいラップの魔法で翔にちょっかいをかけてきた女だ。


「おい。私の事を完全無視しやがって。ど新人のくせに生意気な奴だ。これを喰らえ」


 彼女はそう言うと、口早に詠唱を唱えて、驚く翔に「爆裂」の魔法を発射した。不意打ちと言うやつだ。


────懲りない奴め。


 と翔は女魔術師の詠唱の途中で、相手の魔法に干渉して発射直後に爆発するように術式を改ざんした。不意打ちとはいえ、長々と詠唱するので全く不意打ちになっていない。


 天才魔術師の翔の神の技だ。今はあの時と違い魔法の能力もあるし微々たるものだがMPも有る。この程度のクズ魔法など何でも無い。翔は爆発の範囲を限定し、メロやアメリアに被害が及ばないようにする事も忘れなかった。


 轟音がギルド内に響き、一人の女魔術師が自爆した。女魔術師は「ギャ〜」と悲鳴を上げて目を回した。


「馬鹿は放っておこう。仲間が助けるだろう。行くぞ」と翔は言うとギルドの受付に向かった。


 直後に翔の頭からはこの女魔術師のことは綺麗さっぱり忘れ去られたのだった。


 この時、彼の興味は戦士ダグの攻撃の速さに集中していた。まだまだ駆け出しの翔ではダグ程度のレベルの戦士ですら対応できないのようだ。本当に情けない限りだった。


 メロが心配そうに女剣士の方を何度も見ながら翔に付いてきた。


 アメリアにはメロが仲間の翔がやられている時は、笑っているのに敵に変に優しいのが訳が分からない。


 実は単純にメロは翔ならしぶといのでどんな事があっても平気だろうと思っているだけだった。


 一方のアメリアは冒険者ギルドに入ってからの慌ただしい状況が意味不明なのだ。ここは何という所だと驚いていた。開いた口がふさがらない。


 アメリアが驚くのも無理はない。


 メロは大きなため息を吐いてギルドを見回した。敵意のある視線が翔を取り巻いていた。


「翔。少しは態度を改めないとまた痛い目に会っちゃう。自分よりレベルの高そうな冒険者の前を横切る時は少し頭を下げる。冒険者のルール。頭を下げたくなければ、歩く進行方向は、遠慮して少し遠回りして行けばいい」


 メロが諭す様に言った。


「ふん。そんな馬鹿な真似ができるか。当たらなければ真っ直ぐ歩くのが合理的だ」


 翔が吐き捨てるように言った。


 アメリアはなるほどと納得する。翔が回りから嫌われるのにはそれなりの理由がある様であった。



 翔は、冒険者のルールなどに興味は無い。メロのアドバイスなど全く無視するつもりだった。


────アリス。戦士職というのはどんな職業なんだ?


《物理攻撃に特化した珍しい職業です。武闘家と似ていますが武闘家はMPを消費して放つ特殊技も有りますが、戦士はMPすら物理攻撃に変換させて繰り出します。さっきの技は『速拳』と言うMPを物理的な速さに置き換えた攻撃です》


────どうしてそんなに物理攻撃にこだわるんだ?


《ユグドラシルでは魔法無効化の特殊技を持った魔物が存在するからです》


────魔法無効化だと? しかし所詮魔法防御の一形態だろうが。魔法を極めて対処するべきだ。


《仰る通りですが、レベルの低い彼等には魔法無効化という特殊技が存在する様に感じるのでしょう。魔法無効化には物理攻撃が有効なのであの様な形態が進化したのだと思われます》


