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揺り籠の記憶

首を吊った遺体が一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ。

何故か必死で遺体を下ろしている俺。

ひとつ下ろす度に記憶が蘇る。

一つ目を降ろす。

もみじのような小さな手が目の前に見える、

時々母親っぽい顔や父親っぽい顔が見える。

手をグーパーしたり、拳を口に入れて苦しくて泣いてしまう、母親は「あらあら、赤ちゃんって本当に面白いわねえ」と笑っている。

その顔を見て嬉しくなってきゃっきゃとわらう、「あら、この子もう声を上げて笑うのね」

「天才なんじゃないか?」

父親もだらしない目付きをして褒めてくれる。

だんだん景色が薄らいでいく。

次の遺体を必死で下ろす。

二つ目

幼稚園ぐらいだろうか、小さな子供が買ってもらったばかりのミニカーを走らせてご機嫌に笑っている。

母親の腕の中には弟だろうか、小さな赤ちゃんが抱かれている。

父親は相当子煩悩なのだろう、上の子と下の子に帰ってくるなり抱きついていた。

幼稚園ぐらいの子は「パパおひげいたいよ」と身を捩って逃げようとする。

父親は「お前もそのうち髭が生えてくるよ」

と言うと「嫌だ嫌だおひげなんてはえたくない!!」

と拗ねてしまった姿を見て、父親は2階に上がって、そっと髭を剃っていたのだった。

寂しかったのかもしれない。

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