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空想魔術概論  作者: ひぃ
2/3

§1

15年前、日本を含む世界中で戦争が起き、13年前に日本は負けた

今でも世界各地で小さないざこざや紛争は起こっているが、こと日本に関しては戦前の頃のような雰囲気を取り戻しつつある

街頭のスクリーンは芸能人のスキャンダルを取り上げ、子供達は携帯ゲームの話で盛り上がっている

そこにいる男女なんかは道の端っこでイチャイチャしはじ...っておいリア充爆ぜろ


「おーい、純一」

声のする方を振り向くとそこにいたのは茶色い短髪のメガネ男だった

コンビニの袋を持ってこちらに歩いてくる

なんだ、モブか

「なに物思いに浸って無視してんだよ」と言いながら火をつけたばかりのタバコの煙を俺に吹きかける

「ケホッ、なにしやが、ケホッ、亮太郎てめー

俺は今世界の平和を願ってたんだぞ」

俺も自分のタバコで仕返しをするが、コンビニの袋を盾にされた

こいつ...

「残念ながら平和を乱す悪は俺じゃない、時間だ」

「ん、あぁ...これ吸い終わったら行くか」「だな...」



一服し終わった俺たちは足取りは重く喫煙所を出ようとする

「いつまで隠れてるんだ、敦」

俺が呟くと喫煙所の壁からフッと一人の男が現れる

「おや、ばれてたんかい」

「さっき煙で気づいたんだよ」

「なるほど、空気にはなれやんかったか」

そう言いつつも敦は自分の魔術が見破られたことには少しも残念そうにしていない

「さすが、存在感が空気な人間は違うね」と、亮太郎が茶化してきたのでケリを入れた


「そろそろ行くか」「だな」

俺たちはT大の魔術科の教室へと向かった


魔術、さっき敦が使ったのもその一つだ

(敦のは忍術らしいが)

最初に魔術が確認されたのは17年前だが、そもそもの発端は25年前に『AUX』(補助脳)が一般に普及し始めたことによる

現実とは人間が知覚したものでできている

しかし、補助脳によって人間の知覚できる事象は広がった

するとひと昔前には第六感や霊感、超能力などと呼ばれたことが少しづつ普通の物へとなり、そういった物事を科学的に突き詰めていった学者が現在の魔術の基礎を作った


魔術は現実を構成している途中の子供の方が適正が高いと言われ、各国では魔術師の育成に力を注いでいる

おかげで戦争も起きてしまったが

国は魔術師をエリートとして一応扱っているが、一般的には隔離、管理するための学校と言っても間違いないだろう


「次の授業なんだっけ」

「応用魔術回路Iだな」

「あぁ、座学か。なら楽だな」

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