────そんな事の為に魔法を諦めるなど馬鹿げているがしかし。速さは武器だな。


 翔は、いい勉強をしたと逆にとても満足だった。おかげでいろいろな発想が思い浮かんできた。


 翔は、つくづく可能な限り早くレベルを上げないとうかうか街も歩けないと改めて自分の無能力ぶりを思い知った。





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




受付嬢は、いつも笑顔で翔達を迎えてくれる。営業スマイルだがそれでも心が和む。


「こんにちは。本日はどの様なご用件で?」


「この娘をパーティーのメンバーに入れて欲しい」


 翔がアメリアを示しながら言った、


「はい。ではこちらに」


 受付嬢がアメリアを呼ぶ。目はアメリアの美しい羽に釘付けだ。


「この水晶に手を置いてくださいね」


 アメリアが言われた通りに水晶に手を置いた。


「アメリア・ラサーンさん。至高者オプティマス種族。珍しい種族ですね。エルフ族の系列なのですね。魔法剣士レベル8ですね。アメリアさんは素晴らしいステータスですね。特に魔法系はかなりのものですよ」


「エルフピラタでは平均だ」


 アメリアが答えた。


「アメリアさんは、ミッドガルドの冒険者として登録されました。冒険者ギルドは種族を超えて会員全てを平等に扱います。もし、何かお困りの事が有ったらいつでも仲介させて頂きますので申し出てくださいね」


「ありがとう」


 受付嬢の真心の込もった対応にアメリアも感謝の意を表した。アメリアは冒険者カードを受け取った。これで晴れてアメリアも冒険者だ。



 アメリアの登録を済ませ、三人は冒険者ギルドから出てきた。


 翔は周囲の警戒を怠らずにいたがメロとアメリアの二人が翔のパーティーメンバーになったと知れ渡った今、翔達に簡単に手出しをしてくる者は減るだろう。何よりも冒険者ギルドの中での喧嘩は禁止なのだ。


 翔が殴り飛ばされてもメロが笑って見ていたのは、あれ以上暴力が発展しないとメロには分かっていたのだ。


 この時、アメリアは慣れない人間世界をキョロキョロ見渡していた。しきりに感心している。メロは、アメリアの耳元に街の事を小声で教えてやった。アメリアはメロの説明を受けてうんうんと頷いていた。


 翔は、二人の様子をみながらメロの下手くそな説明では大して理解出来ないだろうなと勝手に思い込んでいた。


「あの大きな建物が総督府。あの尖塔が復活の天宮の塔。あれが魔術師ギルド……」


 メロの説明の声が微かに聞こえた。


 翔は、今日はアメリアに服や装備を買ってやるつもりだった。奴隷の時のシースルーの服は刺激的すぎてメロが急場凌ぎに作った中着を着ていたが、それでも男達の視線を集め過ぎて叶わなかった。アメリアはそれほど素敵な女性だった。


 翔達は、それからアリスが勧める武具屋に入った。この武具屋に来るのは翔も初めてだった。


 武器と防具が陳列されている。アリスが武器に吹き出しの説明を付けてくれるので、武器と防具の名前や攻撃力、防御力などの情報が直ぐに分かるし、陳列棚にもそれなりの表示がされていて分かりやすい。


 例えば、剣だ。スタンダードと書かれた棚には、ブロードソード、金貨十五枚、攻撃力+3。バスタードソード、金貨十七枚、攻撃力+4。ロングソード、金貨二十枚、攻撃力+5などの剣が陳列されている。これがスタンダード。つまり普通のレベルの剣なのだろう。


 この他にも剣には様々な形、値段が有った。


 値段の高いものを見てみると剣にも名前が付いている。


 『星の剣』鍛冶師カルイ作。魔法付与師サガン。などと書かれ値段が信じられないくらい高い。金貨二千枚だ。


 何という金額だ。


────アリス、魔法付与の剣は恐ろしく高いな。


《翔様。魔法付与の能力はとても貴重です。魔法付与師になれば一生食いっぱぐれは無いでしょう。しかし、魔法付与の能力だけではレリエル様に勝てるようにはならないですから気を付けてくださいね》


────また、馬鹿天使か。いい加減ウンザリだな。メロやアメリアじゃないが本気で復讐したくなるな。


《そのお気持ちは、当然です》


 翔はしかし本気ではない。復讐なぞに時間を割くのは馬鹿だと決めつけている。


「アメリア。このスタンダードのバスタードでどうだ?」


 そう翔が聞くと。


 アメリアは驚いて翔の方を見た。いきなりこんな高価な買い物をしてくれると言うのだから驚いて当然だ。アメリアはメロの方を見るとメロは買ってもらえとばかりに何度も頷いていて見せた。


