ウィゼンベルク村とわたし#11
大体の事はわかったし、そろそろ起きようかな。ママもミアをずっと抱っこしてるのはツライだろうしね。
「はふっ」とあくびの真似をする。
「起こしちまったかい?」
ママの胸にお顔をぐりぐり擦り付けてから「もぅおきりゅ」腕をポンポンして下ろしてもらう。
立ってワンピースに付いちゃった皺をぱたぱたはたく。
「おやまぁ、かわいい晴れ着じゃないか」
「よくお似合いだよ」
「マリッサ気張ったねぇ、よくできてるよ」
「カッツェもだよ、水色なんてこっちじゃ割高だったろうに」
おばちゃんやおばあちゃんが口々にママの作った晴れ着を褒めてくれる。
ミアもうれしいけど、ママもうれしそう。
「みあ、このふくだーいしゅき」
なんてったって“ママの手作り”なんだもん。ママが“ミアのために”作ってくれたんだもん。
ご婦人達の真ん中でくるっとすると、ワンピースがふわっと膨らんで可愛らしさ全開だ。
「…こりゃ、ダメだよ」
え?いいって褒めてくれたのにダメなの?
「村の中なら大丈夫だけどよそへ出したら拐われるね」
「十中八九、危ない目にあうよ」
「他所もんに見つかるんじゃないよ」
「エルフなんてこのへんじゃお目にかからないし、もしよその村や町に行くんなら三人は男手がいるよ」
と、今度は口々に心配してくれる。
「みあ、やまのおうちにいりゅからへーきよ?」と答えたら「それがいい」と満場一致をもらった。
おばさん達の話はどこそこの家の夫婦喧嘩や今年の作物のでき、お天気の話だとかになった。ママも久しぶりの井戸端会議参加で楽しそうに話し込んでいる。
そろそろ大人の話も飽きちゃったな。
広場を見渡せば円形の石畳から3本の道が伸びている。
道のないところは雪だるまの頭みたいに小さい円が広場にくっついてる。
空き地みたいで、クローバーやタンポポみたいなお花が咲いている。
ママのスカートを引っ張って「あちょこいってきてい?」空き地を指差す。
ママはちらっと空き地を見て「えぇ、あそこから出ないならいいわよ」と許可してくれた。ママはそのまま会議続行のようだ。
草地へ座り込んでまずは観察。
クローバー、白いのとピンクのお花がある。
タンポポに似てるお花はよくみると真ん中の花びらだけオレンジ色。
あ、てんとう虫見っけ!
こっちのてんとう虫は水玉模様じゃなくて本当に星☆の形が模様になってる。黒の体に黄色の1つ星とか、黄色の体に赤の5つ星とかでオモチャみたい。
「あんたどこの子?」
ふいに女の子の声がした。てんとう虫に夢中になって誰か近づいてきたのに気がつかなかったみたい。
振り返ると6、7才の女の子が3人立っていた。
真ん中に立っている子はポニーテールで赤毛。それに赤い服。ちょっとキツそうな目は焦げ茶。
右に立っている子は茶色の髪を2つにお下げにしている。黒い瞳。薄い赤の服。
左の子はお下げを一つサイドへ垂らしている。茶金の髪に薄茶の瞳。蜜柑色の服を着ている。
みんな服の上にエプロンをつけていた。
「となりのおじさんが村長にエルフの孫娘ができた!って騒いでたけど、あんたのこと?」真ん中の子がずいっと前に出て聞いてきた。
そんなのはミアしかいないと思うので素直にこくっと頷いておいた。
「村長の孫は本当にエルフなのね」ミアの耳を見つめてる右の子が言う。左の子が「名前はなんて言うの?」と優しく聞いてくれたので練習の成果を披露した。
「みあでしゅ。しゃんしゃいでしゅ。よろちくおねがいちましゅ!」
「今日が“ご挨拶”だったのね、私はアナ」
赤毛のポニーテールのお姉さんはアナ。
「私はベスよ。村は初めて?」
茶色の髪はベス。
「おやまのおうちでたのはぢめて」
「私はエミーナ。一人なの?」
茶金のサイドお下げはエミーナ。
黙って井戸端会議の円陣を指差すと、3人共が「あーーー」と納得の表情だ。自分達も井戸端会議の最中は放っておかれた覚えがあるのだろう。
「しょーがないわね、今日は私達の仲間に入れてあげるわ!特別なんだからね!」アナがミアを仲間にしてくれる宣言をしてくれた。両隣の二人は目を合わせて、ふふふって笑ってる。見た目ほどキツイ性格じゃないみたい。面倒見のいいお姉ちゃんだった。
本日の異世界転生・転移/ファンタジーの日間ランキングで123位に入ることができました。
1・2・3です!
前回ランキング入りした時は色んな人にお礼を言いまくりたい気持ちでしたが、何だか今回は穴を掘って「王様の耳はロバのみみーーーっ!!!」的に叫びたい気分です。
何でしょう、何だか照れくさいです。
ブクマ&評価していただいた皆様、本当にありがとうございます!
これからもミアをよろしくお願いします♡




