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英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第六章 逾槫ョちゃんは誰かに祈りたい
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第401話 トレーニング

「またアレッサに怒られてたのか?」

「まぁね」


 小さな寝息を立てて眠るアレッサを見ながらアゼラが呆れたようにノンへ声をかけました。すっかり慣れてしまったのか、ノンも悪びれもせずに苦笑を浮かべます。


 熊族の少年、アゼラ。大槌を抱えて話す彼はノンと同じ年齢であり、闇ギルドの企みによってケレスカ大陸にある故郷で誘拐され、ハーニンド大陸まで運ばれたのに奴隷にされた子供です。


 ノンたちに拾われ、故郷を目指して旅をすることになりましたが、紆余曲折ありながらもケレスカ大陸に戻ってくることができました。


「アレッサさんの言ってることは間違ってないんだから少しは大人しくしててね」

「はーい」


 そんな彼の隣にいるのは垂れた耳が特徴的な犬族の少女、ミア。アゼラと共に誘拐された子供であり、獣人では珍しく魔法を扱えるほどの魔力を持っています。また、故郷で無数の本を読んでいたため、子供ながらに知識が豊富なため、斥候のコツをグレイクやアレッサから学んでいました。


「それにしても俺たちが種王会議、だっけ? そんな大事なやつに出られるなんてな」

「そうだね」


 ノンたちは魔族撃退かつ闇ギルドの企みを阻止したため、その詳細を種王会議で参加者たちに伝えることになっています。また、獣王ガレスは民の獣人を誘拐され、他人事ではないと判断し、魔族と敵対すると宣言するつもりのようでした。


「これで戦争が終わればいいのにね」

「……うん」


 ミアがノンに笑いかけながら言いますが彼の反応は少し不安そうでした。現在、人間は魔族に戦争を仕掛けられており、物流の停止、海路の封鎖など徹底的に他の大陸に住む他種族に助けを求められない状況です。そんな中、獣人が魔族に敵対することとなった場合、このケレスカ大陸も戦地になる可能性がありました。


(魔族は死なない……)


 獣人誘拐事件の首謀者である魔族のバンデルはアレッサたちのおかげでなんとか撃退することはできました。しかし、魔族は頑丈な体と高い魔法耐性を持っており、普通に戦うだけでも厄介なだけでなく、死にません。焼かれても、溺れても、潰されても即座に回復し、ケロッとした顔で再び襲ってきます。


 そんな魔族にも弱点がありました。それは高い回復力を超えるほどのダメージが体に蓄積すると体の再生が緩やかになる、というもの。その弱点を突き、アレッサたちはバンデルを戦闘不能にまで追い込むことができたのです。


 しかし、ガレスが気を失ったバンデルを確保しようとしたところ、小柄な別の魔族が割って入り、バンデル共々逃げられてしまいました。もし、あのまま捕まえられていれば魔族に関する情報を得られた可能性は高く、ガレスは申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にしていたのを思い出します。


 魔族は死なない。そんな相手と敵対すれば多くの獣人が傷つく。ノンはそれが心配だったのです。


「……そっちはどんな感じ?」


 魔族については種王会議が始まるまで放っておこうとノンは話題を変えるためにアゼラたちに問いかけました。彼らはグレイクやアレッサに戦い方を学んでいる最中です。それこそ、先ほどまで体力を付けるために馬車を降りて走り込みをしていました。


「体力はついてきたな。大槌を背負いながらでもそれなりに走れるようになったぜ」

「私も少しずつ魔法を使うコツを掴んできたかも。昨日もアレッサさんが魔法の発動が早くなったって言ってた」


 アゼラは大鎚を扱うため、体力や筋肉を付けるトレーニングを中心に鍛えており、ミアは魔法の使い方を学びつつ、基礎的なトレーニングを積んでいるようです。


「おー、すごい。この調子で頑張ろう」

「おう!」

「うん!」


 蓑虫状態のノンは二人の成長ぶりに感心しながら笑い、アゼラとミアも嬉しそうに頷きました。

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