「私にか?」


 アメリアが尋ねた。

 

「当たり前だ。お前は剣士だろうが。剣を持たない剣士など役に立たない」


 翔が何でも無いと言うように軽く答える。


「それなら、こちらのレイピアでもいいか」


 アメリアが指差したのは、ロングソードよりも高価なスタンダードレイピアという剣だった。二十五金貨もするのに、攻撃力はバスタードソードよりも低い。


 翔は、攻撃力が低いのに高いのは意味があるのだろうと値段にこだわらず本人の希望を優先した。


「ああ。使いやすいのを買うがいい。それと、そこのスタンダード装備もどうだ?」


 翔が指差したのは、女性向けの綺麗な胸当、籠手こて、肩当の装備セットだった。値段は金貨三十枚もする。


 一目見て、アメリアの目がハートに変わった。


 翔は、メロといい女の子は装備に目が無い事に呆れた。


「翔。お金。大丈夫?」


 心配したのはメロだ。予算オーバーなのを知っている。


「任せろ」


 翔が胸を叩く。


「親父。こいつはいくらぐらいで買ってくれる?」


 翔が見せたのは魔核まかくだった。大きな奴を飲まずに少し置いておいたのだ。


「これは魔核か?」と、武具屋の親父が頓狂な声を上げる。「珍しい物を持ってるな。こいつは炎属性の魔核だね。これ一つで大銀貨八枚でどうだ?」


「そうか。なら親父。そのレイピアと装備で手持ち資金が二十金貨とこの魔核三十粒でどうだい」


 翔が親父に金貨と魔核を渡す。


「おお。珍しい魔核をそんなにたくさんか。そいつぁ、俺が頂くとするぜ。兄さん魔核が手に入るならいつでも俺に譲ってくれ」


 武具屋の親父が目を輝かせて言った。確かに自分の才能の底上げができるなら何でもすると言う奴は多いだろう。


「ああ。また手に入ったら持ってきてやるよ」


 翔が言った。


「それなら、その妖精みたいな綺麗なお姉さんに似合いそうな防具、ティアラもオマケしてやるよ」


 武具屋の親父が綺麗な髪飾りを出してきた。


 アメリアはそれを見た瞬間に完全に目がウルウルしていた。


「親父。サンキュー」


 翔が笑いながら親父のナイスなオマケに礼を言った。


 この日、翔は蓄えたいたお金をほとんど使ってアメリアに装備一式と服、マジックバッグなどを買ってやった。


 アメリアが服、装備、剣をつけると女神様の様になった。特にティアラを付けると、彼女の美貌が特に映えた。


「アメリア。なかなか様になってきたな」


 翔が褒めた。


 アメリアは、口の悪い翔に褒められると何だかとても嬉しい事に気がついた。武器屋で着替えてからはアメリアの表情や雰囲気は、随分と穏やかに明るくなった。


 メロも、アメリアの様子を見て嬉しくなった。しかし少しばかり羨ましいので、またの機会におねだりしてやろうと密かに企むのだった。


 翔もアメリアの様子に安心して満足した。大きな出費だが効果てきめんだ。アメリアはそれなりの扱いを受けて、心の傷を少しでも早く癒してもらいたいと翔は考えたのだ。


「大散財だ。今度は稼ぐぞ」


 翔は、そう宣言した。



 お買い物後、彼らがやってきたのは、復活都市の西北にある廃墟だった。そこは、ゴブリンが大量発生して人が近づけなくなっていたのだ。アリスが次のクエストをゴブリン討伐と決めたのである。


────アリス。ゴブリンについて教えてくれ。


《ゴブリンは、レベル1〜3ぐらいの弱い魔物です。体長は小さく、痩せた子供の小鬼のような外見です。しかし見た目は、個体ごとに同じ種族とは思えないほどに違いが有ります。知恵があり、武器や魔法を操ります。ゴブリンには外見の差からホブゴブリンなどと呼ばれる大型のものや女性のゴブリンをゴブリナという事も有ります》


