#66 やり過ぎると周りが振り回されるのね…
これを入れたかった。
翌日--15日--
今日は朝からキャメロン商会に行き、日用品や旅の必需品、盗賊から奪っておいたティア用の武器と俺の武器の整備を行った。
その後、予備の食料や調味料を買って、昼になったので食事処で昼食をとった。
腹を休めたあと、ギルドの訓練場に行き、ティアと訓練した。
『剣術』と『体術』を重点的に模擬戦で使っていったが、1度目で慣れて、2度目以降は負けることなく余裕を持って訓練することが出来た。ティアは凄く疲れていたが…やり過ぎたので『リカバー』を掛けてなんとか落ち着けることができた。
約束していた4つの鐘がなったので、受付に取り次いでもらって、すぐギルドマスター室に通された。
「こんにちは、トール君、セレスティアさん」
おぅ…アイリーンさんがちとコワイ………
「こんにちは、アイリーンさん…」
「こんにちはなのじゃ」
「昨日はやってくれたわね…魔法の気配が無いのがあんなに怖いとは思わなかったわ」
「すみませんでした。ちょっとした出来心だったんです…」
「ハァ…まあ、いいわ。それだけ親密度が上がったということにしておくわよ。
それでは、先に装備品を渡すわね。良いものが見つかったわよ」
そうして、アイリーンさんが机の上にガントレットと苦無、ブーツ、コート、弓、ハーフプレート、フード付きのローブ、靴が出てきた。多くね?
「『物品鑑定』持ってたわよね。視てみて」
「はい、わかりました」
まずはガントレットだな。
『物品鑑定』発動!!
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頑強ガントレット
品質:最高
状態:魔鋼とミスリルで縫った革の魔力伝導率、耐久度共に最高。地属性が付与されている為、魔力を伝えると硬度が上がる。
価値:1000000モル程度
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いやいや、このレベルは高過ぎじゃね?
それに気になる文言があるな?付与されている?もしかしたら『天恵眼』で見えるか?
『天恵眼』発動!!
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頑強ガントレット
付与スキル
・『地魔法Lv.4』
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出ちゃったよ…このレベルやっぱ高過ぎじゃね?
「とてつもなく、良いものじゃないですか!!全部このレベルですか!?」
「そうよ…一応、ランクBやAくらいが使う装備品ね。自分の情報を低く見積り過ぎよ。下手をすると国も動くような情報なのよ、貴方の情報は。だから、これに加えて私から2000000モル出すわ。他に良い装備品が無かったのよ」
「は!?」
「とりあえず、他のも視てみて」
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増殖クナイ
品質:最高
状態:魔鋼の魔力伝導率、耐久度共に最高。『複製』スキルが付与されている為、魔力を伝えると1~12個まで任意で増殖可能。
価値:700000モル程度
付与スキル
・『複製Lv.6』
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烈蹴
品質:最高
状態:地竜の革と魔鋼の魔力伝導率、耐久度共に最高。地属性と時空間属性が付与されている為、魔力を伝えると硬度と足を動かす速さが上がる。
価値:1000000モル程度
付与スキル
・『地魔法Lv.5』・『時空間魔法Lv.3』
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コンフォートコート
品質:最高
状態:黒狼革の魔力伝導率、耐久度共に最高。火属性と水属性が付与されている為、魔力を伝えると防熱、防寒の効果が出て、コート内を快適な温度にする。また若干、闇属性が付与されているが特に影響は無い。
価値:500000モル程度
付与スキル
・『火魔法Lv.4』・『水魔法Lv.4』
・『闇魔法Lv.1』
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暴風雷弓
品質:最高
状態:魔樹とミスリルの魔力伝導率、耐久度共に最高。風属性が付与されている為、魔力を伝えると風属性を付与した矢を放つことが出来る。また、魔力を伝えるだけで、アロー系の魔法を放つことも出来る。
価値:750000モル程度
付与スキル
・『風魔法Lv.6』
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疾風プレート
品質:最高
状態:ミスリル合金の魔力伝導率、耐久度共に最高。風属性と時空間属性が付与されている為、魔力を伝えると身を守り、補助を受けて身体を加速させることが出来る。
価値:800000モル程度
付与スキル
・『風魔法Lv.5』・『時空間魔法Lv.3』
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コンフォートローブ
品質:最高
状態:赤狐革の魔力伝導率、耐久度共に最高。火属性と水属性が付与されている為、魔力を伝えると防熱、防寒の効果が出て、コート内を快適な温度にする。
価値:550000モル程度
・『火魔法Lv.5』・『水魔法Lv.4』
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フライシューズ
品質:最高
状態:竜の革とミスリルの魔力伝導率、耐久度共に最高。風属性が付与されている為、魔力を伝えると空中に足場を作り、空を跳んだり、水の上を走ることが出来る。
価値:650000モル程度
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え、待って全部で5950000モル!?