────何だ。見た目が違うので呼び方が違うのか。


《そういう事です。ゴブリン達は、ゴブリンキングの降誕伝承こうたんでんしょうを信じています。この伝承でんしょうによりますと、ある日ゴブリンキングが降誕こうたんしてゴブリンの大軍を率い、ゴブリンを世界の覇者に据えるという伝承です。雄はこのゴブリンキングになることを目指し雌はゴブリンキングを産む事を目指していると言われています》


────出世願望みたいなもんか?


《と言うより種としての生存本能みたいなものです。ゴブリンは特に強く大きく成長するとボブゴブリンと言われる種類になります。ホブゴブリンは見た目は別の種族です》


────ゴブリンの大型版だな。


《ただ大きいだけでなく、あらゆる能力が桁違いに良くなっています。レベルも3〜5と高くなります》


────個体によってバラツキがあるな。


《それがゴブリンの特徴でもあります。彼らの成長はそれで終わりでは有りません。さらに強くなると、魔法を使うゴブリンシャーマンやゴブリンジャイアントなどになります》


────聞いていると、別の魔物になるみたいだな。


《見た目や能力の差からはそのように考えた方が良いかもしれません。ゴブリンが多種多様なのには彼等が多種交配たしゅこうはいを盛んにするからとも言われています》


────多種交配?


《特に亜人種や人族の女性を苗床なえどこにしてたくさんのゴブリンを産ませると言う伝承がある程です》


────苗床なえどこだと。気持ちの悪い奴らだな。


《他種族の女性を狙うのは、どうやらレベルが低い雄ばかりのようですね、雌のゴブリナは、ずっとレベルの高いゴブリンナイトやゴブリンロードがコロニーで独占しているようです》


────ゴブリンが大量発生しているのは、亜人種の苗床があるか、ゴブリンナイトやゴブリンロードがコロニーでせっせと子作りしてるって事だな?


《ゴブリンの群れがコロニーを作るほどになると厄介です。ゴブリンナイトですら、レベルは15ぐらいにまでなりコロニーの規模も千を超します。ゴブリンロードになりますとレベルはさらに20を超えるまでになり、コロニーの規模も数千になります。さらに進化したゴブリンジェネラルともなると軍に匹敵するほどです》


────ゴブリン恐るべしだな。


《過去にジェネラルやゴブリンプリンスなどと言う進化した個体が現れ、亜人や人間の王国と戦争を起こすなどして多大な被害を出したと言う記録が残っています》


────戦争まで起こしていたのか。そんな奴らを、今の俺達で相手にできんのか?


《今回のクエストは、廃墟に住み着いたゴブリンの掃討なのでコロニーのような大それたものでは無いと思われます。せいぜい数百のゴブリンと何十かのホブゴブリンとゴブリンシャーマンなどがいる程度で群れのボスのレベルも10が限度でしょう》



 ゴブリンは亜人種なのか、魔物なのかが不明確な生き物のようだ。しかし、アリス的にはゴブリンは魔物と定義しているようだ。大量発生しているという事は、中心に強いボスがいるはずなのでそいつが力を付けないうちに退治しようという事でクエストの対象になったようだ。


 パーティーになったのでアリスが翔達の討伐対象の魔物のレベルをワンランク上げたのだろう。


「翔!」


 メロが翔の耳元に寄ってきて耳打ちした。


 翔が注意を向ける。


「翔。アメリアは戦いは大丈夫?」


「レベルはお前の方が上だがアメリアの素質はお前よりは上だろう。先輩面をしていると恥をかくぞ」


 翔は笑い流した。


────使えん奴なら、後方支援でもさせるさ。


 翔はそう考えている。


 メロは翔に茶化されてプックリ頬を膨らませた。


「心配するな。私は、投資に見合う働きをする」


 アメリアが硬い口調で言った。


 翔は、黙って頷いてみせた。


────お手並み拝見だ。

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