さらに、2000000モル加えるとほぼ8000000モルじゃん!?
「待て待て待て…情報の報酬8000000モルですか!?
本当にこれ妥当なんですか!?」
「いえ、これでも少ないくらいよ。貴方の情報を公表すると、兵が強くなり、結果的に国が安全になるのよ。最低でも1千万モルは上げたかったわ」
「主殿、我も今回の取引内容はギルドマスターが正しいと思うぞ」
「金銭感覚がおかしくなりそう…でも、納得はしました。有りがたく頂戴します」
2人が言うなら間違いないんだろうな…
「まあ、貴方が生き残るのならこのくらい安いもの、と思っておきなさい」
「はい」
「じゃあ、次に盗品のお金ね。全部で、3725000モルになったわ」
「本当に金銭感覚が狂いますよ…」
「これは我も驚きなのじゃ」
「慣れなさい。ランクB以上になると500000モル以上の依頼は結構あるわよ。今回は貴金属類が多かったから値段が高かったのね」
「はー・・・こういうのも探索者ならではってことですね。もう、受け入れますよ。有りがたく頂戴します」
「そう、じゃあ堅苦しい話はこれでお仕舞いね。
5つの鐘がなるまで武器を慣らしておきなさい。明日から護衛依頼でしょ?」
「そうですね~…あ、さっき思い付いたんですけど…」
「ん?何かしら?」
「武器にもスキルがあるみたいなんですよね~…だから取れないかな~と」
「・・・それが本当なら凄い情報だけど…貴方、自重って言葉しってる?」
「主よ、我もギルドマスターに同意じゃ」
「いや、この2人の前ならいいかな~って思って…」
信・頼・感!!信・頼・感!!
「はー、そう言われると…」
「きつくは言いにくいのじゃ」
「じゃあ、『秘密の部屋』っと…では、このコートから、『闇魔法』を取ってみますね。『すきと~る』」
早速ステータスを確認すると、『闇魔法』がLv.10になっていて、コートから『闇魔法』が消えていた。
「あー、出来ちゃいました…」
「・・・ホントに?」
「呆れてものも言えんのじゃ」
「もう、装備して訓練場に行きなさい…なんか疲れたわ………」
アイリーンさんがこめかみを押さえながら、こんなことを言い出した。
「はぁ…なんか…すみません」
俺が悪いの?
「主よ、人は劇的な変化には弱いものじゃぞ」
ティアもなんか疲れてる…というか心を読むな!
遠巻きに非難してるし…
しばらくして、俺たちは新しい装備を付け終えた。
俺は、手に頑強ガントレットを付け、コンフォートコートを羽織って増殖クナイを収納し、烈蹴を足に装備した。コートを十全に使えれば、胸当て以上の防御力があるらしいので外している。
なんか、ホントに格好が○乃森○紫に近付いてきたな…コートは黒いし、ガントレットだけど…
ティアには、暴風雷弓と疾風プレート、コンフォートローブ、フライシューズを装備させた。うん、ローブが無ければエルフの戦乙女みたいだ…緑色と銀色のグラデーションで輝いてますね。
「綺麗だな」
俺は何気なく呟いた。
「ありがとう…なのじゃ」
照れながらティアが返事をした。聞こえたみたいだ。
2人共恥ずかしくなってうつむいた。
「コホン…んん…装備し終わったわね。早速、訓練場に行きなさい…」
アイリーンさん助かりました!!でも、そのイラついた顔は止めてください…俺が悪かったから!!
「そ、そうですね」
「は、早く行くのじゃ」
「そ、そうだ。どうせなら、ここでブーツからも『時空間魔法』も奪って全魔法Lv.10にしちゃおう!!」
自重…その言葉をこの時は忘れていた…
「「えっ!?」」
『すきと~る』
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全魔法、『融合』、『魔力操作』、『並列思考』、『合成』、『異常状態付与』が全てLv.10となったことを確認。必要条件を満たしました。
保持者
『魔人』
が発現します。
発現条件となったスキルは統合されて表示されませんが、消える訳ではありません。
また、更なる発展の為、レアスキル『魔力吸収Lv.1』と『魔法破壊Lv.1』が与えられます。
発展までの条件は各自でお探し下さい。
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「はーーーーー!?」
預金:3090000モル
※所持金:5750000モル、計8840000モル
スキルは次回の本編で!!




